2017年10月25日

抗悪性腫瘍剤「パージェタ®
「HER2陽性の乳癌における補助化学療法」に対する効能・効果追加の承認申請について

中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:永山 治)は、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体ペルツズマブ(遺伝子組換え)-販売名「パージェタ®点滴静注420mg/14mL」(以下、パージェタ)の「HER2陽性の乳癌における補助化学療法」に対する効能・効果追加の承認申請を本日、厚生労働省に行いましたのでお知らせいたします。

上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメントユニット長の伊東 康は、「現在、HER2陽性の早期乳癌に対するハーセプチン®による補助化学療法は、乳癌診療ガイドラインで推奨されており、患者さんに貢献してきました」と述べるとともに、「現在の標準治療を上回る成績を示した本剤を含めた補助化学療法を、患者さんの新たな治療選択肢として使用できるよう、当局との協議を続けて参ります」と語っています。

今回の申請は、ランダム化二重盲検プラセボ対照二群間比較の国際共同第III相臨床試験であるAPHINITY(Adjuvant Pertuzumab and Herceptin IN Initial TherapY in Breast Cancer)試験等の成績に基づいています。
APHINITY試験では、根治手術を受けた早期乳癌患者さん4,805名を対象に、パージェタ、ハーセプチンおよび化学療法(アントラサイクリン系薬剤投与後にドセタキセル単独投与、またはドセタキセル+カルボプラチン)併用と、ハーセプチンおよび化学療法併用における術後補助化学療法について有効性と安全性を検討しました。APHINITY試験の主要評価項目は、術後補助化学療法後にいずれかの部位での浸潤性乳癌の再発、または理由の如何を問わず死亡を認めない生存時間として定義した浸潤病変の無い生存期間(iDFS)でした。副次的評価項目は、心機能および全般的な安全性等でした。

APHINITY試験の結果は以下のとおりです。

・主要評価項目であるiDFSは、パージェタ併用群では3年時点で94.1%、対照群では93.2%であり、パージェタ併用群で統計学的に有意な改善が認められ、再発または死亡リスクを19%減少させました[ハザード比:0.81、95%信頼区間:0.66-1.00、層別log-rank検定、p=0.0446]。

・Kaplan-Meier法により推定した4年時点のiDFSは、パージェタ併用群では92.3%(95%信頼区間:91.1-93.4)、対照群では90.6%(95%信頼区間:89.3-91.8)でした。

・安全性については、パージェタでこれまでに報告されたものと同様でした。なお、心臓に関連する有害事象の発現率は、パージェタ併用群で0.7%、対照群で0.3%でした。

パージェタのHER2陽性乳癌の術後補助化学療法に係る効能・効果は欧米でも申請中であり、米国では2017年9月に優先審査に指定されています。なお、術前補助化学療法については、米国では2013年9月、欧州では2015年7月に承認されています。

オンコロジー領域の国内トップ企業である中外製薬は、HER2陽性の早期乳癌患者さんに新たな治療選択肢となるパージェタを早期に提供できるよう、承認取得に向けて取り組んでまいります。

以上

パージェタ®は、F. ホフマン・ラ・ロシュ社(スイス)の登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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