病気ってなんだろう?
みんなはどんな答えを見つけるのかな?考えてみよう!
「病気ってなんだろう?」には、算数のような正解がない。ふだんはあまり気にしない。でも、いろいろな人と話し合うことでほかの人の考えにヒントがかくれているかもしれない。自分で病気のことを調べたり、病気をもつ人の気持ちを想像したりすると、答えがみつかるかもしれないよ。
病気ってなんだろう。一言で説明するのはとてもむずかしいですね。でもそれを考えることがとても大事だと思います。自分が病気になったら、友だちが病気になったら、親や大事な人が病気になったら…。病気になってみて初めて分かることもたくさんあるけれど、病気になっていない人たちも病気のことを考えるために、病気について知ることが大事なのだと思います。全部を理解することなんて無理です。でも「知ろうとする」ことが、病気で苦しんでいる人たちとの心の距離(きょり)をちぢめてくれるのではないでしょうか。
みなさん、元気で過ごしていますか?こまっていることや、つらいことはありませんか?
おなかがいたくなったり、頭がいたくなったり、なんとなく体がだるくなったり、元気がなくなったりすることがありますよね。そんな時、みんなといっしょに遊びたい、いつものようにおいしい食事をしたい、このつらい状態から早く抜け出したいと思いますよね。
でも、元気な時には病気になることは考えられなくて、夜おそくまで起きたり、無理をしたりしてしまいますね。みなさんがいつも笑顔で元気に過ごすためには、どうすればいいと思いますか?
正しい生活リズムをしていても病気になることがあります。すぐに元気にもどれない病気もあります。自分がそういう病気になったら、どんなふうにしてほしいと思いますか?お友達がそういう病気になったら、どんなふうにすればいいと思いますか?
私は保健室の先生です。みなさんは、保健室に行ったことがありますか。保健室には、ケガをした人、おなかが痛い人、熱が出た人などがやってきます。けがや病気になると、からだがつらくなるだけでなく、心配や心細さで気持ちも弱ってしまいます。
保健室には、元気な人もたくさんやってきます。お友だちの付きそいで来る人、保健室で休んでいるお友だちを心配して来る人などです。弱っている時にお友だちがそばにいてくれると元気づけられますね。だから今度は自分がそうやってお友だちを元気づけたいと感じている人が多くいます。
けがや病気はできることなら避けたいことですが、「自分ができること」「人の助けになること」を考え行動するきっかけとなって、自分だけでなくみんなのことを考えられるようになるかもしれません。そうやって成長していくみなさんは、とてもすてきだと思います。
病気について考えたり、病気のお友だちの気持ちを想像したりしたように、学校でお友だちとうまく遊んだり、お話ができないお友だちの気持ちを想像してみよう。
学校には、いろいろなお友だちがいます。字が上手なお友だち、走るのが速いお友だち、運動が苦手なお友だち、わたしのように絵を描くことが苦手なお友だち。みんなそれぞれちがいます。なかには人と関わるのが苦手なお友だちだっています。
仲良くしようと話しかけたのにいやなことを言われたり、自分の思いが通らないと大声でおこったり泣いたりしているお友だちや場面を見たりしたことはありませんか。そのお友だちはどうしてそのような行動をしたのでしょうか。あなたをいやな気持ちにさせたいのかな?みんなのじゃまをしたいのかな?答えは・・ノー!です。その人はね、本当は楽しく仲良くしたいんだよ。でも自分の思った通りに話したり行動したりすることが、なぜだかあなたのようにはうまくできないのです。
厚い手ぶくろをはめて折り紙をしたらどうなるかな?想像してみてください。一生けんめい上手に折ろうとしても、手ぶくろがじゃまをして自分が思っているようにうまく折れませんよね。自分の気持ちと言葉や行動がつながらないとは、そんな感じです。
思っていることを言葉にできないと、とてもこまります。仲良くしたいのに仲良くできないと悲しいです。だから、おこったり泣いたりしてしまいます。でも、あなたにはおこったり泣いたりという行動は見えても、その人のこまりごとや悲しくなる理由は見えませんよね。
もしもあなたのまわりに、いつもいやなことを言ったり、大声でおこったり泣いたりする人がいたら、その時、その人が何にこまっているのか、どうしておこったり泣いたりしているのかを想像してみてください。そして、自分がその人のためにできることがないかを考えてほしいのです。
すぐに答えは見つからなくても、相手の気持ちを想像して考えること、そして行動してみることは、いろいろな人と仲良くなれるあなたのすてきな力になるはずです。