中外製薬

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各位

2012年06月11日

Avastinと化学療法の併用により治療困難な再発卵巣がん患者さんの
病勢進行のリスクを半減させることをロシュ社の試験で証明

Platinum製剤抵抗性の卵巣がん患者さんにおいてAvastinと化学療法の併用を検討した初めての第Ⅲ相臨床試験

【参考資料】

当参考資料は、F. ホフマン・ラ・ロシュが201262日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースを、戦略的アライアンスを締結している中外製薬が翻訳版として、報道関係者の皆様に提供させていただくものです。

従いまして、日本国内と状況が異なる場合があること、また、正式言語が英語であるため、表現や内容につきましては英文プレスリリースが優先されますことをご留意下さい。

英文プレスリリースは、下記URLよりご参照下さい。

http://www.roche.com/media/media_releases/med-cor-2012-06-02.htm

 

Avastinについて

・日本での効能・効果は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」、「扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、「手術不能又は再発乳癌」、販売名は「アバスチン®点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL」です。

・国内では胃がん、乳がん術後補助療法、グリオブラストーマを対象とした多国籍第相臨床試験に参加、また、グリオブラストーマ(再発例)を対象とした臨床試験を実施中です。

・卵巣がん、グリオブラストーマ(再発例)に対する開発要請を受けています。

2012年6月2日 バーゼル発

ロシュ社は本日、白金製剤を含む化学療法への抵抗性により病勢進行を来たした卵巣がん女性患者さんにAvastinbevacizumab)と標準的な化学療法(週1回投与のpaclitaxelまたはtopotecanまたはpegylated liposomal doxorubicin)の併用投与を評価した、第相臨床試験(AURELIA試験)の成績を発表しました。Avastinと化学療法の併用投与を受けた女性患者さんでは化学療法の単独投与を受けた患者さんに比べ、病勢進行のリスクが52%低下しました(ハザード比0.48p<0.001)。本試験の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS、病勢の進行がない女性患者さんの生存期間)は、統計学的に有意な延長が認められました。AURELIA試験における有害事象は、様々ながん腫で実施されたAvastinのこれまでの主要な臨床試験で認められたものと同様でした。


これらの成績は、シカゴで開催中の第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会において、61日(金)に行われた記者発表会の注目演題になりました。また、全ての試験成績はASCOの婦人科がん口演セッションにおいて、AURELIA試験の治験責任医師でHopitaux Universitaires, Paris Centre, Hôpital Hôtel-Dieu腫瘍内科学教授のEric Pujade-Lauraine博士により発表されました[抄録番号LBA500262日(土)午後3:30(米国中部夏時間)]。

 

最高医学責任者兼国際開発責任者のHal Barron博士は、「進行卵巣がん女性患者さんの多くは治療後に病勢が進行し、ほとんど全ての患者さんでいつかの段階には白金製剤ベースの化学療法に抵抗性を示すようになり、治療選択肢は極めて限られたものとなってしまいます」と述べるとともに、「本試験では、進行卵巣がん女性患者さんにAvastinと化学療法を併用することにより、がん進行のリスクが半減しました」と語っています。

 

201112月、GOG0218試験およびICON7試験の成績を基に、Avastinは進行卵巣がんの初回治療における使用について欧州で承認を取得しました。ロシュ社は、AURELIA試験の成績を規制当局と共有し適切な次のステップについて協議を行う予定です。

 

AURELIA試験の結果

・再発の白金製剤抵抗性卵巣がん女性患者さんにおいて、Avastinと化学療法(週1回投与のpaclitaxeltopotecanまたはpegylated liposomal doxorubicin)の併用投与を受けた際のPFS中央値は6.7カ月であったのに対し、化学療法の単独投与を受けた患者さんでは3.4カ月でした。

・加えて、Avastinと化学療法の併用投与を受けた患者さんでは化学療法の単独投与を受けた患者さんに比べ、腫瘍縮小率(奏効率、ORR)は統計学的に有意に高いものでした(30.9%12.6%p=0.001)。

 

AURELIA試験は、卵巣がん患者さんへのAvastinの投与を検討した(GOG0218試験、ICON7試験およびOCEANS試験に続く)4本目の第相臨床試験であり、Avastinと化学療法の併用投与を行うことで卵巣がん女性患者さんのPFSを統計学的に有意に延長することを示しています。

 

AURELIA試験について

AURELIA試験は、白金製剤抵抗性再発の上皮性卵巣がん、原発性腹膜がんまたは卵管がんの女性患者さん361例を対象とした、多施設共同無作為化オープンラベル二群比較の第相臨床試験です。AURELIA試験に参加した女性患者さんは、試験登録前に2レジメン以下の抗がん治療を受けていました。本試験では、Avastin10mg/kg2週間毎または15mg/kg3週間毎)と標準的な化学療法(週1回のpaclitaxelまたはtopotecanまたはpegylated liposomal doxorubicin)の併用投与と標準的な化学療法の単独投与を比較しています。

 

本試験は、Group d'Investigateurs Nationaux pour l'Etude des Cancers OvariensGINECO)と協働して立ち上げられ、国際ネットワークのGynecologic Cancer IntergroupGCIG)とpan-European Network of Gynaecological Oncological Trial GroupsENGOT)によって実施されました。本試験の主要評価項目はPFSでした。本試験の副次的評価項目には全生存期間、奏効率、QOL、安全性および忍容性が含まれています。

 

卵巣がんの治療の場合、白金製剤ベースの化学療法の最終投与から再発までの時間が、次の治療ラインで使用する化学療法の選択の際に考慮されます。白金製剤ベースの化学療法完遂後16カ月以内に病勢進行を認めた場合に「白金製剤抵抗性」、6カ月以降に病勢進行を認めた場合に「白金製剤感受性」と呼ばれています。

 

卵巣がんについて

卵巣がんは女性のがんとして8番目に多く診断され、世界中の女性のがん関連死の第7位となっています。年間では、世界中で推定23万人の女性が卵巣がんと診断され、約14万人が死亡しています1)。腫瘍を最大限除去する手術が治療の中心ですが、残念ながら大部分の患者さんが(がんがすでに増殖または転移した)進行がんと診断され、さらなる治療が必要となっています。

 

卵巣がんには、腫瘍の増殖と転移に関連する蛋白質、血管内皮増殖因子(VEGF)の濃度増加が伴っています。いくつかの試験では、卵巣がん女性患者さんにおいて、高濃度のVEGFと腹水(過剰な体腔液)の発現、疾患の増悪、および、予後不良との関連性が示されています。Avastinは、VEGFを特異的に標的とするよう設計されています。

 

Avastinについて:7年以上にわたりがん治療を変革

2004年に米国で進行性結腸・直腸がんに対して最初に承認されたAvastinは、進行がんの患者さんの治療に広く臨床で用いられる初めての血管新生阻害剤となりました。

 

今日でも、Avastinはいくつかのがん腫で証明された生存期間(全生存期間および/または無増悪生存期間)の延長を通じ、引き続きがん治療に変革をもたらしています。Avastinは、欧州では進行期の乳がん、大腸がん、非小細胞肺がん、腎がんおよび卵巣がん、米国では大腸がん、非小細胞肺がん、および腎がんの治療薬として承認されています。加えて、米国および他30カ国以上で、グリオブラストーマ(脳腫瘍の一つ)の患者さんの治療でもAvastinの投与が可能です。日本におけるAvastinの効能・効果は進行期の大腸がん、非小細胞肺がんおよび乳がんです。Avastinは、毎年合計250万人余りが死亡するこのように多くの進行がんの治療に臨床で用いることができる唯一の血管新生阻害剤です。

 

Avastinは、血管新生阻害剤を今日のがん治療の基本的な柱に位置付けさせ、これまでに100万人以上の患者さんがAvastinによる治療を受けてきました。現在、500を上回る臨床試験による広範な臨床プログラムにより、50以上のがん腫(大腸がん、乳がん、非小細胞肺がん、脳腫瘍、胃がん、卵巣がんなど)ならびに様々なステージ(進行期または早期がん)で、Avastinの有用性を検討しています。

 

Avastinについて:作用機序

腫瘍が一定の大きさ(2mm)以上に成長したり、身体の他の部分に拡散(転移)するためには、その腫瘍に対する個別の血液供給が必要です。腫瘍は、自らの増大に重要な役割を果たしている血管内皮増殖因子(VEGF)を放出することにより、血管新生と呼ばれる血液の供給経路を生成しています。Avastinは、継続的な腫瘍コントロールを目的として、VEGFを特異的に標的とし阻害するための抗体医薬品です。Avastinは、VEGFを特異的に阻害するという作用を有することから副作用への影響は限定的であり、広範な化学療法および他のがん治療との効果的な併用が可能となります。

 

ロシュ社について

ロシュ社は、スイスのバーゼルに本社を置く医薬品ならびに診断薬事業の双方に強みを持つ研究開発型の世界的ヘルスケア企業です。ロシュ社は、がん、ウイルス感染症、炎症、代謝ならびに中枢神経系領域において他社と一線を画した薬剤を保有する世界最大のバイオテクノロジー企業です。さらにロシュ社は、体外診断薬、がんの組織学的診断、糖尿病管理のパイオニアとして世界的リーダーとなっています。ロシュ社では、個別化医療戦略を駆使し、患者さんの健康、QOL、延命を明確に改善する薬剤や診断薬の提供を目指しています。2011年、ロシュ社は世界各国に80,000人以上の社員を擁し、研究開発費に約80億スイスフランを投資しています。ロシュ・グループの昨年の売上げは425億スイスフランでした。ジェネンテック社(米国)は、100%子会社としてロシュ・グループのメンバーとなっています。また、ロシュ社は中外製薬(日本)の株式の過半数を保有しています。さらに詳しい情報はwww.roche.comをご覧下さい。

 

本プレスリリースに使用された商標等はすべて法律で保護されています。

 

追加情報

Roche in Oncologywww.roche.com/media/media_backgrounder/media_oncology.htm

 

参考文献

1. WHO, IARC GLOBOCAN, Cancer Incidence and Mortality Worldwide in 2008

 

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