2019年06月03日
アレセンサのJ-ALEX試験の無増悪生存期間の最終解析および全生存期間の第2回中間解析結果を米国臨床腫瘍学会で発表
- アレセンサはクリゾチニブに比べ、病勢進行または死亡リスクを63%減少させました
- アレセンサはクリゾチニブに比べ、無増悪生存期間(PFS)を延長することが長期のフォローアップでも再確認されました
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、ALK融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象に一次治療としてアレセンサ®とクリゾチニブを比較した国内第III相臨床試験(J-ALEX試験)のPFSの最終解析および全生存期間(OS)の第2回中間解析結果が、5月31日から6月4日に米国シカゴにて開催されている米国臨床腫瘍学会年次総会(The American Society of Clinical Oncology:ASCO)において、6月2日(現地時間)に発表されたことをお知らせいたします。
抄録番号:9092
Final PFS analysis and safety data from the phase III J-ALEX study of Alectinib (ALC) vs. Crizotinib (CRZ) in ALK-inhibitor naïve ALK-positive Non-Small Cell Lung Cancer (ALK+NSCLC)
上席執行役員 プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「J-ALEX試験においてアレセンサの長期投与により得られた知見は、ALK陽性のNSCLC患者さんの一次治療におけるアレセンサ投与の有用性を確固たるものとする証となります」と語っています。
J-ALEX試験は、中外製薬が実施したアレセンサとクリゾチニブの有効性および安全性を比較した第III相非盲検ランダム化比較試験です。J-ALEX試験には207名のALK阻害剤未投与で化学療法未施行もしくは化学療法が1レジメン施行されたALK融合遺伝子陽性の進行・再発非小細胞肺癌患者さんが登録されました。J-ALEX試験の主要評価項目は、独立効果判定委員会の判定によるPFS、副次評価項目はOS、脳転移が認められた患者さんでの脳転移病変増悪までの期間、および安全性等でした。
J-ALEX試験は、2016年2月に当初より計画されていた主要評価項目であるPFSの中間解析が行われ、その結果を独立データモニタリング委員会が検討し、アレセンサ投与群においてPFSの延長が統計学的有意に示されたため、独立データモニタリング委員会からJ-ALEX試験の早期有効中止が勧告されました[アレセンサ投与群:未到達(95%CI: 20.3~未到達)、クリゾチニブ投与群:10.2カ月(95%CI: 8.2~12.0)、HR=0.34(99.7%CI: 0.17~0.70、層別log-rank検定、p<0.0001)]。
J-ALEX試験の最新の成績は以下のとおりです。
- クリゾチニブ投与群に対しアレセンサ投与群では、病勢進行または死亡リスクが63%低下しました(層別HR=0.37、95%CI: 0.26~0.52)。アレセンサ投与群のPFS中央値は34.1カ月(95%CI: 22.1カ月~未到達)であり、クリゾチニブ投与群は10.2カ月(95%CI: 8.3~12.0カ月)でした(主要評価項目)。
- OSは、第2回中間解析ではアレセンサ投与群のクリゾチニブ投与群に対する優越性は結論づけられなかったため、引き続き生存調査が継続されます(層別HR=0.80、95%CI: 0.35~1.82)(副次評価項目)。
- アレセンサの安全性プロファイルは、これまでの試験で観察されたものと同様でした。
【参考情報】
アレセンサ®のJ-ALEX試験成績がThe Lancet電子版に掲載(2017年5月11日当社発表)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20170511113001_109.html
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
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