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2026年02月19日
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抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン®」自己免疫性溶血性貧血に対する承認取得について
全薬工業株式会社
中外製薬株式会社
全薬工業株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:橋本 弘一、以下「全薬工業」)および中外製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 CEO:奥田 修、以下「中外製薬」)は、両社で共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン®点滴静注100 mg、同500 mg」[一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)](以下「リツキサン」)について、本日、製造販売業者である全薬工業が「自己免疫性溶血性貧血」に対する適応追加の承認を厚生労働省より取得したことをお知らせいたします。
一般社団法人日本血液学会および日本小児血液・がん学会より開発要望が提出された「自己免疫性溶血性貧血」(以下、AIHA)に対するリツキサンの効能又は効果の追加について、2025年7月4日に開催されました第64回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議にて、公知申請に該当すると評価され、同年7月31日に開催されました薬事審議会医薬品第一部会にて、公知申請を行って差し支えないと正式に決定されました。これを受け、全薬工業は同年8月29日に公知申請を行い、今回の承認取得に至りました。
AIHAは、赤血球膜上の抗原と反応する自己抗体が後天的に産生され、抗原抗体反応の結果、赤血球が破壊(溶血)されて赤血球寿命が著しく短縮することにより生じる免疫性溶血性貧血の総称であり1)、国の指定難病(指定難病61)に指定されています。AIHAの病型は、自己抗体が体温(37℃)近くで反応する温式AIHAと、体温以下の低温条件で反応する冷式AIHA[寒冷凝集素症(以下、CAD)および発作性寒冷ヘモグロビン尿症(以下、PCH)]に大別され、いずれの病型においても、感染、免疫不全、免疫系の失調、ホルモン環境、薬剤、腫瘍等が病因として関与すると考えられています1)。
AIHAに対する治療では、温式AIHA患者の約80%で副腎皮質ステロイド薬により改善がみられますが、再発が多く、長期投与が必要であり、再発・難治例では脾臓摘出術が行われてきました1)。また、CAD患者では保温が最も基本的な治療法ですが、貧血症状、輸血依存、末梢循環障害などの重篤な症状を伴う場合もあります1)2)。国内外の診療ガイドライン1)2)では、こうした患者に対する治療選択肢の一つとして、リツキサンによる治療が推奨されています。PCHは稀な病型であり、主に幼小児のウイルス感染後にみられる場合が多く、一般的には保温や副腎皮質ステロイド薬による治療が行われますが、副腎皮質ステロイド療法に対して抵抗性を示す場合や、慢性化した患者でリツキサンの有効性が示唆された報告があります1)3)。
リツキサンは、造血幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20抗原に特異的に結合する抗CD20モノクローナル抗体であり、標的となるB細胞をヒトの体内に備わった免疫系を用いて攻撃し、細胞を傷害します。B細胞は最終的に抗体を産生する形質細胞へと分化しますが、自己抗体が関与する疾患では、何らかの原因により自己に反応するB細胞(以下、自己反応性B細胞)が活性化・分化することで、自己抗体を産生する形質細胞が増殖すると考えられています4)5)。AIHAでの自己反応性B細胞の活性化や自己抗体の出現に至る病因は未だ十分に解明されていませんが、温式AIHAおよび冷式AIHAのいずれも自己抗体の出現が共通して認められることから1)、リツキサンによるB細胞除去を介した治療効果が期待されます。
全薬工業および中外製薬は、AIHAに対する治療にリツキサンが貢献できるよう、より一層の協力体制で取り組んでまいります。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
出典:
- 1)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 特発性造血障害に関する調査研究班 自己免疫性溶血性貧血の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ作成.自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和4年度改訂版, 2023.
- 2)Hill QA, Stamps R, Massey E, et al. The diagnosis and management of primary autoimmune haemolytic anaemia. Br J Haematol 2017; 176(3): 395-411.
- 3)Jäger U, Barcellini W, Broome CM, Gertz MA, Hill A, Hill QA, et al. Diagnosis and treatment of autoimmune hemolytic anemia in adults: Recommendations from the First International Consensus Meeting. Blood Rev 2020; 41: 100648.
- 4)Browning JL. B cells move to centre stage: novel opportunities for autoimmune disease treatment. Nat Rev Drug Discov 2006; 5(7): 564-576.
- 5)Schett G, Nagy G, Krönke G, Mielenz D. B-cell depletion in autoimmune diseases. Ann Rheum Dis 2024; 83(11): 1409-1420.
以上
本件に関するお問い合わせ先:
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中外製薬株式会社
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