
免疫の病気食物アレルギーって
どんな病気?
助教 後町 法子 先生
からだには、外から入ってきたウイルスや細菌(さいきん)などの病原体を攻撃(こうげき)したり、からだの外に追い出したりするしくみがある。これを免疫(めんえき)という。
食物アレルギーは、食べ物を敵(てき)だとまちがえて追い出そうとする。特定の食べ物に過度に反応して、じんましんやしっしん、せき、くしゃみなどのアレルギー反応がおきる病気。食物レルギーを持つ子どもは年々多くなり、小学校では1クラスに1人か2人くらいいる。
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じんましん、皮ふが赤くはれる
まぶたのはれ、くちびるのはれ、鼻づまり・くしゃみ、せき・息が苦しい、じんましん、かゆみなど
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食物アレルギーが多い食品
エビ・カニ、果物(バナナ、キウイフルーツ)、たまご、牛乳(ぎゅうにゅう)、らっかせい、くるみ、小麦、そば
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食べ物を敵とまちがえる
特定の食べ物を食べたりさわったりすると敵とまちがえて攻撃してアレルギー反応がおきる。
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アナフィラキシーショックとは?
まちがってアレルギーのある食品を食べたり、さわったりすると強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)がおきることがある。ほおっておくと命にかかわる。
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アナフィラキシーショックへの対応
食物アレルギーをもつ人にアナフィラキシーショックがおきた時は、まず、先生や大人に知らせる。
アナフィラキシーに対するペン型のくすりを注射(ちゅうしゃ)すると一時的に症状(しょうじょう)を軽くすることができる。アナフィラキシーに対するペン型のくすり
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日常生活
食物アレルギーがあると、ほかの人と同じものが食べられない。食品を使う授業や校外学習に参加できないこともある。
おやつを交かんしたい気持ちはあっても、アレルギー反応がおきるかもしれないためできない。
食物アレルギーは好ききらいやわがままとはちがう。

アナフィラキシーショックってなに?
アナフィラキシーショックに対する知識とこころの準備をしておけば、いざというときにあわてずに対応できる。次のことを事前に調べておこう。
アナフィラキシーショックの症状
全身症状
ぐったりしている、意識がはっきりしない、おしっこやうんちをもらす、脈拍(みゃくはく)がわかりにくい・不規則になる、くちびるやつめが青白い
呼吸(こきゅう)の症状
のどや胸(むね)がしめつけられる、声がかすれる、犬がほえるようなせき、息がしにくい、とまらない強いせき、ぜーぜーするなど
おなかの症状
がまんできないおなかのいたみ、くり返しはき続ける
一時的に症状を軽くするための「ペン型のくすり」はどこにあるか
AED (電気ショックをおこして心ぞうを正常に動かす機器)はどこに設置されているか
どんな役わりが必要か?
安静にする姿勢(しせい)はどうすればよいか
安静を保つ姿勢
- ぐったりして意識がはっきりしない場合、血圧低下の可能性があるため、あお向けで足を15~30センチ高くする(1)
- はいたり、はきそうな場合、はいたものをのどにつまらせないように体と顔を横に向ける(2)
- 息が苦しくて、あお向けになれない場合、息を楽にするため、上半身をおこし後ろによりかからせる(3)

東京都 「食物アレルギー緊急時対応マニュアル」 を参考にして作成。