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2026年06月19日
- 医薬品
- 研究開発
アバスチン、神経線維腫症2型に対する世界初の治療薬として、適応追加の承認を取得
- 治療選択肢が限定的である神経線維腫症2型に対し、アバスチンは世界初の治療薬として新たな治療選択肢を提供
- 医師主導の国内第II相臨床試験の成績に基づき承認取得
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、抗悪性腫瘍剤/抗VEGF※1ヒト化モノクローナル抗体「アバスチン®点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL」[一般名:ベバシズマブ(遺伝子組換え)](以下、アバスチン)について、神経線維腫症2型(neurofibromatosis type 2:NF2)に対する適応追加の承認を、本日、厚生労働省より取得しましたのでお知らせいたします。アバスチンは本疾患に対して承認された世界で初めての治療薬となります。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「神経線維腫症2型に対する世界初の治療薬として、アバスチンをお届けできることを大変嬉しく思います。NF2は難聴やめまいなどを来し、患者さんの日常生活に大きな影響を及ぼす希少疾患で、有効な治療薬の開発が望まれてきました。アバスチンは、聴力の維持や改善、腫瘍の縮小傾向が示唆されている新たな治療選択肢です。患者さんの治療とQOL向上に貢献できるよう、適正使用情報の迅速な提供に取り組んでまいります」と語っています。
今回の承認は、NF2に対し、アバスチンの有効性および安全性を評価した医師主導の国内第II相臨床試験であるBeatNF2試験の成績に基づいています。
電子化された添付文書情報 ※関係部分を抜粋、下線は変更箇所
効能又は効果
◯ 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
◯ 扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
◯ 手術不能又は再発乳癌
◯ 悪性神経膠腫
◯ 卵巣癌
◯ 進行又は再発の子宮頸癌
◯ 切除不能な肝細胞癌
◯ 神経線維腫症2型
用法及び用量
〈神経線維腫症2型〉
通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回5mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静脈内注射する。
【参考情報】
アバスチン、神経線維腫症II型に対する適応拡大申請(2025年9月24日ニュースリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20250924153000_1517.html
BeatNF2試験について
BeatNF2試験(FMU2019-01-NF2試験/jRCT2080224914)は、遺伝性の難病であるNF2を対象に、アバスチンの有効性と安全性を評価した、医師主導の多施設共同国内第II相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験です。福島県立医科大学附属病院をはじめ、国内12施設が参加しました。
本試験は62名の患者さんを対象に、初期治療期間の前半22週時まではアバスチン又はプラセボを2週間間隔で投与し、後半24週以降46週時までは全例にアバスチンを2週間間隔で投与しました。その後の経過観察期間においては、担当医が再増悪と判断した場合にアバスチンを最大6回まで投与することが可能とされていました。
主要評価項目である「治験薬投与開始24週時点のベースラインとの比較による最高語音明瞭度※2の評価に基づく聴力改善患者の割合」は、アバスチン投与群で16.1%(5/31例、95%信頼区間:5.5-33.7)、プラセボ投与群で3.2%(1/31例、95%信頼区間:0.1-16.7)であり、統計学的に有意な差は認められませんでした(P=0.0858)。一方、投与期間を通じて、聴力指標の改善および副次評価項目である腫瘍体積の減少傾向等が示唆されました。安全性については、アバスチンが投与された61例のうち57.4%(35/61例)に副作用が認められ、主な副作用は高血圧18.0%(11/61例)でした。
※1 VEGF:Vascular Endothelial Growth Factor(血管内皮増殖因子)
※2 最高語音明瞭度は、言葉の聞き取り能力の指標です。単音節の聞き取りテストで、音の大きさを調整しながら最も正答率が高くなる音量での聞き取りの割合(%)を指します。この数値が高いほど、音が聞こえれば言葉を正確に理解できる能力が高く、補聴器の効果を測る目安にもなります。
神経線維腫症2型(NF2)1について
NF2は、左右両側に聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)ができる常染色体顕性の遺伝性疾患です。聴神経腫瘍による症状が多く見られ、難聴・めまい・ふらつき・耳鳴などがあります。その他にも脊髄神経鞘腫の症状として、手足のしびれ・知覚低下・脱力などがあります。
聴神経腫瘍に対しては経過観察、手術、放射線治療が行われます。良性腫瘍でほとんど成長しない場合もありますが、症状の発生や腫瘍の成長が明らかな場合、手術により腫瘍を摘出するケースもあり、長期的にみると予後に影響を及ぼすことがあります。手術による聴力の温存は難しく、術後に神経障害の合併を伴うリスクも存在します。
海外報告によると発生率は25,000~60,000人に1人の希少疾患であり、国内で2009~2013年に臨床調査個人票を提出した方は約800人でした。多くは10~20代で発症します。
アバスチンについて
アバスチンは、腫瘍の増殖と転移に必要な血管の新生に重要な役割を果たすVEGFに特異的に結合し2、その作用を阻害する抗体医薬品です。国内では2007年6月に発売し、様々ながん種の治療ガイドラインで標準治療薬の一つに位置付けられています。7つの適応症(治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、悪性神経膠腫、卵巣癌、進行又は再発の子宮頸癌、切除不能な肝細胞癌)で承認を取得しています。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
出典
- 難病情報センター「神経線維腫症II型(指定難病34)」より一部改変[Internet; cited June 2026] Available from: https://www.nanbyou.or.jp/
- Presta LG, Chen H, O’Connor SJ, Chisholm V, Meng YG, Krummen L, et al. Humanization of an anti-vascular endothelial growth factor monoclonal antibody for the therapy of solid tumors and other disorders. Cancer Res 1997;57:4593-9. [Internet; cited June 2026] Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9377574/
以上
本件に関するお問い合わせ先:
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