中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2019年03月15日

ROS1/TRK阻害剤「エヌトレクチニブ」のROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する製造販売承認申請について

  • 2018年12月に申請した「NTRK融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性固形がん」に続き、「ROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌」でも国内申請

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、「ROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌」を対象として開発中のROS1/TRK阻害剤エヌトレクチニブの製造販売承認申請を本日、厚生労働省に行いましたのでお知らせいたします。

 上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「エヌトレクチニブにより、先駆け審査指定制度のもと申請した非常に稀なNTRK融合遺伝子陽性の固形がんとともに、1~2%で発現するROS1融合遺伝子陽性の非小細胞がんに対する治療選択肢として承認取得を目指し、引き続き個別化医療の進展に貢献できるよう取り組んでまいります」と語っています。

 今回の承認申請は、オープンラベル多施設国際共同第II相臨床試験(STARTRK-2試験)および海外で実施した三つの第I相臨床試験(STARTRK-NG試験、STARTRK-1試験、ALKA-372-001試験)の統合解析結果に基づいています。有効性評価は、ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの患者さん53名を対象として行い、安全性評価はこれら四つの試験に登録された355名で行いました。

 オンコロジー領域の国内トップ企業である中外製薬は、新たな治療選択肢となるエヌトレクチニブを患者さんおよび医療従事者に早期に提供できるよう、承認取得に向けて取り組んでまいります。

【参考情報】

エヌトレクチニブについて
 エヌトレクチニブは、国内で「ROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌」、および「NTRK融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性固形がん」を対象として承認申請中の薬剤です。エヌトレクチニブは、ROS1(c-rosがん遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤であり、脳転移巣への作用も期待されています。エヌトレクチニブは、ROS1およびTRKキナーゼ活性を阻害することにより、ROS1またはNTRK融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制します。FDAは、NTRK融合遺伝子陽性の固形がん、およびROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんへのエヌトレクチニブの投与を、優先審査に指定しています。

ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんについて
 ROS1融合遺伝子は、何らかの原因によりROS1遺伝子と他の遺伝子(CD74など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です。ROS1融合遺伝子から作られるROS1融合キナーゼにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。ROS1融合遺伝子は、非小細胞肺がん患者さんの約1〜2%に認められ、その中でも腺がんでより多く発現しています。

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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