中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2019年12月26日
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、ロズリートレクのROS1肺がんのコンパニオン診断として承認を取得
- 現在申請中のロズリートレクのROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対するコンパニオン診断として承認を取得
- ROS1融合遺伝子は非小細胞肺がんの約1‐2%に発現し、非小細胞肺がんにおけるドライバー変異の1つ
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」に関し、現在承認申請中である抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「ロズリートレク®」(一般名:エヌトレクチニブ)のROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌に対するコンパニオン診断としての使用目的の追加について、12月25日に厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。本プログラムは、ROS1融合遺伝子を検出することにより、ロズリートレクの非小細胞肺がんにおける適応判定を補助します。なお、ロズリートレクのROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌の適応拡大については、本年3月15日に承認申請をおこなっています。
執行役員ファウンデーションメディシンユニット長の渡邉 稔は、「このたびFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルが、非小細胞肺がんのドライバー遺伝子であるROS1融合遺伝子に対するコンパニオン診断機能を取得できたことを嬉しく思います。非小細胞肺がんにおけるROS1融合遺伝子の発現頻度は約1‐2%と高くないものの1)、変異が見つかった患者さんにはROS1阻害剤による治療が重要な治療選択肢のひとつとなり得ます」と述べるとともに、「コンパニオン診断機能が充実することで、包括的がんゲノムプロファイリングによる患者さんへの貢献度が高まっていくと信じています。今後も、自社製品のみならずバイオファーマパートナーとの協業を通じ、コンパニオン診断機能のさらなる拡充を進めていきます」と語っています。
本プログラムは、米国のファウンデーション・メディシン社により開発された、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システムです。患者さんの固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability: MSI)の判定や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden: TMB)の算出を行います。また、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能です。
オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、包括的ゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう取り組んでまいります。
【ご参考】
ROS1/TRK阻害剤「エヌトレクチニブ」のROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する製造販売承認申請について(2019年3月15日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190315160001_829.html
製品情報 下線部分が追加されました。
【使用目的又は効果】
- 本品は、固形がん患者を対象とした腫瘍組織の包括的なゲノムプロファイルを取得する。
- 本品は、下表の医薬品の適応判定の補助を目的とし、対応する遺伝子変異等を検出する。
遺伝子変異等 | がん種 | 関連する医薬品 |
EGFRエクソン19欠失変異及びエクソン21 L858R変異 | 非小細胞肺癌 | アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩 |
EGFRエクソン20 T790M変異 | オシメルチニブメシル酸塩 | |
ALK融合遺伝子 | アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ | |
ROS1融合遺伝子 | エヌトレクチニブ | |
BRAF V600E及びV600K変異 | 悪性黒色腫 | ダブラフェニブメシル酸塩、トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物、ベムラフェニブ |
ERBB2コピー数異常(HER2遺伝子増幅陽性) | 乳癌 | トラスツズマブ(遺伝子組換え) |
KRAS/NRAS野生型 | 直腸・結腸癌 | セツキシマブ(遺伝子組換え)、パニツムマブ(遺伝子組換え) |
NTRK1/2/3融合遺伝子 | 固形癌 | エヌトレクチニブ |
BRCA1/2遺伝子変異 | 卵巣癌 | オラパリブ |
ロズリートレクについて
ロズリートレクは、ROS1(c-rosがん遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤です。ロズリートレクは、ROS1およびTRKキナーゼ活性を阻害することにより、ROS1またはNTRK融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制します。ロズリートレクは、「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌」の効能・効果にて2019年6月18日に承認を取得し、同年9月4日に発売しました。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
出典
1: Bergethon K, Shaw AT, Ou SH, et al. ROS1 rearrangements define a unique molecular class of lung cancers. J Clin Oncol 2012;30:863-70.本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
- 報道関係者の皆様
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- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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- mailto: ir@chugai-pharm.co.jp