2019年08月30日

抗HER2抗体薬物複合体「カドサイラ」 HER2陽性の早期乳がんにおける術後薬物療法に対する適応拡大の承認申請について

  • HER2陽性早期乳がんに対するカドサイラの術後薬物療法の適応拡大を国内申請
  • HER2フランチャイズの拡充により、HER2陽性乳がん治療へのさらなる貢献を目指す

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体「カドサイラ®」(一般名:トラスツズマブ エムタンシン)のHER2陽性の早期乳がんにおける術後薬物療法に対する適応拡大の承認申請を本日、厚生労働省に行いましたのでお知らせいたします。

 上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「術前薬物療法により病理学的完全奏効(pCR)が得られなかった際の治療開発は未だアンメットメディカルニーズが高く、今回の申請は新たな術後薬物療法の選択肢としてカドサイラを患者さんに提供するための第一歩となります」と述べるとともに、「ハーセプチン、パージェタ、カドサイラを有する当社のHER2フランチャイズは、HER2陽性乳がんの治療成績の向上に貢献してまいりました。本適応においてもカドサイラが早期に承認されるよう、当局との協議を続けてまいります」と語っています。

 今回の申請は、海外で実施した非盲検ランダム化第III相国際共同臨床試験(KATHERINE試験)の成績に基づいています。本試験では、ハーセプチンを含む術前薬物療法でpCRが得られなかったHER2陽性早期乳がん患者さん約1,500名を対象に、浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)を主要評価項目とし、ハーセプチンに対するカドサイラの術後薬物療法としての有効性と安全性を検討しました。本試験に基づき、米国FDAはカドサイラの術後薬物療法を画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定するとともに、Real-Time Oncology Reviewパイロットプログラムを適用し、申請後12週間の本年5月3日に承認しました。

KATHERINE試験の主な成績は以下のとおりです。
・主要評価項目であるIDFSの1回目の中間解析において、カドサイラのハーセプチンに対するIDFSの優越性が検証されました[非層別ハザード比:0.50(95%信頼区間:0.39-0.64)、log-rank検定、p<0.0001]
・同時点で実施した副次的評価項目である全生存期間の1回目の中間解析では、ハーセプチンに対するカドサイラの優越性は認められませんでした
・カドサイラ投与群で有害事象は731例(98.8%)に認められました。HER2陽性転移性乳がんにおける治療で認められている安全性プロファイルと同様であり、HER2陽性早期乳がんの術後薬物療法での使用においてもカドサイラの忍容性が認められました

 オンコロジー領域の国内トップ企業である中外製薬は、HER2陽性乳がんへのさらなる貢献を目指し、承認取得に向けて取り組んでまいります。

【参考情報】
FDA approves Roche’s Kadcyla for adjuvant treatment of people with HER2-positive early breast cancer with residual invasive disease after neoadjuvant treatment(2019年5月6日 ロシュ社プレスリリース)
https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2019-05-06.htm

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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