中外製薬とGero、加齢関連疾患に対する新規治療法の開発に向けた共同研究およびライセンス契約を締結

• GeroのAI駆動型ヒトデータを利用したプラットフォームで特定された創薬標的に対し、中外製薬独自の抗体エンジニアリング技術により新規抗体医薬品候補を創製
• Geroの加齢に焦点を当てた標的探索に関する技術と中外の創薬技術により、イノベーション創出を加速

　中外製薬株式会社（本社：東京、代表取締役社長 CEO：奥田 修）とシンガポールを拠点とするバイオテック企業であるGero PTE. LTD.（本社：シンガポール、CEO：Peter Fedichev）は、加齢関連疾患に対する新規治療法開発に向けた共同研究およびライセンス契約を締結したことをお知らせいたします。

　本共同研究では、Geroが独自のAI標的探索プラットフォームを用いたヒトデータセット解析によって見出された新たな創薬標的に対して、中外製薬が独自の抗体エンジニアリング技術により新規抗体医薬品候補を創製します。本契約により、Geroは、同定した標的に対する抗体の創製および研究・開発・製造・販売に関し全世界における独占的実施権を中外製薬に許諾します。これに対し、中外製薬は、契約一時金に加え、開発の進捗に応じたマイルストンおよび製品の発売に成功した場合の売上高に応じたマイルストンとして、最大で総額約250百万USDを支払う可能性があります。このほか、製品が発売された場合、売上高に応じたロイヤルティをGeroに支払います。

　中外製薬 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「中外製薬は、2030年に向けた成長戦略TOP I 2030で掲げた世界最高水準の創薬の実現に向け、グローバル先進プレイヤーをはじめとした外部パートナーとのオープンイノベーションは非常に重要と考えています。Geroの標的探索に関する技術に対し中外製薬の創薬技術をかけ合わせることで、イノベーションの創出を加速させていきます」と述べています。

　「当社のAIプラットフォームは、複数の加齢関連疾患や加齢そのものを引き起こす治療標的を特定するために構築されています」とGero CEOのPeter Fedichevは述べるとともに、「本提携では、それらの知見を基に治療薬を開発し、失われた機能を回復することを目指しています。中外製薬との今回のパートナーシップは、ヒトの加齢の生物学的プロセスに効果的に働きかけるというGeroのミッション達成に向けた重要なステップです」と語っています。

　Gero CBOのAlex Kadetは、「先進的な製薬会社である中外製薬とパートナーシップを組み、ヒューマンデータ駆動型の標的探索と最先端の創薬技術プラットフォームの相乗効果を引き出せることを嬉しく思います。増加する加齢関連疾患のアンメットニーズに対するファースト・イン・クラスの治療薬の開発を目指します」と述べています。

中外製薬について
　中外製薬（本社：東京）は、抗体エンジニアリング技術をはじめとする独自の創薬技術基盤を強みとする、研究開発型の製薬企業です。ロシュ・グループの重要なメンバーであるとともに、東京証券取引所プライム市場の上場企業として、自主独立経営の下、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。中外製薬に関するさらに詳しい情報はhttps://www.chugai-pharm.co.jp/をご覧下さい。

Gero PTE. LTD.について
　Gero（本社：シンガポール）は、人間の健康寿命を延ばすことを使命として、加齢関連疾患に対する治療薬を創製する物理学を活用した前臨床段階のバイオテクノロジー企業です。Geroの技術プラットフォームは物理学ベースの機械学習とヒューマンデータに基づいており、治療標的の発見と加齢の根本原因に対応する治療法の開発を可能にします。詳細は https://www.gero.aiをご覧ください。

以上