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2026年06月19日

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スパルセンタン、IgA腎症に対し国内で製造販売承認申請

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、スパルセンタンについて、IgA腎症を予定適応症として、本日、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたので、お知らせいたします。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「指定難病であるIgA腎症では、既存治療での蛋白尿のコントロールが不十分な患者さんがおり、長期的な腎機能低下が課題となっていました。スパルセンタンは、エンドセリン受容体およびアンジオテンシンII受容体を阻害する新たな作用機序を有し、臨床試験において蛋白尿を有意に低下させるとともに、腎機能の維持効果が示唆されています。1日1回投与の利便性とともに、患者さんの長期的な疾患管理を支え、IgA腎症治療の基盤確立に貢献してまいります」と述べています。

 今回の承認申請は、持続的な顕性蛋白尿を呈するIgA腎症の患者さんを対象に実施した海外第III相試験(PROTECT試験)および国内第III相試験(RE-021-001試験)の成績に基づいています。

 海外第III相試験(PROTECT試験)の主要評価項目である「36週時の尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)のベースラインからの変化率」において、スパルセンタン群は対照薬イルベサルタン群と比較して統計学的に有意な改善を示しました(-49.8% vs -15.1%、p<0.0001)。また、重要な副次評価項目である「eGFR(estimated Glomerular Filtration Rate:推算糸球体濾過量)の経時的変化」では、長期的な腎機能維持効果も示唆されました。安全性については良好な忍容性が確認され、安全性プロファイルはこれまでに実施された本剤の臨床試験データと一致していました。スパルセンタン群において、二重盲検期間に認められたスパルセンタンと関連のある有害事象は低血圧、高カリウム血症、浮動性めまい、末梢性浮腫等でした。

 国内第III相試験(RE-021-001試験)においては、主要評価項目であった「36週時の尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)のベースラインからの変化率」については-58.5%を達成し、海外第III相試験(PROTECT試験)と同様の傾向が確認され、日本人患者さんにおいても有効性が示されました。安全性については、既知の安全性プロファイルと同様であり、日本人特有の新たな懸念は認められませんでした。

【参考情報】

レナリスファーマ株式会社の完全子会社化に関するお知らせ(2025年10月24日ニュースリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20251024170000_1529.html

海外第III相試験(PROTECT試験)について

 PROTECT試験は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)による治療にもかかわらず持続的な顕性蛋白尿を呈するIgA腎症患者を対象に、Travere社が実施した海外多施設共同二重盲検実薬対照試験です。主要評価項目は「36週時の尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)のベースラインからの変化率」、重要な副次評価項目は「6週時~110週時のeGFR変化率」「Day 1~110週時のeGFR変化率」でした。

国内第III相試験(RE-021-001試験)について

 本試験は、日本人IgA腎症患者を対象に、スパルセンタンの有効性と安全性を評価した多施設共同単群国内非盲検第III相臨床試験です。本試験に35人が登録されました。主要評価項目は、36週時の尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)のベースラインからの変化率です。副次評価項目は、2年時点のeGFR変化率、および安全性等が含まれます。

スパルセンタンについて

 スパルセンタンは、単一分子でエンドセリン受容体A型(ETAR)とアンジオテンシンII 1型受容体(AT1R)の双方を阻害する低分子、経口投与製剤です。レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害に加え、エンドセリン経路を同時に阻害することで、従来のRA系阻害薬と同様に1日1回の使用でありながら、より強力な尿蛋白減少効果を示すことが確認されています。

 スパルセンタンは、成人のIgA腎症患者を対象として韓国、台湾を含む世界18カ国で実施された海外第III相試験(PROTECT試験)における有効性及び安全性に関する試験成績に基づき、米国では2024年9月にFILSPARI(米国製品名)としてIgA腎症に対する正式承認を取得し、欧州では2025年4月にIgA腎症を対象として承認されています。さらに、米国では2026年4月に、FILSPARIがネフローゼ症候群を伴わない巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の成人および8歳以上の小児患者における蛋白尿の低減を効能として承認されました。FSGSは、IgA腎症と同様に蛋白尿の増加を特徴とする希少な腎疾患です。

IgA腎症について

 IgA腎症(指定難病66)は、腎臓の糸球体に異常な免疫グロブリンA(糖鎖異常IgA)が沈着することにより、血尿や尿蛋白などが持続的にみられる慢性糸球体腎炎の一つです1)。疾患の進行により腎機能が低下し、末期腎不全になると腎移植や透析が必要になることがあります2)。日本の罹患者数は約33,000人と推定され3)、診断から20年の経過で約40%が末期腎不全に進行することが知られています4)。RA系阻害薬または副腎皮質ステロイド薬による既存治療においても十分な病態進行抑制が得られない場合もあり、有効性の高い新たな治療が求められています。

出典

  1. 難病情報センター「IgA腎症(指定難病66)」より一部改変
    https://www.nanbyou.or.jp/ アクセス日:2026年6月
  2. エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2020
    https://jsn.or.jp/academicinfo/report/evidence_IgA_guideline2020.pdf アクセス日:2026年6月
  3. 難病情報センター「IgA腎症(指定難病66)」より一部改変
    https://www.nanbyou.or.jp/ アクセス日:2026年6月
  4. エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2020
    https://jsn.or.jp/academicinfo/report/evidence_IgA_guideline2020.pdf アクセス日:2026年6月

以上

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