中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2019年05月16日

ロシュ社はリスジプラムの脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するピボタル試験であるFIREFISHおよびSUNFISH試験の成績を米国神経学会にて発表

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が5月7日(バーゼル発)に発表したプレス・リリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2019-05-07.htmをご覧ください。

  • FIREFISH試験の用量設定パートにおいて、1型SMAの乳児は生存し続け、主要マイルストンを疾患の自然経過で予期される程度を上回って達成
  • SUNFISH試験の用量設定パートで得られた新規データから、2型および3型SMAに対してリスジプラムが有望な治療薬候補となることが示唆される
  • 臨床試験からの脱落につながる薬剤関連の安全性の所見は確認されず

 ロシュ社は5月7日、ピボタル試験であるFIREFISH試験の用量設定パート(パート1)の成績を発表し、リスジプラムによる1年間の治療を受けた1型SMAの乳児において、主要な運動マイルストンを達成しました。また、本試験の検証パート(パート2)で選択された用量を投与した乳児(17名)のうち7名(41.2%)が、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development – Third Edition)の粗大運動スケールによる評価で、少なくとも5秒間支えなしで座位を取ることができました。さらに、HINE-2(Hammersmith Infant Neurological Examination Module 2)の評価で、11名(64.7%)が補助の有無に関わらず座位を取ることができるようになり、9名(52.9%)が12カ月間の投与により首がすわるようになりました。同様に1名(5.9%)は、12カ月以内に立位のマイルストン(体重を支えられる)を達成することができました。

 これらの成績は、ペンシルベニア州のフィラデルフィアで5月4日から10日に開催された第71回米国神経学会(AAN)で発表されました。ロシュ社は、SMA財団およびPTCセラピューティクス社の協力のもと、経口のSMN2スプライシング修飾剤であるリスジプラムの臨床試験を実施しています。

リスジプラムについて
 リスジプラムは、中枢神経系および全身のSMNタンパク量を増加させるように創製された、経口投与が可能な臨床開発中の薬剤です。運動神経および筋肉機能をよりよくサポートするために、SMN2遺伝子から機能性のSMNタンパクの産生が増加するように設計されています。2018年12月には欧州医薬品庁(EMA)より、脊髄性筋萎縮症の治療薬としてPRIME(PRIority MEdicines)指定を受けています。欧州、米国およびスイスではオーファンドラッグ指定を受け、また米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受けています。日本では2019年3月に希少疾病用医薬品指定を受けています。

脊髄性筋萎縮症について
 脊髄性筋萎縮症は、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します1)。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患です2)。乳児期から小児期に発症する脊髄性筋萎縮症の患者数は10万人あたり1~2人です3)。脊髄性筋萎縮症の原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です4)

1) Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
2) Cure SMA. About SMA. 2018. Available from: http://www.curesma.org/sma/about-sma/. Accessed May 2019.
3) 難病情報センター. Available from: http://www.nanbyou.or.jp/entry/135. Accessed May 2019.
4) Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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