2016年10月13日

ロシュ社のTECENTRIQ(atezolizumab)は非小細胞肺癌患者さんを対象とした第III相国際共同治験においてPD-L1の発現状況にかかわらず化学療法と比較し全生存期間を有意に延長

【参考資料】

当参考資料は、F. ホフマン・ラ・ロシュが2016年10月9日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースを、戦略的アライアンスを締結している中外製薬が翻訳版(抜粋)として、皆様に提供させていただくものです。
従いまして、日本国内と状況が異なる場合があること、また、正式言語が英語であるため、表現や内容につきましては英文リリースが優先されますことをご留意ください。
英文プレスリリースは、下記URLよりご参照ください。
http://www.roche.com/media/store/releases/med-cor-2016-10-09.htm

Atezolizumab(Tecentriq、RG7446)について
国内では、非小細胞肺癌を対象とした第II相国際共同治験ならびに第III相国際共同治験、非小細胞肺癌の術後補助療法の第III相国際共同治験、小細胞肺癌を対象とした第III相国際共同治験、膀胱癌を対象とした第III相国際共同治験、筋層浸潤膀胱癌の術後補助療法の第III相国際共同治験、腎細胞癌を対象とした第III相国際共同治験、および乳癌を対象とした第III相国際共同治験に参加しています。

2016年10月9日 バーゼル発

  • TECENTRIQは、PD-L1低発現または非発現でも化学療法を上回る生存期間の延長を示しました
  • 全生存期間の成績には、扁平上皮型および非扁平上皮型が含まれていました
  • 全ての成績は、欧州臨床腫瘍学会のPresidential Symposiumで発表されました

ロシュ社は本日、デンマークのコペンハーゲンにて開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2016年次集会において、TECENTRIQ(atezolizumab)の主要な第III相臨床試験であるOAK試験の良好な成績を発表しました。OAK試験では、PD-L1の発現状況に関わらない全集団において、TECENTRIQ群の全生存期間(OS)中央値は13.8カ月であり、docetaxelによる化学療法と比べ4.2カ月の延長を示しました[OS中央値:13.8カ月対9.6カ月;ハザード比0.73、95%信頼区間:0.62-0.87]。OAK試験は、白金製剤ベースの化学療法を1回以上施行中または施行後に病勢が進行した非小細胞肺癌(NSCLC)患者さんを対象として実施されました(二次治療および三次治療)。OAK試験では、扁平上皮型および非扁平上皮型の両組織型を対象とし、患者さんのPD-L1の発現状況を問わずに登録されました。TECENTRIQの有害事象は、これまでに観察されたものと一致していました。

ロシュ社の最高医学責任者兼国際開発責任者のSandra Horning博士は、「TECENTRIQは、PD-L1の発現状況や腫瘍の組織型に関わらず、転移性NSCLC患者さんの全生存期間を化学療法よりも統計学的に有意に延長させる、PD-L1を標的とする最初で唯一の免疫チェックポイント阻害剤です」と述べるとともに、「PD-L1が低発現または非発現の患者さんでも、TECENTRIQによる生存期間の統計学的に有意な延長が示されています」と語っています。

FDAはTECENTRIQに対し、標準化学療法(白金製剤ベースの化学療法、EGFR遺伝子変異陽性またはALK陽性肺癌に対しては適切な分子標的療法)施行中または施行後に病勢が進行したPD-L1陽性NSCLC患者さんへの投与について、画期的治療薬に指定しました。ロシュが提出したNSCLCに対する生物製剤承認申請(BLA)は優先審査に指定されており、FDAは2016年10月19日までに承認の判断を行う予定です。ロシュ社は、早期および進行期の肺癌患者さんを対象としてTECENTRIQ単独または他の治療方法との併用について検討する、8種類の第III相臨床試験を実施しています。

OAK試験について
本試験は白金製剤ベースの化学療法施行中または施行後に病勢が進行した局所進行または転移性非小細胞肺癌患者さん1,225名を対象にTECENTRIQの有効性と安全性をdocetaxelと比較したオープンラベルランダム化多施設共同国際第III相臨床試験です。主解析は最初に登録された850名の患者さんで実施され、約1/4(26%)の患者さんの組織型は扁平上皮型でした。患者さんは、3週間毎にTECENTRIQ(1,200 mg静注)またはdocetaxel(75 mg/m2静注)を投与される群に1:1でランダム化され、許容不能な有害事象または病勢進行が認められるまで投与が継続されました。本試験は、ランダム化された全ての患者さん(ITT集団)の全生存期間、およびPD-L1が発現している患者さんの全生存期間(OS)の二つを主要評価項目として実施されました。OAK試験の成績のサマリーは以下のとおりです。

成績一覧

OS

解析集団

ITT
(最初にランダム化された850名)

TC 1/2/3 or IC 1/2/3
(PD-L1発現がTCまたはICで1%以上)

TC 0 or IC 0
(PD-L1発現がTCおよびICで1%未満)

投与群

Tecentriq

Docetaxel

Tecentriq

Docetaxel

Tecentriq

Docetaxel

患者数

425

425

241

222

180

199

OS中央値(月)

13.8

9.6

15.7

10.3

12.6

8.9

HR*
95% CI
P** value

0.73
(0.62-0.87)
P=0.0003

0.74
(0.58-0.93)
P=0.0102

0.75
(0.59-0.96)
P=0.0215

組織型別のOS

組織型

非扁平上皮型

扁平上皮型

投与群

Tecentriq

Docetaxel

Tecentriq

Docetaxel

患者数

313

315

112

110

OS中央値(月)

15.6

11.2

8.9

7.7

Unstratified HR
(95% CI)

0.73
(0.60-0.89)

0.73
(0.54-0.98)

安全性評価(1,187名)

・TECENTRIQの有害事象は、これまでに観察されたものと一致していました。
・TECENTRIQ群で発現したGrade 3-4の治療関連有害事象は、docetaxel群と比べ少ないものでした
 (15%対43%)。
・TECENTRIQ群で5%以上に発現した有害事象は、筋骨格痛(TECENTRIQ群11%対docetaxel群4%)
   およびそう痒(TECENTRIQ群8%対docetaxel群3%)でした。
・TECENTRIQ群で治療関連死は認められず、docetaxel群で1例に認められました。

投与開始時の患者さんの背景等は、2群間に差はありませんでした。患者さんの年齢中央値は64歳で、61%が男性でした。25%の患者さんがこれまでに2ラインの治療を受け、18%は喫煙歴がありませんでした。投与開始時のECOGのperformance statusは0(37%)または1(63%)でした。Docetaxel投与群の約17%の患者さんは、後治療として免疫療法を受けました。

* TC 0およびIC 0のサブグループは無層別、その他は層別
** 層別log-rank検定

非小細胞肺癌について
肺癌は、世界中で癌による死亡原因の第1位となっています。毎年、159万人が肺癌で死亡しており、これは世界中で毎日4,350人以上が死亡していることを意味しています。肺癌は主に、NSCLCと小細胞肺癌の二つのタイプに分けることができます。NSCLCは最も患者さんの数が多く、全ての肺癌の中で85%を占めています。

TECENTRIQ(atezolizumab)について
TECENTRIQは、TCまたはICに発現するPD-L1(programmed death ligand-1)と呼ばれるタンパク質を標的とし結合するように設計された開発中のモノクローナル抗体です。PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1、B7.1の双方と相互作用することにより、T細胞の働きを阻害します。TECENTRIQがこの相互作用を阻害することでT細胞が活性化され、癌細胞を効率的に検出し攻撃する能力を取り戻すことが可能となります。

個別化癌免疫療法(PCI)について
50年以上にわたり、ロシュ社は、癌領域における治療法の刷新を目標として医薬品の開発を行ってきました。今日、我々は人の免疫システムが癌を攻撃することを活用する革新的な治療オプションの研究開発に一層の投資を行っています。
PCIの目的は、患者さん個々の腫瘍に関連する特定の免疫生物学的なニーズに合わせた治療選択肢を提供することです。PCIの目的は、最大限の患者さんに優れた臨床ベネフィットの機会を与える治療戦略を提供することです。TECENTRIQの場合、バイオマーカーとしてのPD-L1の検討目的は、TCおよびIC上のPD-L1発現と、幅広い癌種において単独療法または併用療法でPD-L1発現と臨床ベネフィットの相関を探索することです。ロシュ社のPCI研究と開発プログラムには20種類以上の研究段階の候補品があり、そのうち10種類で臨床試験を行っています。

ロシュ社について
ロシュ社は、人々の生活をより良くする最先端のサイエンスに基づいた医薬品ならびに診断薬の世界的なパイオニアです。

ロシュ社は、癌、免疫疾患、感染症、眼科および中枢神経系疾患において他社と一線を画した薬剤を保有する世界最大のバイオテクノロジー企業です。さらに、体外診断薬と癌の組織学的診断において世界のリーダーであり、糖尿病管理分野も牽引しています。ロシュ社は、医薬品事業と診断薬事業の双方を傘下に持つという大きな強みにより、個々の患者さんに合った最適な治療を目指すパーソナライズド・ヘルスケア(PHC)のリーダーであり続けています。

ロシュ社は1896年の創立以来、疾患の予防、診断そして治療において、より優れた方法を探求し続けることで、持続的に社会へ貢献しています。世界保健機関(WHO)が策定した必須医薬品リストには、人の生命を救うための抗生物質、抗マラリア薬および抗癌剤など、ロシュ社が創製した29の薬剤が記載されています。また、Dow Jones Sustainability Indexの「医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス企業」部門において、ロシュ社は8年連続で持続可能性のリーダーに選出されています。

ロシュ社はスイス・バーゼルに本社を置き、2015年では世界100カ国以上で約91,700人の社員を擁しています。ロシュ・グループは2015年に研究開発費として93億スイスフランの投資を行っており、売上は481億スイスフランでした。ジェネンテック社(米国)は、100%子会社としてロシュ・グループのメンバーとなっています。また、ロシュ社は中外製薬(日本)の株式の過半数を保有する株主です。さらに詳しい情報はwww.roche.comをご覧ください。

本プレスリリースに使用された商標等はすべて法律で保護されています。

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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