中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2021年05月20日

FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル、オラパリブのBRCA遺伝子変異陽性前立腺がんに対するコンパニオン診断として承認を取得

  • リキッドバイオプシー検査によるオラパリブの転移性前立腺がんにおけるコンパニオン診断として承認を取得
  • FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルとともに、組織または血液検体による2つの検査によりオラパリブの適応判定が可能に

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、FoundationOne® Liquid CDx がんゲノムプロファイルについて、ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤「リムパーザ®」(一般名:オラパリブ)のBRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に対するコンパニオン診断として、5月19日に厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。本承認により、FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルとともに、組織または血液検体を用いた2つの包括的ゲノムプロファイリング検査によりオラパリブの適応判定が可能となります。mCRPC患者さんでは組織検体の確保が課題となることがあるため、血液検体による検査は患者さんの治療を検討するための情報を得る検査として、重要な選択肢となります。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は「オラパリブの転移性前立腺がんに対するコンパニオン診断として、昨年12月に承認された組織検体によるFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルに続き、血液検体によるFoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルが承認されたことを嬉しく思います」と述べるとともに、「がん治療における個別化医療の進展によりmCRPCの治療戦略は大きく変化しており、患者さんが最適な治療を選択するうえで、遺伝子変異の状況を理解することは重要です。適応判定を行う方法として組織検体に血液検体による検査の選択肢が加わることで、オラパリブによる効果が見込める患者さんに治療をお届けする一助となります。今後もがん治療における個別化医療の高度化への貢献を目指し、取り組みを進めていきます」と語っています。

 今回の承認は、FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルによりBRCA1/2遺伝子変異を検出することで、エンザルタミドまたはアビラテロンによる前治療後に進行したBRCA1/2遺伝子変異陽性mCRPCに対するオラパリブの使用について、適応判定の補助を可能にすることを目的としています。オラパリブのBRCA1/2遺伝子変異陽性mCRPCにおける有効性・安全性は、第III相臨床試験であるPROfound試験にて検討され、2020年12月25日にアストラゼネカ株式会社が厚生労働省より承認を取得しました。オラパリブはアストラゼネカ社(LSE/STO/Nasdaq: AZN)およびMSD社(Merck Sharp & Dohme Corp、米国およびカナダではMerck & Co.)が共同開発・販売を行っています。

 オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、包括的ゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんに貢献できるよう取り組んでまいります。

FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル製品情報 下線部分が追加されました。

使用目的又は効果

  • 本品は、固形がん患者を対象とし、全血検体を用いて腫瘍の包括的なゲノムプロファイルを取得する。
  • 本品は、下表の医薬品の適応判定の補助を目的として、対応する遺伝子変異等を検出する。
遺伝子変異等がん種関連する医薬品
活性型EGFR遺伝子変異 非小細胞肺癌 アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩
EGFRエクソン20 T790M変異 オシメルチニブメシル酸塩
ALK融合遺伝子 アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ
ROS1融合遺伝子 エヌトレクチニブ
NTRK1/2/3融合遺伝子 固形癌 エヌトレクチニブ
BRCA1/2遺伝子変異 前立腺癌 オラパリブ

FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルについて
 FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルは米国・ケンブリッジに拠点を置くファウンデーションメディシン社FMI)が開発した次世代シークエンサーを用いた血液検体による包括的ながん関連遺伝子解析システムです。進行固形がんの患者さんを対象とし、血液中の循環腫瘍DNActDNA: circulating tumor DNA)を用いることで、324のがん関連遺伝子を解析します。遺伝子のshort variantsにおける主な変異(置換、挿入、欠失)及び遺伝子再編成を検出可能で、がん関連遺伝子に対するゲノムプロファイリング機能、および複数の分子標的薬のコンパニオン診断機能を有する医療機器プログラムとして、厚生労働省より承認されています(コンパニオン診断機能を有する医薬品については、上記「使用目的又は効果」の項目内の表を参照)。FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルの最新の情報については、添付文書をご確認ください。

BRCA遺伝子変異について
 BRCA1およびBRCA2は、損傷したDNAの修復を担うタンパクを生成する遺伝子であり、細胞の遺伝的安定性維持に重要な役割を果たします。これら遺伝子のいずれかに変異があるとBRCAタンパクが生成されないまたは正常に機能せず、DNA損傷が適切に修復されず細胞が不安定になる可能性があります。その結果、細胞はがん化につながるさらなる遺伝子異常を起こす可能性が高くなり、リムパーザを含むPARP阻害剤への感受性を高めます1-4

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

[参考文献]

  1. Kirby, M. (2011). Characterising the castration-resistant prostate cancer population: a systematic review. International Journal of Clinical Practice, 65(11), pp.1180-1192.
  2. Wu J, et al. (2010) The role of BRCA1 in DNA damage response. Protein Cell. 2010;1(2):117-123.
  3. Roy R, et al. (2012). BRCA1 and BRCA2: different roles in a common pathway of genome protection. Nat Rev Cancer. 2011;12(1):68-78. Published 2011 Dec 23. doi:10.1038/nrc3181.
  4. Gorodetska I, et al. (2019). BRCA Genes: The Role in Genome Stability, Cancer Stemness and Therapy Resistance. J Cancer. 2019;10(9):2109-2127.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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