がん

監修:昭和大学医学部乳腺外科
特任教授 中村 清吾 先生

がんは、遺伝子(いでんし)が変異(変化)することで異常な細胞(さいぼう)が増える病気。

わたしたちのからだは約30兆個の細胞(生物をかたちづくる最小単位)からできている。細胞は、細胞の形や性質を決める設計図である遺伝子をコピーして、1つの細胞が2つになる。これを細胞分裂(ぶんれつ)という。

正常な細胞分裂

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    1. 細胞
    2. 遺伝子がコピーされる
    3. 正常な細胞が2つできる
    4. 細胞が大きくなる

何回も細胞分裂をすると、ときどき遺伝子のコピーミスがおこる。コピーミスでできた異常な細胞は、からだに備わっている免疫(めんえき)などで修復され、退治される。ところが、なんらかの理由で遺伝子のコピーミスの修復・退治ができないと、異常な細胞が生き残ってしまう。
つまり、がんは、コピーミスでできた異常な細胞がコピーを繰り返して増える病気。

がんのおこり方

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    1. 正常な細胞
    2. コピーミスで異常な細胞ができる
    3. 異常な細胞が増える
    4. 異常な細胞が増えてかたまりになる

がんの中には、ウイルスや細菌などの感染によっておこるものもある。

どんな病気があるの?

日本人の2人に1人ががんになると言われている。がんは、早く見つけて適切な治療(ちりょう)をすれば、これまでと変わらない生活を送ることができる。がんが多くみつかるからだの部分は、大腸(だいちょう)、胃(い)、肺(はい)、乳房(にゅうぼう)など。

  • 男性に多いがん 
    前立せんがん、胃がん、大腸がん、肺がん
  • 女性に多いがん 
    乳がん、大腸がん、肺がん、胃がん、子宮けいがん
  • 子どもに多いがん 
    白血病、脳腫瘍(のうしゅよう)、リンパ腫