2016年07月21日

中外製薬、ガルデルマ社
皮膚疾患領域の新規生物学的製剤nemolizumab(CIM331)の
ライセンス契約締結に関するお知らせ

中外製薬株式会社
Galderma Pharma S.A.

中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/代表取締役会長 最高経営責任者:永山 治](以下、中外製薬)とGalderma Pharma S.A.[本社:スイス ローザンヌ市/CEO:スチュアート・レッツマン](以下、ガルデルマ社)は、このたび、中外製薬がアトピー性皮膚炎および透析そう痒症を予定適応症として開発中の抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体nemolizumab(CIM331)に関するライセンス契約を締結しましたのでお知らせいたします。

中外製薬 代表取締役社長 最高執行責任者の小坂 達朗は、「このたびの契約は、itch-scratch cycle(かゆみとかきむしりの悪循環)の遮断による皮膚炎の改善をコンセプトとして開発された、全く新しいメカニズムのnemolizumabへの大きな期待を示すものと認識しています」と述べるとともに「この革新的な薬剤を世界中のアトピー性皮膚炎の患者さんのもとへ、一日も早くお届けできるよう、ガルデルマ社と協力して開発に尽力してまいります」と語っています。
中外ファーマ・ユー・エス・エー 最高医学責任者のアトス ジャネーラ・ボラドーリ博士は、「私たちは、そう痒を主症状として有する多くの疾患をもつ患者さんに対して新薬を提供することをビジョンとして掲げています。このたびの契約は、このビジョンの実現に向けた大きな前進となります」と述べるとともに「ガルデルマ社との提携により、nemolizumabの可能性が最大限広げられることを期待します」と語っています。

ガルデルマ社 CEOのスチュアート・レッツマンは、「このたびの新しい戦略的提携は、技術的に選択可能な全ての範囲の中で、革新的なメディカルソリューションを提供し、全世界の患者さんと医療従事者のニーズに応えるという私たちの目的への、重要な一歩です」と語っています。また、医薬品事業のバイスプレジデントであるティボー・ポルタル博士は、「nemolizumabは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんにとって、他の薬剤とは明確に異なるファーストインクラスの薬剤として開発される、新しい革新的な生物学的治療薬です」と述べるとともに、「ガルデルマ社にとって生物学的治療という新たな分野への進出は、当社の医療用医薬品事業にとって真の変革であり、診断から治療、維持療法や予防における患者さんのニーズを満たすという私たちの決意を示すものです」と語っています。

Nemolizumabは、中外製薬が創出した抗体医薬であり、独自の抗体改変技術ACT-Ig(血中半減期延長技術)を用いています。IL-31はそう痒誘発性サイトカイン1)であり、アトピー性皮膚炎および透析患者さんにおけるそう痒の発生に関与していることが報告2), 3)されています。Nemolizumabは、IL-31とそのレセプターの結合を競合的に阻害することにより、IL-31の作用を抑制するようデザインされています。現在、中外製薬主導の下、欧米、日本を含む5カ国で実施している中等症から重症のアトピー性皮膚炎を対象とした第II相国際共同治験において、12週時の良好な有効性、安全性を確認しています。国内では、透析そう痒症を対象とした第II相臨床試験が進行中です。

本契約締結により、中外製薬はnemolizumabの日本、台湾を除く全世界における開発・販売の独占的実施権をガルデルマ社へ許諾するとともに、ガルデルマ社に対する製品の供給を行います。また、ガルデルマ社よりその対価として契約一時金、マイルストンペイメントおよびロイヤルティを受領します。

本取引の実行は、競争当局の承認等を条件とする可能性があります。

以上

アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎は、表皮のバリア機能障害と抗原物質に対する過敏反応という2種類の機能異常に起因する多因子性疾患で、慢性に経過しかゆみを伴う炎症性皮膚炎です。小児において最も一般的な皮膚炎でもありますが、幼児から高齢者まで、どの年齢でも発症します。患者タイプは、幼児から高齢者、急性から慢性、軽度から重症と幅広く存在します。アトピー性皮膚炎は、遺伝的要因と環境的な要因が発病の原因とされていますが、新たな発見によりアトピー性皮膚炎の病因が解明されつつあります。

Itch-scratch cycleについて

皮膚にかゆみがあると、かきむしることで炎症反応が増強され、さらにかゆみの増悪をきたす悪循環を指し、皮膚炎を悪化させる増悪因子であると言われています。

中外製薬について

中外製薬は、医療用医薬品に特化し東京に本社を置く、バイオ医薬品をリードする研究開発型の東京証券市場一部上場の製薬企業であり、ロシュ・グループの重要メンバーとして、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開しています。特に「がん」領域を中心に、アンメット・メディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。
国内では、御殿場、鎌倉の研究拠点が連携して創薬研究活動を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っています。海外では、シンガポールに拠点を置く中外ファーマボディ・リサーチが革新的な抗体創製技術を駆使し新規抗体医薬品の創製に特化した研究を行っています。また、米国と欧州では、中外ファーマ・ユー・エス・エー、中外ファーマ・ヨーロッパが臨床開発活動を行っています。2015年の連結売上高は4,988億円、営業利益は907億円(Coreベース)でした。
中外製薬についての詳細はhttp://www.chugai-pharm.co.jp/をご覧ください。

ガルデルマ社について

ガルデルマ社はスイス・ローザンヌに本社を置く、皮膚科に特化した製薬企業です。創業は1981年、現在、100カ国で製品を提供しており、皮膚科領域において幅広いポートフォリオを所有しています。世界の医療従事者と協力し、人々の生涯を通じた皮膚の健康ニーズを満たすべく、皮膚、髪、爪のためのエビデンスに基づいた革新的なメディカルソリューションを提供する皮膚科領域のリーダーです。ガルデルマ社についての詳細はhttp://www.galderma.com/をご覧ください。

参考文献

  1. Dillon SR, Sprecher C, Hammond A, Bilsborough J, Rosenfeld-Franklin M, Presnell SR, Haugen HS, Maurer M, Harder B, Johnston J, Bort S, Mudri S, Kuijper JL, Bukowski T, Shea P, Dong DL, Dasovich M, Grant FJ, Lockwood L, Levin SD, LeCiel C, Waggie K, Day H, Topouzis S, Kramer J, Kuestner R, Chen Z, Foster D, Parrish-Novak J, Gross JA. Interleukin 31, a cytokine produced by activated T cells, induces dermatitis in mice. Nat Immunol 2004;5:752-60.
  2. Sonkoly E, Muller A, Lauerma AI, Pivarcsi A, Soto H, Kemeny L, Alenius H, Cieu-Nosjean MC, Meller S, Ricker J, Steinhoff M, Hoffmann TK, Ruzicka T, Zlotnik A, Homey B. IL-31: a new link between T cells and pruritus in atopic skin inflammation. J Allergy Clin Immunol 2006;117:411-7.
  3. Ko MJ, Peng YS, Chen HY, Hsu SP, Pai MF, Yang JY, et al. Interleukin-31 is associated with uremic pruritus in patients receiving hemodialysis. J Am Acad Dermatol 2014;71:1151-9.

本件に関するお問い合わせ先

中外製薬株式会社
広報IR部
メディアリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0881
Email: pr@chugai-pharm.co.jp

Galderma Pharma S.A.
Yvan Deurbroeck, Global Vice President Communications
Tel: +41-79-254-38-24
Email: yvan.deurbroeck@galderma.com

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