中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2020年12月25日

テセントリク、化学療法未治療のPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する単剤治療として承認を取得

  • 化学療法未治療の切除不能な進行・再発のNSCLCに対する4つ目*となる新たな治療法
  • PD-L1高発現の進行NSCLC患者さんを対象に、テセントリク単剤と化学療法単独とを比較し、生存期間の延長を示した第III相臨床試験であるIMpower110試験に基づく承認

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂 達朗)は、抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク®点滴静注1200 mg」[一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)]に関し、「化学療法未治療のPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加について、本日、厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。

 PD-L1発現状況の確認は、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社の病理検査用キット「ベンタナ OptiView PD-L1(SP142)」によって行います。ベンタナ OptiView PD-L1(SP142)は、テセントリクのPD-L1陽性の非小細胞肺がんの適応判定を補助するコンパニオン診断薬として、2020年12月15日に適応拡大の承認を取得しました。

 代表取締役社長 COOの奥田 修は、「化学療法未治療のPD-L1陽性のNSCLCに対して生存期間の延長を示したテセントリクの単剤投与による治療法が新たに承認されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「テセントリクはNSCLCに対し、化学療法既治療例に対する単剤療法、化学療法未治療例に対する3つの併用療法及び今回新たに承認された単剤療法と、5つの異なる治療法で承認を取得しています。これらの異なる治療法を通じて、患者さんに貢献できるよう活動を行っていきます」と語っています。

 今回の承認は、第III相臨床試験であるIMpower110試験の成績に基づいています。中間解析において、PD-L1高発現(TC3またはIC3解析集団の野生型)の患者さんで、テセントリク単剤は化学療法単独と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)で7.1カ月の有意な延長を示しました(OS中央値:20.2カ月対13.1カ月、ハザード比:0.595、95%信頼区間:0.398~0.890、p=0.0106[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0413)。主な副作用(5%以上)は、疲労、無力症、悪心、食欲減退、甲状腺機能低下症、発疹、ALT増加、下痢でした。

 オンコロジー領域の国内トップ製薬企業である中外製薬は、テセントリクが新たな治療選択肢の一つとして切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療に貢献できるよう、適正使用の促進に取り組んでまいります。

*化学療法未治療の切除不能な進行・再発のNSCLCに対しては、今回承認されたテセントリク単剤治療に加え、3つの抗悪性腫瘍薬との併用療法(①カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ、②カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド、③カルボプラチン+パクリタキセル[アルブミン懸濁型])で承認を取得しています。

【参考情報】
テセントリク単剤による一次治療は、化学療法と比較し、特定の進行非小細胞肺がん患者さんの生存期間を延長(2019年10月8日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20191008163000_896.html

添付文書情報 ※非小細胞肺癌の場合のみ記載、下線部分が追加

効能又は効果: 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
用法及び用量:

〇化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
〇化学療法未治療のPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
〇化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。

非小細胞肺がんについて
 日本人における肺がんの年間罹患者数は125,100人(男性84,500人、女性40,600人、2018年予測値)と推計されています。また国内の死亡者数は77,500人(男性55,100人、女性22,400人、2018年予測値)であり、がんにともなう死亡原因の第1位となっています1。肺がんは組織型により小細胞肺がんと非小細胞肺がんに大別され、非小細胞肺がんは最も患者さんの数が多く、全肺がんの約85%を占めます2

テセントリクの国内承認状況について
 2018年4月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として販売を開始し、同年12月に「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加について承認を取得しています。また、2019年8月に「進展型小細胞肺癌」、同年9月に「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」、同年11月に「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加、2020年9月に「切除不能な肝細胞癌」に対する承認を取得しました。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:
1 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.htmlアクセス日:202012
2 American Cancer Society: What Is Lung Cancer? https://www.cancer.org/cancer/lung-cancer/about/what-is.html. アクセス日:202012

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
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