世界には、まだ治療薬のない病気がある
体の不調を感じたとき、私たちは病院に行ったり薬を飲んだりする。
しかし、もしあなたの不調を治す薬が、まだこの世界に存在しなかったら――?
新型コロナウイルス感染症の流行初期にはワクチンがなく混乱したように、
世界には、まだ効果的な治療薬が存在しない病気が多数ある。
多くのがんやアルツハイマー病、新型感染症などもその例だ。
どうやったら、これまでにない革新的な薬をつくれるのだろうか?
いま、新たな治療の可能性を拓く「中分子医薬品」への挑戦が進んでいる。
がん
多くのがん種、特に進行がんや特定の希少がんには効果的な治療法がない。例えば膵臓がん、脳腫瘍の一部、転移性がんなど。
神経変性疾患
アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、ハンチントン病などは進行を遅らせる治療はあっても、根本的な治療法はまだない。
感染症
新興・再興感染症、薬剤耐性菌による感染症など、効果的な治療法が不足している。
そもそも、薬はなぜ効くのか?
私たちの体を構成する「タンパク質」。皮膚や内臓を形づくるだけでなく、抗体として体を守るなど、生命維持に不可欠な役割を担う。
がんやアルツハイマー病など、多くの病気は、タンパク質が正常に機能しなくなったり、異常に活性化したりすることで起こる。
「薬」は、病気の原因となる特定のタンパク質に結合し、その働きをブロックしたり、変化させたりすることで効果を発揮する。
例えばがん細胞が増える原因となるタンパク質を薬でブロックすれば、がんの進行を抑えることができるのだ。
ただし、標的とするタンパク質の特定は難しい。標的が見つかったとしても、それにぴったりと結合する化合物を発見し、標的まで届けられるようにするのも容易ではない。
そのため、様々なアプローチでの創薬が進められてきた。
医薬品は分子サイズによって大きく3つに分類される
ここでは、長年にわたり創薬の中心を担ってきた「低分子医薬品」と、
遺伝子工学などにより実現した抗体医薬品などの「高分子医薬品」、
そして新たなアプローチである「中分子医薬品」について見ていこう。
※標的特異性=標的にする特定のタンパク質にのみ結合し、それ以外には作用しないことを指す。
創薬の可能性を拓く
「中分子医薬品」
低分子医薬品は、分子量が小さく細胞膜を通過できるため細胞内の中に入れる。
しかし、作用するには標的タンパク質に結合するためのポケットが必要で、狙える標的が限定される。
高分子医薬品(抗体)は、病気の原因となる標的だけをピンポイントで狙い撃ちできる。
しかし、標的になりうる物質が多く存在している細胞内に入れない。
中分子医薬品は、この両者の利点を併せ持つ。
細胞内に浸透できるサイズでありながら、結合ポケットのないタンパク質など、
従来アプローチできなかった標的にも作用することができる。
これにより、これまで創薬困難とされてきた標的に対する新たな治療法の可能性が広がっている。
中外製薬は、10年以上の歳月をかけ、中分子医薬品を生み出すための基盤づくりに注力してきた。
今では効率的に新薬の候補を見つけ出せる体制を整えており、様々な疾患に対する新薬の研究開発が進んでいる。
さらに、初期開発から初期生産まで、自社で一貫して行える体制の構築を目指し、新たな生産設備の構築にも力を入れている。
新薬の開発には莫大な時間と費用がかかり、成功率は約3万分の1とも言われている。
それでも中外製薬が未開拓の中分子医薬品に挑むのは、有効な治療法のない病気で苦しむ患者を救いたいからだ。
患者一人ひとりの健康と幸せを最優先に、これまでにない新しい薬を創り出す。
その強い思いが、中外製薬を中分子医薬品開発へと突き動かしている。
※2025年日経電子版広告特集より転載。記事・写真・イラストなどすべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。