病気と向き合う患者さんの
ライフステージに寄り添う情報サイト

互いに自立しながら、いたわりあえる関係性を
〜中野さん親子に聞く サステナブルに生きるヒント〜

  • ライフインタビュー
  • 社会人
  • サポート
  • 人間関係

Profile

中野さん親子
疾患
視神経脊髄炎ししんけいせきずいえん スペクトラム障害 (NMOSD)

仕事や子育てに忙しかった40代に、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)を発症した中野尚子さん。ご主人と2人の娘さんとともに15年以上、闘病生活を送る中でさまざまな経験を重ねてこられました。そんな中野さん親子に、家族のコミュニケーションをよくするために心がけていること、ストレスを感じたときにしている気持ちを切り替えるための工夫などをお聞きしました。病気と向き合う大変さはそれぞれですが、少し視野を広げ気分を変えるヒントにしてみませんか?

中野 尚子なかの なおこさん
(本人/61歳)
43歳で視神経脊髄炎を発症。ペット(犬)の「シロマル」との散歩が重要な日課
瑠璃子るりこさん
(長女/30歳)
声楽家で群馬と東京を往復する生活。今後オーストリア留学の予定
絹与きぬよさん
(次女/28歳)
民間学童保育でイベント企画を担当。都内でご主人と2人暮らし。第一子妊娠中

1「自立」をベースにいたわり合える関係を

家族みんなのQOL向上のために気を付けていることは?
瑠璃子さん

もともと母も自立した個人行動型の人間で、私たちの進路についても「好きにしたらいいんじゃない?」という姿勢でした。我が家はそれぞれが自分の向く方に向いて適度な距離を保っているほうがお互い精神的に落ち着いているのかなと思います。

絹与さん

私以外の家族はみんな、思ったことは口に出すタイプなのですが、私がすごく覚えているのは「お母さんは病気のせいでよけいにヒステリックになっているから」と、父や姉からよく言われていたことです。お母さんは病気だからあんまりイライラさせないようにしよう。でもあまり気を使いすぎないということも心がけていたかなと思います。

2「泣く」「歌う」ストレス発散の方法を持つ

今のストレス解消方法はなんですか?
尚子さん

シロマル君(ペットの犬)の存在です。散歩に行くことが、毎日の日課になっています。

絹与さん

ストレスがたまったりすると、私はすぐ泣くんです。実家を離れている今も、母から電話があってつらい思いになることもある。そうしたら夫に全部話してワーッと泣いてスッキリして終わります。

瑠璃子さん

私にとって声楽は仕事ですが、歌っていると発散されるのです。それとお酒を飲むこともいいストレス解消になっています。

3家族の「ありがとう」が、みんなの救い

家族の行動や言葉で嬉しかったことは?
絹与さん

母が発症したころから中学生ぐらいまで、私は母の病気から逃げていてうまく向き合えていませんでした。その頃、姉が毎日病院に行ってくれていたのはありがたかったですね。姉とはつらいことを一緒に経験してきたからこそ今も大きな理解者。その感謝はちゃんと伝えていきたいと思っています。

瑠璃子さん

あの頃、私は自分の任務だと思ってがむしゃらにやっていて、そこに「なぜ私ばかりが」というような家族への不満はまったくなかったのです。でも、妹が「ありがたいと思っている」と言ってくれたときには、「私がいてよかったんだ」と思え、救われたと感じました。

4ケアする側は無理せず、支えや癒しを見つけよう

これまでの出会いの中で、転機になったと思うのはどんなことですか?
絹与さん

「ちゃんと自分の意思で生きられる年齢になったのだから、親のせいにしなくても大丈夫。お母さんだって頑張っているんだよ」という夫の言葉です。それまで、どうしても母の病気のことや子ども時代の経験にとらわれがちだったのですが、そこから自分は自分の人生を歩もうと思えるようになりました。

瑠璃子さん

患者会の皆さんとの出会いです。珍しい病気なので、それまで同じ苦しみを抱えている人々に会ったことがなかった。家族にとってもすごく孤独な闘いだったのです。でも、今では患者会の運営に関わるようになり、困っていること、聞きたいこと、どういうふうに対処していくかなどを共有していくことが支えになっています。とにかく当事者は自分の人生に必死。だから家族はまず無理をしないことが大切だし、そのために支えになってくれる存在を見つけることも重要だと思います。

5医師や医療機関に家族の思いを「伝える」ことも大事

医師、医療機関との関係性で大切にしていることは?
瑠璃子さん

今、母は主治医の先生に恵まれていて、安心して病院に通っています。それが、状態が安定している大きな要因だと思います。と同時に、家族も病気のことをよく知っていることも大事です。「先生がこう言っているから(こうすればいい)」ではなく、わからないことがあったらよく聞いて理解するなど、病気のことに関心があるという姿勢を伝えていくことも大切だと思います。

その他の記事

    トップに戻る