中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2019年11月25日

ロシュ社は、肝細胞がん患者さんにおける全生存期間の延長を示したテセントリクとアバスチンの併用療法のピボタル試験成績を発表

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が11月22日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2019-11-22b.htmをご覧ください。

  • 切除不能な肝細胞がん(HCC)患者さんの治療において、ソラフェニブと比較しOS(overall survival: 全生存期間)およびPFS(progression free survival: 無増悪生存期間)の改善を示した初めてのがん免疫療法による第III相臨床試験
  • 本試験成績は欧州臨床腫瘍学会アジア大会(ESMO ASIA)2019のプレジデンシャルセッションにて発表

 ロシュ社は11月22日、テセントリク®(アテゾリズマブ)とアバスチン®(ベバシズマブ)の併用療法について検討した第III相臨床試験であるIMbrave150試験の成績を学会報告することを発表しました。本試験では、全身薬物療法を受けていない切除不能なHCC患者さんにおいて、テセントリクとアバスチンの併用療法は、標準治療であるソラフェニブ単剤と比較し、本試験の主要評価項目であるOSおよびPFSのいずれにおいても統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示しました。

 テセントリクとアバスチンの併用療法は、ソラフェニブ単剤と比較し、死亡リスクを42%、病勢進行または死亡リスクを41%減少させました[OSハザード比: 0.58、95%信頼区間: 0.42-0.79、p=0.0006][PFSハザード比: 0.59、95%信頼区間: 0.47-0.76、p<0.0001]。テセントリクとアバスチンの併用における安全性は、これまでにそれぞれの薬剤で認められている安全性プロファイルと同様でした。

 本試験成績は、シンガポールで開催された欧州臨床腫瘍学会アジア大会(ESMO ASIA)2019の11月23日11時(現地時間)からのプレジデンシャルセッションにて発表されました。(アブストラクト番号: LBA3)

IMbrave150試験について
 IMbrave150試験は全身薬物療法を受けていない切除不能なHCC患者さんを対象とした多施設共同オープンラベルのランダム化第III相臨床試験です。本試験では、501名の患者さんが2:1の比で、テセントリクおよびアバスチン併用群とソラフェニブ単剤群のそれぞれに割り付けられました。両群ともに薬剤の投与は、主治医判定により病勢進行または忍容できない毒性の出現のいずれかまで継続されます。主要評価項目はOSとRECIST v1.1に基づく中央判定によるPFSです。副次評価項目は、RECIST v1.1およびHCC mRECISTに基づく主治医判定によるORR(奏効率: objective response rate)、TTP(病勢進行までの期間: time to progression)およびDoR(奏効期間: duration of response)のほか、患者報告アウトカム、安全性および薬物動態です。

 グレード3-4の有害事象はテセントリクとアバスチン併用群で57%、ソラフェニブ単剤群で55%に報告されました。グレード5の有害事象はそれぞれ5%、6%に報告されました。

[参考情報]
以下の情報は国内向けにご提供するものであり、ロシュのプレスリリース原文には含まれません。

肝細胞がんについて
 HCCは肝臓がんの90%以上を占めており、予後不良かつ治療選択肢が限られているため、世界でのがんによる死亡の主な原因となります。1, 2) 国内では、毎年約4万人が肝臓がんと診断され、死亡数は約2万8千人となっています。3) HCCは主にB型またはC型肝炎による肝硬変もしくはアルコール性肝炎から進展し、がんにいたります。1) 切除不能なHCCの予後は不良であり、全身薬物療法の選択肢は限られており、1年生存率は50%以下となります。4)

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

以上

[出典]
1: Llovet J et al. Hepatocellular carcinoma. Nat Rev Dis Primers. 2016;2:16018.
2: 日本肝癌研究会. 「第20 回全国原発性肝癌追跡調査報告(2008~2009)」 肝臓 60巻8号258-293(2019)
3: 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(2019年10月確認)https://ganjoho.jp/reg_stat/index.html
4: Giannini G et al. Prognosis of untreated hepatocellular carcinoma. Hepatology. 2015;61(1):184-190.

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
  • Facebookのシェア(別ウィンドウで開く)
  • ポストする(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る