感染症かぜってどんな病気?

監修:東邦大学医学部 微生物・感染症学講座
教授 舘田 一博 先生

かぜは、そのほとんどが、かぜのウイルスが鼻や口から入ってくしゃみや鼻水、のどのいたみなどをひきおこす感染症(かんせんしょう)。冬になると多くの人がかかる。ウイルスの種類によっては、夏に高熱やおなかをこわすなどの症状(しょうじょう)がある。

  • くしゃみや鼻水からはじまる

    くしゃみ、鼻水、のどのいたみ、せき、たん、発熱などの症状が1週間ほど続く。

  • 手についたウイルスから感染

    かぜのウイルスは200種類以上もある。あちこちに、いろんなウイルスが!

  • くすりでかぜは治せない

    かぜのくすりは鼻水やせきなどの症状を軽くするためのもので、かぜを治すくすりはない。
    かぜ症状が長引いたり、せきが止まらなかったりするときは、お医者さんにみてもらおう。
    ほとんどのかぜはウイルスによるもので、抗菌薬(こうきんやく)は効果がない。

  • 十分な栄養とすいみんで予防

    十分な栄養とすいみんでからだの抵抗(ていこう)力を高めて、かぜに負けないからだをつくろう!

  • 夏に流行するかぜ

    ヘルパンギーナ(左)、手足口病(中央)、プール熱(右)

  • 夏かぜの症状

    ヘルパンギーナ

    39℃前後の熱、のどの奥(おく)の赤い水ぶくれで食べられない。

    手足口病

    手、足、口に水ぶくれができる。口の中がいたくて食事ができない。

    プール熱

    39℃以上の熱、のどが赤くなり、はれて、いたみがある。目が赤くなる。

豆知識

新型コロナウイルス感染症はかぜの一種?

かぜをおこすウイルスはたくさんある。中でも、ライノウイルスとコロナウイルスが多い。新型コロナウイルス感染症の原因になる新型コロナウイルスとかぜをおこすコロナウイルスは、同じ名前でも中身は全くの別物。新型コロナウイルス感染症は、かぜよりも症状が重くなりやすく、入院したり命をおとしたりすることがあるこわい病気だから、マスクや消毒で感染を防ごう。

新型コロナウイルス感染症 かぜ インフルエンザ
原因 新型コロナウイルス ライノウイルスやコロナウイルスなど インフルエンザウイルス
主な症状 かぜに似た症状が続く、息切れ、息苦しさ、全身のだるさ(症状がでない場合もある) くしゃみ、鼻水、鼻づまり、37度台の発熱 38度以上の発熱、全身のだるさ、頭痛(ずつう)や筋肉痛(きんにくつう)、せき、のどの痛み
重症になると.. 呼吸(こきゅう)が苦しくなり入院して人工呼吸器が必要となる
重症になると入院することもある
重症になることは少ない 子どもはけいれんや意識がなくなる、高齢者では肺炎(はいえん)になる
重症になると入院することもある
予防接種 あり(12歳以上*) なし あり(生後6か月以上)

*2021年11月現在