中外製薬が経営の基本目標として標榜する「トップ製薬企業」では、定性目標の一つとして「各ステークホルダーに高い満足を提供し、積極的に支持される信頼性の高い会社」を掲げています。
今回、各界の有識者の方々からメッセージをいただきましたが、そのお言葉は非常にありがたく、中外製薬に対する期待・要望はますます高まっていることを実感しています。同時に、世界の医療と人々の健康に貢献するというミッションの実現にあたっては、さらなる革新・価値創造が必要だとも認識しています。
中外製薬に求められていることは、画期的な新薬の創出をはじめ、医療・製薬業界に対するリーダーシップの発揮や次世代の育成、地域との共生など多岐にわたりますが、端的に言えば「社会課題解決のパートナー」として期待されているということです。一層の革新に向けては、各ステークホルダーの方々と協働して社会に価値を提供していくことが重要です。
今後の経営環境を見通せば、少子高齢化、医療費抑制ニーズの増大、破壊的技術の登場などを背景に、極めて不透明、不確実な時代に突入します。こうした時代において、企業が特に重視すべきは、経営の「質的」側面と言えるでしょう。企業が発展していくためには、利益成長だけでは不十分で、そのプロセスと質が問われます。
中外製薬では、従前から「経済性」「社会性」「人間性」の総合評価によって企業価値がつくられるとの考えのもと、経営戦略の立案・推進を行ってきましたが、今後は、この3つを高い次元で融合させていくことを、より重視していきます。