中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2022年10月24日

  • 経営・財務

2022年12月期第3四半期連結決算

  • Core売上収益7,295億円(+7.7%)、Core営業利益2,990億円(+2.9%)。いずれも第3四半期累計として過去最高
  • 前年に発生したロナプリーブ政府納入の影響等により、第3四半期(7-9月)単独では減収減益。通期業績予想に変更なし
  • クロバリマブの世界初の承認申請(中国)、ヘムライブラの次世代品として期待するNXT007のロシュへの導出、新規バイスペシフィック抗体プロジェクトDONQ52の臨床開発開始など、今後の成長を担う自社創製品の研究開発が順調に進捗

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、2022年12月期第3四半期連結決算について発表いたしました。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「2022年第3四半期は、上期に続き、1-9月決算として過去最高を更新することができました。国内では5月に新発売した眼科用医薬品バビースモ®をはじめとする新製品群が順調に市場浸透し、海外では、ヘムライブラ®が引き続き成長を牽引しています。研究開発では、抗補体C5リサイクリング抗体クロバリマブの世界で初めての承認申請が中国当局に受理されたほか、新規バイスペシフィック抗体プロジェクトDONQ52の臨床開発着手など、中長期の成長を担う自社創製品を中心に多くの進捗がみられました。今後も、新たな治療薬を待ち望む患者さんに貢献できるよう、アンメットメディカルニーズの充足に向け、イノベーションの創出に邁進してまいります」と語っています。

<2022年12月期 1-9月Core業績概要>
 2022年12月期第3四半期累計業績は、前年同期比で売上収益が7.7%、営業利益が2.9%増加し、1-9月決算として過去最高を更新しました。

 売上収益は、国内外における製商品売上高の伸長がロイヤルティ等収入及びその他の営業収入の減少を上回り、全体として7.7%の増収でした。国内製商品売上高は6.9%の増収でした。オンコロジー領域は、8月に適応拡大を果たした新製品ポライビー®、主力品のカドサイラ®やFoundation Medicine事業が伸長したものの、アバスチン®やハーセプチン®などの成熟品に対する薬価改定や後発品の影響等により、2.4%の減収でした。7月の組織改正に伴いプライマリー領域から名称変更したスペシャリティ領域は、第1四半期のロナプリーブ®の政府納入に加え、主力品ヘムライブラの約2割増や、本年5月に発売した眼科用医薬品バビースモをはじめ新製品の順調な市場浸透等が寄与し、17.1%の増収でした。海外製商品売上高は、通常出荷価格でのロシュ向け輸出が本格化したヘムライブラが前年同期比約2倍と伸長したほか、昨年6月以降欧米で重症COVID-19に対し緊急使用許可や薬事承認を取得したアクテムラ®が2割以上の増加でした。一方、ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入は、ヘムライブラの初期出荷在庫に関するロイヤルティ収入の大幅減を主因として約4割減となりました。

 製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により、前年同期比で1.2%ポイント改善し、40.7%でした。経費は、一般管理費等が減少したものの、販売費および研究開発費が増加し、全体として4.3%増加しました。販売費は為替影響等、研究開発費は開発テーマの進展および為替影響等により増加しました。一般管理費等は、諸経費等が減少したことに加えて、有形固定資産の売却益により、全体として減少しました。これらの結果、Core営業利益は2,990億円(+2.9%)でした。

<2022年12月期 7-9月Core業績概要>
 第3四半期(7-9月)実績は、前年同期に428億円計上されたロナプリーブの政府納入が発生しなかったこと、ヘムライブラの初期出荷在庫に関するロイヤルティ収入の大幅減を主因に、売上収益・営業利益とも前年同期比約2割の減少でした。製商品売上高は、海外が3.7%増加したものの、国内は主にロナプリーブの影響で3割弱減少し、全体として約2割の減収でした。国内オンコロジー領域は、新製品ポライビーおよび主力品カドサイラが伸長したものの、薬価改定や後発品の影響を受けたアバスチンやハーセプチンなどの成熟品が減少し、5.1%の減収でした。同じくスペシャリティ領域は、前年のロナプリーブの政府納入の影響を受けて4割強の減収となったものの、本年5月に発売したバビースモをはじめとする新製品が貢献し、ロナプリーブを除くベースでは1.4%の増収でした。海外製商品売上高は、製造タイミングの遅延を主因としてアクテムラが3割強の減収となったものの、通常出荷価格でのロシュ向け輸出によるヘムライブラの増収が寄与し、全体として3.7%増加しました。また、本年7月に中国でエディロール®を新発売しました。ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入は、ヘムライブラの初期出荷在庫に関するロイヤルティ収入の大幅減を主因として4割弱減少しました。製品構成比における自社品比率の増加により、製商品原価率は、前年同期比約8ポイント改善しました。経費はおおむね前年同期並みでした。なお、第3四半期(7-9月)単独としては減収減益となったものの、期初に発表した通期の業績予想に変更はありません。

<研究開発の状況>
 研究開発活動も順調に進展しています。中長期の成長を担う自社創製品では、抗IL-31受容体抗体ミチーガ®が、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒の治療薬として国内導出先のマルホより8月に発売されました。抗補体C5リサイクリング抗体クロバリマブは、世界で初めての承認申請が中国当局に受理され、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を対象に優先審査に指定されました。既存の製品の新規適応症に対する臨床開発も複数開始しています。エンスプリング®は抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質抗体関連疾患(MOGAD)と自己免疫介在性脳炎(AIE)に対し臨床試験を開始しました。また、新規バイスペシフィック抗体プロジェクトDONQ52について、承認薬の無い疾患であるセリアック病を対象とする開発に着手しました。このほか、へムライブラの次世代品として開発中のNXT007について、ロシュへの導出契約を締結しました。
 ロシュからの導入品では、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する20年ぶりの新たな治療薬として、ポライビーの適応拡大が承認されたほか、ペルツズマブとトラスツズマブの固定用量による配合皮下注製剤RG6264について、HER2陽性乳がんおよび大腸がんを対象に承認申請を行いました(ペルツズマブはパージェタ®、トラスツズマブはハーセプチンに含まれるモノクローナル抗体です)。また、固形がんを対象としたSHP2阻害剤RG6433、KRAS G12C阻害剤RG6330をはじめ、オンコロジー領域で複数の開発品が新たにパイプラインに加わっています。
 創薬研究では、ノイルイミューン・バイオテック社とCAR-T細胞療法「PRIME技術」に関するライセンス契約を8月に締結し、外部連携を通じたマルチモダリティ創薬を目指した取り組みが進捗しました。

【2022年12月期 1-9月実績】

(億円)2022年
1-9月
2021年
1-9月
前年同期比
連結損益(Core実績)
売上収益 7,295 6,775 +7.7%
 製商品売上高 6,447 5,387 +19.7%
 ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入 849 1,388 △38.8%
営業利益 2,990 2,907 +2.9%
四半期利益 2,130 2,097 +1.6%
連結損益(IFRS実績)
売上収益 8,215 6,775 +21.3%
営業利益 3,838 2,828 +35.7%
四半期利益 2,720 2,042 +33.2%

<製商品売上高の内訳>

(億円)2022年
1-9月
2021年
1-9月
前年同期比
製商品売上高6,4475,387+19.7%
 国内 3,876 3,626 +6.9%
  オンコロジー領域 1,865 1,911 △2.4%
  スペシャリティ領域 2,010 1,716 +17.1%
 海外 2,571 1,760 +46.1%

【研究開発活動の進展】(2022年7月22日~2022年10月24日)

Core実績について
 当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
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