中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2019年09月25日
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、リムパーザのコンパニオン診断として追加承認を取得
- リムパーザの卵巣がんでの使用に対するコンパニオン診断機能を追加
- 生殖細胞系列および体細胞系列両方のBRCA遺伝子変異を検出するコンパニオン診断として、日本初
- 本承認により、合計15の医薬品に対するコンパニオン診断機能を取得
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」について、本日、抗悪性腫瘍剤/PARP阻害剤「リムパーザ®」(一般名:オラパリブ)のBRCA遺伝子変異陽性卵巣癌に対する一次治療による完全及び部分奏効後の維持療法に対するコンパニオン診断としての使用目的追加について、厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。今回の承認により、合計15の医薬品に対して本プログラムをコンパニオン診断として利用できることになります。
今回の承認に基づき、本プログラムによりBRCA1/2遺伝子変異を検出することで、リムパーザのBRCA遺伝子変異陽性卵巣癌に対する一次治療による完全及び部分奏効後の維持療法の適応判定の補助が可能になります。国内では、アストラゼネカ社が本年6月19日に、厚生労働省よりリムパーザの同適応に関する効能・効果の追加の承認を取得しています1)。また、同社はMSD社とのグローバルな戦略的提携に基づき、日本において、同剤のコ・プロモーションを行っています。
執行役員ファウンデーションメディシンユニット長の渡邉 稔は、「このたびFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルが、リムパーザの進行卵巣がんの適応に対し、コンパニオン診断として承認を取得できたことを嬉しく思います」と述べるとともに、「本承認により、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異に加え、体細胞系列のBRCA遺伝子変異の検出が日本で初めて可能となります*。患者さんが最適な治療にアクセスできるよう、本プログラムを通じて貢献していきます」と語っています。
アストラゼネカ社の上級副社長兼Precision Medicine and Oncology R&D部門責任者のルース・マーチ博士は、「リムパーザの卵巣がんにおけるコンパニオン診断として、ファウンデーション・メディシン社および中外製薬との協力によりFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルが承認されたことは、日本でより多くの患者さんにプレシジョン・メディシンを提供するための大きな一歩です」と語っています。
本プログラムは、米国のファウンデーション・メディシン社により開発された、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システムです。患者さんの固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability: MSI)の判定や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden: TMB)の算出を行います。また、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能です。
オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、包括的ゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう取り組んでまいります。
* FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルのレポートに含まれるBRCA変異の情報は、生殖細胞系列(遺伝性)または体細胞系列(非遺伝性)の両方が含まれるものの、その由来については、生殖細胞系列および体細胞系列のいずれかであるかは区別されません。
製品情報 下線部分が追加されました。
【使用目的又は効果】
- 本品は、固形がん患者を対象とした腫瘍組織の包括的なゲノムプロファイルを取得する。
- 本品は、下表の医薬品の適応判定の補助を目的とし、対応する遺伝子変異等を検出する。
遺伝子変異等 | がん種 | 関連する医薬品 |
EGFRエクソン19欠失変異及びエクソン21 L858R変異 | 非小細胞肺癌 | アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩 |
EGFRエクソン20 T790M変異 | オシメルチニブメシル酸塩 | |
ALK融合遺伝子 | アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ | |
BRAF V600E及びV600K変異 | 悪性黒色腫 | ダブラフェニブメシル酸塩、トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物、ベムラフェニブ |
ERBB2コピー数異常(HER2遺伝子増幅陽性) | 乳癌 | トラスツズマブ(遺伝子組換え) |
KRAS/NRAS野生型 | 直腸・結腸癌 | セツキシマブ(遺伝子組換え)、パニツムマブ(遺伝子組換え) |
NTRK1/2/3融合遺伝子 | 固形癌 | エヌトレクチニブ |
BRCA1/2遺伝子変異 | 卵巣癌 | オラパリブ |
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
【出典】
- アストラゼネカ社プレスリリース(2019年6月19日発表)「リムパーザ、BRCA遺伝子変異陽性卵巣がんの初回治療後の維持療法として適応を拡大」 https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2019/2019061903.html(最終アクセス:2019年9月)
以上
本件に関するお問い合わせ先:
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- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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