2018年07月17日

ROS1/TRK阻害剤「entrectinib」の導入契約締結について

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、F. ホフマン・ラ・ロシュ社(本社:スイスバーゼル市、CEO:セヴリン・シュヴァン)と、ROS1融合遺伝子またはNTRK融合遺伝子が確認されたがんを対象として開発中のROS1/TRK阻害剤entrectinib(開発コード:RG6268)について、導入契約を締結しましたのでお知らせいたします。

 本契約の締結により中外製薬は、entrectinibの日本における独占的開発・販売の実施権を許諾され、その対価として契約一時金およびマイルストンをロシュ社に支払います。

 Entrectinibは、ROS1(c-ros遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤であり、脳転移巣への作用も期待されています。Entrectinibは、ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん、およびNTRK融合遺伝子陽性の固形がんを対象に開発が進められています。現在、ロシュ社により第II相臨床試験(STARTRK-2)が実施されています。Entrectinibは、がん種を問わず、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対し、2017年5月に米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に、同年10月に欧州医薬品庁(EMA)よりPRIME(PRIority MEdicines)に指定されています。国内でも、2018年3月に先駆け審査指定制度の対象品目として指定を受けています。

 これまで中外製薬は、画期的な抗がん剤の販売を通じてがん治療への貢献を行って参りました。今回、製品ポートフォリオにROS1/TRK阻害剤entrectinibが加わることにより、オンコロジー領域の国内トップ企業である当社の強みがより一層強化され、がん治療の更なる発展に貢献できるものと考えています。

 中外製薬は引き続き、ロシュ・グループの研究・開発資源を有効に活用した画期的新薬の探索により、アンメットメディカルニーズの解決に取り組んで行く所存です。

以上

ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんについて
ROS1融合遺伝子は、何らかの原因によりROS1遺伝子と他の遺伝子(CD74など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です。ROS1融合遺伝子から作られるROS1融合キナーゼにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。ROS1融合遺伝子は、非小細胞肺がん患者さんの約1〜2%に認められ、その中でも腺がんでより多く発現しています。

NTRK(神経栄養因子受容体)融合遺伝子陽性がんについて
NTRK融合遺伝子とは、NTRK遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3、それぞれTRKA、TRKB、TRKCタンパク質をコードする)と他の遺伝子(ETV6、LMNA、TPM3など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です。NTRK融合遺伝子から作られるTRK融合キナーゼにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。NTRK融合遺伝子の発生は非常に稀ではありますが、成人や小児の様々な固形がんや肉腫等[虫垂がん、乳がん、胆管がん、大腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)、乳児型線維肉腫、肺がん、唾液腺の乳腺相似分泌がん、悪性黒色腫、膵臓がん、甲状腺がん等]で確認されています。

先駆け審査指定制度について
先駆け審査指定制度は、一定の要件を満たす画期的な医薬品について、開発の早期段階から対象品目に指定し、薬事承認に関する相談・審査で優先的な取扱いをすることで、承認審査の期間を短縮し、早期の実用化を目指すものです。この制度を活用することで、審査期間の目標をこれまでの半分の6カ月に短縮することが可能になります。

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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