中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2026年03月23日

  • 医薬品
  • 研究開発

ルンスミオとポライビーの併用療法、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対する適応追加の承認を取得

  • 再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対し、高い奏効割合と無増悪生存期間の延長が確認された新たな治療法として、世界で初めて承認取得
  • 国際共同第III相試験(SUNMO試験)において、R-GemOx療法(リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンの併用療法:国内未承認)に対して、客観的奏効割合69.7%、病勢進行または死亡リスクを59%低下

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ルンスミオ®皮下注5mg」「同45mg」(一般名:モスネツズマブ(遺伝子組換え))(以下、ルンスミオ)および抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体「ポライビー®点滴静注用30mg」「同140mg」(一般名:ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え))(以下、ポライビー)の併用療法について、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対する適応追加の承認を、本日、厚生労働省より取得したことをお知らせいたします。ルンスミオとポライビーの併用療法として本適応の承認を取得したのは、世界で初めてとなります。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は「治療選択肢が限られている、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の患者さんに対し、世界で初めてルンスミオとポライビーの併用療法をお届けできることを嬉しく思います。本併用療法の臨床試験では、約7割の患者さんで奏効が認められ、従来の化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを59%低下させる結果が示されました。新たな治療法を一日でも早く患者さんにお届けするため、医療現場への情報提供を迅速に進めてまいります」と語っています。

 今回の承認は、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の患者さんを対象に、ルンスミオとポライビーの併用療法の有効性・安全性を、リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンの併用(R-GemOx)療法(国内未承認)と比較する多施設共同無作為化国際共同第III相試験(SUNMO試験)の成績に基づいています。

 本試験の中間解析において、主要評価項目である独立評価委員会評価による客観的奏効割合(ORR:Objective Response Rate)は、ルンスミオとポライビーの併用群が69.7%(95%信頼区間:60.7~77.8)、R-GemOx群は44.1%(95%信頼区間:31.2~57.6)であり、両群間の差は25.7%(97.5%信頼区間:7.4~43.9)でした。主要解析時において、主要評価項目である独立評価委員会評価による無増悪生存期間(PFS:Progression-Free Survival)は、ルンスミオとポライビーの併用群が11.5カ月(95%信頼区間:5.6~18)、R-GemOx群が3.8カ月(95%信頼区間:2.9~4.1)で、病勢進行または死亡リスクを59%低下させる結果が示されました。

 ルンスミオとポライビーの併用療法の安全性プロファイルは、個々の試験における各薬剤の既知のプロファイルと一致していました。有害事象は、ルンスミオとポライビーの併用群で131/135例(97.0%)、R-GemOx群で61/64例(95.3%)に認められました。ルンスミオとポライビーの併用群の主な有害事象は、注射部位反応71例(52.6%)、好中球減少62例(45.9%)、貧血41例(30.4%)、サイトカイン放出症候群35例(25.9%)等でした1

電子化された添付文書情報(ルンスミオ)※関係部分を抜粋、下線は変更箇所

販売名:「ルンスミオ®皮下注5mg」「ルンスミオ®皮下注45mg」

一般名:モスネツズマブ(遺伝子組換え)

効能又は効果:
以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
高悪性度B細胞リンパ腫

○再発又は難治性の濾胞性リンパ腫

用法及び用量:
〈再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫)、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(Grade3B)〉
ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはモスネツズマブ(遺伝子組換え)として、21日間を1サイクルとし、1サイクル目は1日目に5mg、8日目及び15日目に45mg、2サイクル目以降は1日目に45mgを8サイクルまで皮下投与する。

電子化された添付文書情報(ポライビー)※関係部分を抜粋、下線は変更箇所

販売名:「ポライビー®点滴静注用30mg」「ポライビー®点滴静注用140mg」

一般名:ポラツズマブ べドチン(遺伝子組換え)

効能又は効果:
以下の大細胞型B細胞リンパ腫

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
高悪性度B細胞リンパ腫

再発又は難治性の濾胞性リンパ腫

効能又は効果に関連する注意:
〈再発又は難治性の濾胞性リンパ腫〉
十分な経験を有する病理医により、Grade 3Bと診断された患者に投与すること。

用法及び用量:
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には、ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)として、1回1.8mg/kg(体重)を3週間間隔で6回点滴静注する。初回投与時は90分かけて投与し、忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

【参考情報】

ロシュ社、ルンスミオとポライビーの併用療法による再発又は難治性大細胞型B細胞リンパ腫の無増悪生存期間の有意な延長を示す(2025年6月30日ニュースリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20250630160000_1500.html

SUNMO試験について

 SUNMO試験(NCT05171647)は、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発又は難治性大細胞型B細胞リンパ腫の患者さんを対象とし、皮下投与のルンスミオ(モスネツズマブ)と静脈内投与のポライビー(ポラツズマブ ベドチン)の併用療法を、R-GemOx療法[リツキサン(リツキシマブ)、ゲムシタビン、オキサリプラチン]と比較評価する多施設共同無作為化国際第III相試験です。主要評価項目は、無増悪生存期間および客観的奏効割合、副次的評価項目には、全生存期間、客観的奏効持続期間、完全奏効割合、完全奏効持続期間、安全性と忍容性、および患者報告アウトカム(PRO:Patient Reported Outcome)が含まれます。

ルンスミオについて

 ルンスミオは、B細胞上のCD20とT細胞上のCD3を標的とするように設計されたT細胞誘導バイスペシフィック抗体です。ルンスミオは、細胞傷害性T細胞を介した免疫を活性化し、CD20を有する腫瘍細胞に対して抗腫瘍効果をもたらすことが期待されます。ルンスミオは世界65カ国で承認されています。現在、濾胞性リンパ腫(二次治療、未治療)を対象に臨床試験を実施しています。2025年12月には点滴静注製剤に加え、新たに皮下注射製剤の製造販売承認を取得しました。

ポライビーについて

 ポライビーは、ファーストインクラスの抗CD79b抗体薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)です。CD79bタンパク質は、非ホジキンリンパ腫(NHL:non-hodgkin lymphoma)のB細胞の大部分に特異的に発現しており、新たな治療法開発の有望なターゲットとなっています。ポライビーは、がん細胞の細胞膜上に発現するCD79bに結合し、抗がん剤の送達によりこれらのB細胞を殺傷し、正常細胞への影響を抑えると考えられています。ポライビーはロシュ社により開発されており、現在、複数の適応で開発が進んでいます。

大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)について

 LBCLは、主にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)で構成され、白血球の一種であるB細胞リンパ球に影響を与えるNHLの最も多い病型です。DLBCLは侵攻性NHLの最も一般的な形態であり、LBCLの約80%2を占めます。また、LBCLには高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)も含まれ、これはDLBCLよりもさらに侵攻性が高く、予後不良とされる病型です。通常はフロントライン治療に反応する一方で、最大40%3の患者さんが再発するか難治性となるものの、その場合の救援療法の選択肢は限られています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Lihua E. Budde, et al. Mosunetuzumab Plus Polatuzumab Vedotin in Transplant-Ineligible Refractory/Relapsed Large B-Cell Lymphoma: Primary Results of the Phase III SUNMO Trial. J Clin Oncol 43, 3799-3811(2025)
  2. 中川雅史. びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫の診断と治療 ─ 最近の知見を中心に . 大阪急総医誌. 2023, 45, 3~12. https://www.gh.opho.jp/pdf/medicaljournal_045_001.pdf (2026年3月アクセス)
  3. Fabbri N, et al. Second-line treatment of diffuse large B-cell lymphoma: Evolution of options. Semin Hematol 2023; 60(5): 305-312.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp