遺伝子の病気血友病ってどんな病気?

監修:埼玉県立小児医療センター血液・腫瘍科
科長 康 勝好 先生

血液の中には、酸素を運ぶ赤血球、ウイルスや細菌(さいきん)をやっつける白血球、血を固める血小板や血液凝固因子(けつえきぎょうこいんし)などがある。血を止めるには、血小板が傷口(きずぐち)をふさいだ後に血液凝固因子がしっかりふたをすることが必要。
血友病は、出血した時に傷口にふたをする成分である血液凝固因子の一部が生まれつき少ないため、あざができやすく血が止まるのに時間がかかったり、いったん止まった後でまた出血したりする。

  • 血が止まるしくみ

    1. 血管がちぢんで、傷口を小さくする
    2. 血小板が傷口に集まって、あなをふさぐ
    3. 血液凝固因子が傷口にしっかりふたをする(完全に血を止める)
      このふたが「かさぶた」になる

    血友病の場合

    出血した時に傷口にふたをする成分である血液凝固因子の一部が少ないため、傷口にふたがされず、血が止まりにくい。

  • 全国の小学生のうち500人くらい

    男の子の赤ちゃん1万人に1人か2人といわれる。女の子はほとんどいない。

  • あざができやすい

    あざができやすく、血が止まるのに時間がかかる。

    ひじやひざ、足首などの関節で内出血がおこりやすい。

    転ぶととてもいたくて歩き方が不自然になる。

  • 頭の中の出血は一大事

    注意!

    頭の中の出血は命にかかわる。

    はき気、頭痛(ずつう)、けいれん、ぼーっとする。

  • 日常生活

    くすりで出血をコントロールしているため、ふだんの生活はほかの人と変わらない。

    ただし、はげしく転んだり、強くぶつけたりすると出血しやすく、血が止まりにくい。

    内出血は強い痛みがある。