2016年05月09日

特定のタイプの進行肺がん患者さんに対するロシュ社の
AvastinとTarcevaの併用療法についてCHMPが欧州承認を勧告

AvastinとTarcevaの併用療法はTarcevaの単独療法と比較して、無増悪生存期間を統計学的に有意に延長

【参考資料】

当参考資料は、F. ホフマン・ラ・ロシュが2016年4月29日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースを、戦略的アライアンスを締結している中外製薬が翻訳版として、皆様に提供させていただくものです。
従いまして、日本国内と状況が異なる場合があること、また、正式言語が英語であるため、表現や内容につきましては英文リリースが優先されますことをご留意ください。
英文プレスリリースは、下記URLよりご参照ください。
http://www.roche.com/media/store/releases/med-cor-2016-04-29b.htm

Avastinについて

  • 日本での効能・効果は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」、「扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、「手術不能又は再発乳癌」、「悪性神経膠腫」、「卵巣癌」、販売名は「アバスチン®点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL」です。
  • 国内では、「進行・再発の子宮頸癌」に対する効能・効果追加の製造販売承認申請を行っています。また、「腎細胞癌」を対象とした第Ⅲ相国際共同治験に参加しています。

Tarcevaについて

  • 日本での効能・効果は「切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌」、「EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で、がん化学療法未治療の非小細胞肺癌」、「治癒切除不能な膵癌」、販売名は「タルセバ®錠25mg、同100mg、同150mg」です。
  • 「タルセバ®錠150mg」は、「治癒切除不能な膵癌」での使用は承認されておりません。

用法・用量に関連する使用上の注意
Avastin
扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の場合、本剤は白金系抗悪性腫瘍剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用により開始すること。
Tarceva
非小細胞肺癌では、他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

2016年4月29日 バーゼル発

ロシュ社は本日、欧州医薬品委員会(CHMP)が上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の切除不能な進行、転移性または再発非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者さんの一次治療におけるAvastin(bevacizumab)とTarceva(erlotinib)の併用療法について、承認勧告を行ったことを発表しました。NSCLCは肺がんのうち最も一般的なタイプであり、欧州および世界中でがん関連死の原因の第1位となっています1-3)。欧州のNSCLC患者さんの約10-15%がEGFR遺伝子変異を有しており、欧州では毎年33,000人あるいは毎日90人が発症すると推定されています1, 3-5)

ロシュ社の最高医学責任者兼国際開発責任者のSandra Horning博士は、「EGFR遺伝子変異陽性の肺がんにおけるAvastinとTarcevaの併用療法は、Tarcevaの単独療法に比べ無増悪生存期間を統計学的に有意に延長させました」と述べるとともに、「我々は、この分子標的治療薬の併用療法が患者さんの予後を改善したことを嬉しく思います。本日のCHMPによる承認勧告は、この特定型の肺がん患者さんに対する有力な治療選択肢を近く提供できることを示すものです」と語っています。

欧州申請は、主要な第II相臨床試験であるJO25567試験の成績に基づいています6)。本試験において、AvastinとTarcevaの併用療法を受けた患者さんはTarcevaの単独療法を受けた患者さんと比較して、無増悪生存期間中央値が6.3カ月延長しました6)。これは、病勢進行または死亡の相対リスクを統計学的有意に46%減少させたことを示し(PFS中央値:16.0カ月対9.7カ月、ハザード比0.54、p=0.0015)、主要評価項目を達成したことを意味しています6)。AvastinとTarcevaは、腫瘍の増殖と成長に重要なドライバーであることが知られている経路を標的としています。AvastinとTarcevaの併用療法の有用性は、両剤の併用が有効かつ忍容可能であったことを示す他の臨床試験の成績によっても支持されています7, 8)

現在、AvastinとTarcevaの両剤は、進行NSCLCの患者さんにおける一次治療として世界各国で承認されています。Avastinは、化学療法との併用で非扁平上皮NSCLC(EGFR遺伝子変異の有無に関わらない)、およびTarcevaは、EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者さんにおける単独療法で承認されています。

JO25567試験について
中外製薬が実施したJO25567試験は、日本人において、EGFR遺伝子変異陽性の非扁平上皮NSCLCを対象として、AvastinとTarcevaの併用療法とTarcevaの単独療法について安全性と有効性を評価したランダム化第II相臨床試験です。154名の患者さんから得られた成績は以下のとおりです。

  • AvastinとTarcevaの併用療法を受けた患者さんでは、Tarcevaの単独療法を受けた患者さんに比べ主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値が6.3カ月延長し、病勢進行または死亡の相対リスクを46%減少させました(PFS中央値:16.0カ月対9.7カ月、ハザード比0.54、p=0.0015)6)
  • 新たな有害事象や臨床的に重大な有害事象は認められず、毒性プロファイルは管理可能であることが示されました6)

ロシュ社の肺がん領域について
肺がんは、ロシュ社が注力し投資を行う主要な領域であり、我々はこの致死的な疾患に罹患している患者さんを救うための新しいアプローチ、医薬品および診断薬の開発に注力しています。我々ロシュ社は、肺がんと診断されたすべての患者さんのために有効な治療選択肢を提供することを目指しています。現在、我々は特定型の肺がんに対する三つの承認された薬剤を保有しており、さらに肺がんの最も一般的なドライバー遺伝子を標的とするか、疾患と闘うための免疫系を賦活する10種類以上の薬剤の開発を行っています。

EGFR遺伝子変異陽性のNSCLCについて
肺がんは、欧州および世界中でがん関連死の原因の第1位となっています1, 2)。欧州では、肺がんにより、乳がんと前立腺がんの合計よりも多くの患者さんが死亡しています1)。欧州では毎年、25万人以上の患者さんが肺がんで死亡しており、これは毎日700人以上の患者さんの死亡に相当します1)。NSCLCは、最も一般的なタイプの肺がんで、肺がんと診断されたすべての患者さんの85%を占めています3)

上皮増殖因子受容体(EGFR)は、正常細胞のシグナル伝達の一部を形成する細胞膜貫通型タンパクです。活性型のEGFR遺伝子変異を有するNSCLCは、EGFRタンパクの構造および機能に変化をもたらすEGFR遺伝子内のDNAの特定領域に突然変異(エクソン19とエクソン21)があり、その結果としてEGFRシグナル伝達が常に活性化しています。これは、細胞増殖や細胞分裂の加速、転移および血管新生の進展を誘発する可能性があります。NSCLCに罹患している約10-15%の欧州人でEGFR活性化変異が認められ、欧州では年間約33,000人が発症していると推定されています1, 3-5)

Avastinについて
2004年に米国で進行性結腸・直腸がんに対して最初に承認されたAvastinは、進行がんの患者さんの治療に広く臨床で用いられる初めての血管新生阻害剤となりました。

今日でも、Avastinはいくつかのがん種で証明された生存期間(全生存期間および/または無増悪生存期間)の延長を通じ、引き続きがん治療に変革をもたらしています。Avastinは、欧州では進行期の乳がん、大腸がん、非小細胞肺がん、腎がん、卵巣がん、および子宮頸がん、米国では大腸がん、非小細胞肺がん、腎がん、子宮頸がん、および白金製剤抵抗性の再発卵巣がんの治療薬として承認されています。加えて、70カ国以上で、初期治療の後に病勢が進行した悪性神経膠腫の治療薬としてAvastinは承認されています。日本におけるAvastinの効能・効果は進行期の大腸がん、非小細胞肺がん、乳がん、卵巣がん、および新たに診断された膠芽腫を含む悪性神経膠腫です。

Avastinは、血管新生阻害剤を今日のがん治療の基本的な柱に位置付けさせ、これまでに200万人以上の患者さんがAvastinによる治療を受けてきました。現在、300を上回る臨床試験による広範な臨床プログラムにより、50以上のがん種でAvastinの有用性を検討しています。

Tarcevaについて
Tarcevaは、進行または転移性NSCLCの治療に用いる1日1回経口投与の非化学療法剤で、がんの増殖と成長に関わるタンパクであるEGFRを阻害します。
Tarcevaは、米国ではアステラスファーマUSとジェネンテック社、日本では中外製薬、その他の国々ではロシュ社が開発と販売を行っています。

ロシュ社について
ロシュ社は、人々の生活をより良くする最先端のサイエンスに基づいた医薬品ならびに診断薬の世界的なパイオニアです。

ロシュ社は、がん、免疫疾患、感染症、眼科および中枢神経系疾患において他社と一線を画した薬剤を保有する世界最大のバイオテクノロジー企業です。さらに、体外診断薬とがんの組織学的診断において世界のリーダーであり、糖尿病管理分野も牽引しています。ロシュ社は、医薬品事業と診断薬事業の双方を傘下に持つという大きな強みにより、個々の患者さんに合った最適な治療を目指すパーソナライズド・ヘルスケア(PHC)のリーダーであり続けています。

ロシュ社は1896年の創立以来、疾患の予防、診断そして治療において、より優れた方法を探求し続けることで、持続的に社会へ貢献しています。世界保健機関(WHO)が策定した必須医薬品リストには、人の生命を救うための抗生物質、抗マラリア薬および抗がん剤など、ロシュ社が創製した29の薬剤が記載されています。また、Dow Jones Sustainability Indexの「医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス企業」部門において、ロシュ社は7年連続で持続可能性のリーダーに選出されています。

ロシュ社はスイス・バーゼルに本社を置き、2015年では世界100カ国以上で約91,700人の社員を擁しています。ロシュ・グループは2015年に研究開発費として93億スイスフランの投資を行っており、売上は481億スイスフランでした。ジェネンテック社(米国)は、100%子会社としてロシュ・グループのメンバーとなっています。また、ロシュ社は中外製薬(日本)の株式の過半数を保有する株主です。さらに詳しい情報はwww.roche.comをご覧ください。

本プレスリリースに使用された商標等はすべて法律で保護されています。

追加情報
Roche in Oncology: www.roche.com/media/media_backgrounder/media_oncology.htm

参考文献

  1. European Cancer Observatory 2012. Estimated cancer incidence and mortality in European Union. Last accessed April 2016 at http://eco.iarc.fr/eucan/Country.aspx?ISOCountryCd=930
  2. GLOBOCAN 2012. Estimated cancer incidence, mortality and prevalence worldwide in 2012. Last accessed April 2016 at http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_population.aspx
  3. Barzi and Pennell NA. ECJMO. 2010; 2(1): 31-42
  4. National Comprehensive Cancer Network (NCCN) 2016. NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines). Non-Small Cell Lung Cancer. Version 4. 2016.
  5. Antonicelli A et al. Int J Med Sci 2013; 10(3): 320-30
  6. Seto T et al. Lancet Oncol. 2014; 15(11): 1236-44
  7. Herbst RS et al. Lan Oncol. 2011; 377(9780): 1846-54
  8. Stahel RA et al. A phase II trial of erlotinib and bevacizumab (B) in patients with advanced non-small cell lung cancer with activating epidermal growth factor receptor mutations with and without T790M mutation. European Cancer Congress 2015 abstract #3BA.

本件に関するお問い合わせ先:
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