中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2018年10月18日

ゼローダ®の服薬適正化支援アプリががん患者さんと医療従事者のコミュニケーション向上に寄与

中外製薬株式会社
エンブレース株式会社
IQVIAソリューションズ ジャパン株式会社

 中外製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、患者さんと医療従事者とのコミュニケーションの促進と副作用マネジメントを目的として中外製薬が開発した「ゼローダ®の服薬適正化支援アプリ(ゼローダ服薬記録アプリ)」と、エンブレース株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:松下 和彦)の多職種連携SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「MedicalCareStation(メディカルケアステーション)」を融合させたウェブアプリの試験的利用を一部の基幹病院にて行ってまいりました。今般、その検証結果がIQVIAソリューションズ ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:宇賀神 史彦)の協力によりまとまりましたので、ご報告いたします。

【ゼローダ服薬記録アプリ試験的利用の背景】
 中外製薬が実施した化学療法を受けた患者さんへの調査では、診察1回あたりで医師と話す時間が5分未満の人は21%でした。また、治療期間中に患者さんが不安を感じた時期は、「がんと診断されてから入院するまで」が35%、「薬物療法を受けている期間」が21%でした。さらに、治療中に看護師に「なんでも相談できて時間もすぐにとってくれた」と回答した患者さんが31%であった一方で、「忙しそうでなかなか相談する時間を取ってもらえなかった」と回答した患者さんは10%でした。

※ 対象:化学療法を受けた患者さん146名
方法:ウェブ調査
時期:2017年12月13日~18日

【ゼローダ服薬記録アプリを利用した医療従事者と患者/家族による評価】
 複数の施設でアプリを一定期間使用後、IQVIAソリューションズ ジャパンより医療従事者、患者さん/ご家族に対してアンケートとグループインタビューを実施し、アプリの利用回数を含め、その有益性について総合的に評価しました。その結果、医療者、患者さん/ご家族の双方ともに全体満足度が高かった一方で、今後展開していく上での課題も示されました。

【調査概要】
調査期間:2018年6月~8月
調査対象:アプリの試験的利用に協力いただいた、医療従事者(医師・看護師・薬剤師)15名、がん患者さん6名/ご家族4名
アンケート回答者:医療従事者15名、患者さん2名/ご家族1名
グループインタビュー:医療従事者(協力施設毎に実施)

【調査結果概要】

  1. アンケート調査結果
    • 8割(12/15名)が「手間がかかっても有益」と回答
    • 約半数(8/15名)が「他の施設に薦めたい」と回答。3分の1(5/15名)が「どちらでもない」と回答し、「対象となる患者さんや時期を考慮する必要がある」とコメント
    • 「有害事象等の早期検知」、「診察内容の深まり」を主な理由として、約8割(13/15名)が「患者さん/ご家族とのコミュニケーション機能」を評価
    • 約半数(8/15名)が「診察時間を短縮できた」と回答
    • 「メール機能を用いてコミュニケーションがとれる」との評価がある一方で、「毎日操作することが面倒」とのコメントもあり
  2. グループインタビュー結果
    • 「有害事象等の早期検知・早期対応が可能であったこと」、「来院前の情報増加による診察内容の深まったこと」、「在宅時のフォローにより患者さん/ご家族の不安を軽減できたこと」を有益と評価
    • 「アプリの入力が面倒であり、電話対応の方が早い」、「利用対象となる患者さんの選定」、「システムの改善が必要」とのコメントもあり
  3. アプリの利用状況
    • 医療従事者、患者さん/ご家族とも、コメントの投稿はアプリ導入初期に多く、徐々に減少
    • 患者さん/ご家族による入力は服薬状況についてはほぼ毎日、症状は週1回程度

【今後に向けて】
 中外製薬は、より多くの患者さんと医療従事者が円滑なコミュニケーションを図れるよう、他の治療領域でも新たなソリューション提供を行い、治療支援活動と副作用マネジメントの推進を継続して行ってまいります。

本アプリに関する注意事項

  • 診療報酬の請求はできません。
  • ゼローダ投与後に有害事象が認められた場合、本アプリとは別に、医療者より中外製薬へ有害事象の報告をお願いしています。

以上

中外製薬について
中外製薬は、医療用医薬品に特化し東京に本社を置く、バイオ医薬品をリードする研究開発型の東京証券市場一部上場の製薬企業であり、ロシュ・グループの重要メンバーとして、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開しています。特に「がん」領域を中心に、アンメット・メディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。
国内では、御殿場、鎌倉の研究拠点が連携して創薬研究活動を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っています。海外では、シンガポールに拠点を置く中外ファーマボディ・リサーチが革新的な抗体創製技術を駆使し新規抗体医薬品の創製に特化した研究を行っています。また、米国と欧州では、中外ファーマ・ユー・エス・エー中外ファーマ・ヨーロッパが臨床開発活動を行っています。2017年の連結売上高は5,342億円、営業利益は1,032億円(Coreベース)でした。
中外製薬に関するさらに詳しい情報はhttps://www.chugai-pharm.co.jp/をご覧下さい。

エンブレースについて
エンブレース株式会社は21世紀型の社会インフラの要となる、医療分野におけるプラットフォームを構築するために、ICT技術を活用した様々なソリューションを医療介護関係者、医師会、パートナー企業の皆様に提供し、医療・介護・健康・ヘルスケアを取り巻くエコシステムの構築を進めています。
今日、保健医療・介護福祉領域における課題は多岐にわたり、患者と医療介護関係者間のコミュニケーションや院内外の医療スタッフ間でのタイムリーな情報共有ニーズがますます求められてきております。
これらの医療現場のニーズに対応すべく、SNSなどの技術を駆使して当社が開発した、病院・クリニック・介護施設・薬局など医療介護分野に特化した完全非公開型医療介護SNS「メディカルケアステーション」により、在宅医療のための多職種連携等を実現することで、少子高齢化や疾病構造の変化など様々な社会的課題の解決を目指して参ります。

IQVIAについて
IQVIA(NYSE:IQV)は、ヘルスケア業界のお客様がより優れたソリューションを患者の皆さまへ供することを、情報や革新的テクノロジーおよび臨床試験サービスを提供することによって支援する世界的なリーディング企業です。IMS HealthとQuintilesの統合により誕生したIQVIAは、ヒューマン・データ・サイエンス-分析の精緻さとデータサイエンスの明晰さを、拡大し続けるヒューマンサイエンスの領域に対し活用すること- を用いることにより、ヘルスケア企業の皆さまが臨床開発とコマーシャル領域における新しいアプローチを改めて思い描き発展させ、イノベーションを速め、ヘルスケア・アウトカムの改善を更に加速させることを支援します。私たちの原動力である「IQVIA CORE」によって、実務実行力と同様に、私たちIQVIAは大規模な分析、革新的なテクノロジー、そしてスペシャリストによる幅広い専門知識、これらが交差する地点に、実用的且つ唯一無二のインサイトを提供しています。IQVIAでは5万5,000人が世界100以上の国と地域で活動しています。
IQVIAは、患者の皆さまの個人情報保護の分野においても世界をリードしています。ヘルスアウトカムを発展させるのに必要な情報を収集し分析する一方で、様々なプライバシー保護のための技術や安全対策に取り組んでおります。IQVIAが持つインサイトや実行力は、患者の皆さまの治療・治癒の実現を目指すバイオテクノロジー企業、医療機器メーカー、製薬企業、医学研究機関、政府機関、保険者その他の医療関係者の皆さまが、疾患や人間行動、サイエンスの進歩を追求するのにきっとお役に立てるものと考えております。IQVIAの詳しい情報はこちら(www.IQVIA.com)をご覧ください。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

【ご参考】

本件に関するお問い合わせ先:

中外製薬株式会社
広報IR部
メディアリレーションズグループ
TEL:03-3273-0881

エンブレース株式会社
メディカルケアステーション運営事務局
TEL:03-6447-2061

IQVIAソリューションズ ジャパン株式会社
広報担当(IQVIAジャパン グループ 広報マーケティング)
TEL:03-6894-5420

  • Facebookのシェア(別ウィンドウで開く)
  • ポストする(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る