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2024年04月24日
- 経営・財務
2024年12月期第1四半期連結決算
- Core売上収益2,369億円(前年同期比△24.1%)、Core営業利益1,021億円(同△3.1%)、Core当期利益760億円(同△3.1%)
- 減収減益の主要因は前年のロナプリーブ政府納入完了
- ロナプリーブの一時的な影響を除くと増収の決算であり、基盤ビジネスは堅調
- 研究開発活動は、早期・後期開発ともに順調に進展
- 自社創製の5つ目のグローバル品と位置付けるピアスカイが中国と日本で発作性夜間ヘモグロビン尿症を対象に承認取得
- アレセンサはALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として米国FDAにより世界で初めて承認取得
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、2024年12月期第1四半期連結決算を発表しました。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「2024年第1四半期はロナプリーブの一時的な影響により前年同期比で減収減益でしたが、基盤ビジネスは堅調なスタートとなりました。国内では新製品のフェスゴ®やバビースモ®、主力品のエンスプリング®が伸長したものの、昨年の第1四半期をもって完了した新型コロナウイルス治療薬ロナプリーブ®の政府納入の影響が特に大きく、46.4%の減収でした。海外ではアクテムラ®が減少した一方で、ヘムライブラ®のロシュ向け輸出の大幅な増加により、増収でした。研究開発では、自社創製の5つ目のグローバル品であるピアスカイ®が中国、日本で承認を取得しました。現在、米国、欧州、台湾等でも承認に向けた審査が進んでいます。世界中の発作性夜間ヘモグロビン尿症の患者さんに利便性の向上をもたらす新たな選択肢を提供し、本疾患の治療に貢献していくことを目指します。さらに、アレセンサ®はALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として米国FDAより承認を取得しました。同適応症に対して承認されたALK阻害剤はほかになく、患者さんに新たな治療法をもたらすものです。同じく自社創製品であるネモリズマブについては、国内外導出先での開発が着実に進展しています。国内ではミチーガ®として6-12歳のお子様におけるアトピー性皮膚炎に伴うそう痒や、結節性痒疹に対して承認され、海外ではアトピー性皮膚炎と結節性痒疹に対して米欧の当局に申請が受理されています。引き続き、患者さんに新たな価値を提供するため、当社独自の革新的な医薬品開発を一層強く推進してまいります」と語っています。
<2024年12月期第1四半期業績概要>
2024年12月期第1四半期の業績(Coreベース)は、前年同期比で減収減益でした。
売上収益のうち、国内製商品売上高は46.4%の減収でした。オンコロジー領域は、アバスチン®等の成熟品が薬価改定や後発品の影響を受けたものの、新製品のフェスゴが伸長し、全体としての減少幅は6.5%にとどまりました。スペシャリティ領域は、新製品バビースモが伸長し、主力品エンスプリングが好調に推移した一方で、昨年第1四半期に812億円計上したロナプリーブの政府納入がなくなった影響が大きく、約65%の減収でした。海外製商品売上高は前年同期に比べて増加しました。ヘムライブラの輸出が約25%増加し、アクテムラの減少幅を上回りました。その他の売上収益は、主に一時金収入の増加により、約6割増と大幅な増加となりました。
製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により前年同期比で16.3ポイント改善し、35.5%でした。研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展等により増加し、販売費及び一般管理費は前年と同水準でした。その他の営業収益(費用)は2億円の収益となりました。これらの結果、Core営業利益は1,021億円(△3.1%)でした。
<研究開発の状況>
研究開発活動は、開発早期、後期とも順調に進展し、特に自社創製の開発品および主力品の価値最大化において順調な進捗がみられました。承認取得としては、5つ目の自社創製グローバル品となる抗補体C5リサイクリング抗体 ピアスカイが、希少な疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬として、中国において世界で初めて承認され、次いで日本において製造販売承認を取得しました。ピアスカイは、米国、欧州及び台湾を含む各国において承認に向けた審査が行われています。ピアスカイは、当社独自のリサイクリング抗体®技術を適用し承認された医薬品としては、エンスプリングに次いで2剤目です。同じく自社創製品の抗IL-31受容体A抗体 ミチーガ(一般名:ネモリズマブ)について、国内導出先のマルホ社が、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎に伴うそう痒の適応症を新たな年齢層(6歳以上13歳未満の小児)で取得し、加えて新たな適応症として既存治療で効果不十分な結節性痒疹に対する承認を取得しました。さらに自社創製品としてはアレセンサが、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法に対する承認を取得し、適応を拡大しました。また、導入品では眼科領域唯一のバイスペシフィック抗体 バビースモが、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の治療薬として適応拡大し、FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルでは、新たに3つの医薬品に対してコンパニオン診断の承認をそれぞれ取得しました。承認申請としては、ガルデルマ社が海外開発を進める自社創製品ネモリズマブについて、アトピー性皮膚炎および結節性痒疹に対して欧州および米国で承認申請が受理され、結節性痒疹については米国FDAから優先審査指定されました。導入品では、抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体 モスネツズマブについて、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に対して国内で製造販売承認申請したほか、エブリスディ®とテセントリク®もそれぞれ未発症の脊髄性筋萎縮症、胞巣状軟部肉腫に対して適応拡大の承認申請を行いました。加えて、心血管リスクの高い高血圧に対するRNAi治療薬zilebesiranをロシュから導入したほか、新たに補体B因子阻害薬 RG6299がIgA腎症を予定適応症として国内で臨床開発を開始しました。
【2024年12月期第1四半期実績】
(億円) | 2024年 第1四半期 | 2023年 第1四半期 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
連結損益(Core実績) | |||
売上収益 | 2,369 | 3,122 | △24.1% |
製商品売上高 | 2,045 | 2,915 | △29.8% |
その他の売上収益 | 325 | 207 | +57.0% |
営業利益 | 1,021 | 1,054 | △3.1% |
四半期利益 | 760 | 784 | △3.1% |
連結損益(IFRS実績) | |||
売上収益 | 2,369 | 3,122 | △24.1% |
営業利益 | 999 | 983 | +1.6% |
四半期利益 | 744 | 735 | +1.2% |
<製商品売上高の内訳>
(億円) | 2024年 第1四半期 | 2023年 第1四半期 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
製商品売上高 | 2,045 | 2,915 | △29.8% |
国内 | 1,032 | 1,927 | △46.4% |
オンコロジー領域 | 561 | 600 | △6.5% |
スペシャリティ領域 | 470 | 1,327 | △64.6% |
海外 | 1,013 | 988 | +2.5% |
<オンコロジー領域(国内) 売上上位5品目>
(億円) | 2024年 第1四半期 | 2023年 第1四半期 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
テセントリク | 145 | 151 | △4.0% |
アバスチン | 87 | 130 | △33.1% |
ポライビー | 74 | 72 | +2.8% |
アレセンサ | 66 | 66 | - |
パージェタ | 61 | 75 | △18.7% |
<スペシャリティ領域(国内) 売上上位5品目、およびロナプリーブ>
(億円) | 2024年 第1四半期 | 2023年 第1四半期 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
ヘムライブラ | 125 | 124 | +0.8% |
アクテムラ | 102 | 99 | +3.0% |
エンスプリング | 58 | 47 | +23.4% |
バビースモ | 40 | 30 | +33.3% |
エブリスディ | 34 | 30 | +13.3% |
ロナプリーブ* | - | 812 | △100.0% |
*ロナプリーブは薬価未収載です
【研究開発活動の進展】(2024年2月2日~2024年4月24日)
Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。