中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2021年06月23日
エブリスディ、脊髄性筋萎縮症に対し承認を取得
- 乳児から成人にわたり有効性を示した、脊髄性筋萎縮症(SMA)に対し在宅での治療が可能な初の経口薬
- 乳児から成人にわたるI~III型のSMAに対する2本のポジティブなピボタル試験の成績に基づく承認
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、脊髄性筋萎縮症治療剤「エブリスディ®ドライシロップ60mg」(一般名:リスジプラム)について、「脊髄性筋萎縮症」を効能又は効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。エブリスディは、2019年3月に希少疾病用医薬品の指定を受けており、2020年10月に承認申請を行いました。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「脊髄性筋萎縮症に対する初の経口薬として、エブリスディが乳児から成人にわたり広く在宅治療の機会を提供できることを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「経口剤のため患者さんの投与負担軽減が期待される本剤を、脊髄性筋萎縮症に対する新たな治療選択肢として一日も早くお届けできるよう、発売に向けた準備を進めてまいります」と語っています。
今回の承認は、症候性のI型SMAの乳児を対象に実施されたFIREFISH試験、ならびにII型およびIII型SMAの小児および若年成人を対象に実施されたSUNFISH試験の成績に基づいています。
※添付文書の記載について
販売名:エブリスディ®ドライシロップ60 mg
一般名:リスジプラム
効能又は効果:脊髄性筋萎縮症
用法及び用量:通常、生後2カ月以上2歳未満の患者にはリスジプラムとして、0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与する。通常、2歳以上の患者にはリスジプラムとして、体重20kg未満では0.25mg/kgを、体重20kg以上では5mgを1日1回食後に経口投与する。
【参考情報】
リスジプラムが脊髄性筋萎縮症に対する希少疾病用医薬品に指定(2019年3月27日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190327150001_831.html
・SUNFISH試験
ロシュ社、2~25歳のII型またはIII型脊髄性筋萎縮症(SMA)において運動機能の改善・維持を示すEvrysdiTM(リスジプラム)の2年データを発表(2021年3月19日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210319170000_1091.html
・FIREFISH試験
Evrysdi(リスジプラム)、乳児のI型脊髄性筋萎縮症(SMA)において継続して運動機能および生存の改善・維持を示す(2021年4月21日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210421150000_1104.html
エブリスディについて
エブリスディは、SMN(survival motor neuron)タンパクの欠損につながる5番染色体の変異によって引き起こされる、SMAを治療するためにデザインされたSMN2スプライシング修飾剤です。SMNタンパクレベルを増加させ、維持することでSMAを治療するよう設計されています。SMNタンパクは全身に見られ、運動神経と運動機能の維持に重要です。2020年8月に米国で、2021年3月に欧州で承認を取得しています。
脊髄性筋萎縮症(SMA)について
SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します1。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患です2。乳児期から小児期に発症するSMAの患者数は10万人あたり1~2人です3。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です4。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
出典:
1 Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
2 Cure SMA. About SMA. 2018. Available from: http://www.curesma.org/sma/about-sma/. Accessed June 2021.
3 難病情報センター. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/. Accessed June 2021.
4 Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.
以上