中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2024年02月01日

  • 経営・財務

2023年12月期連結決算および2024年12月期見通し

  • 2023年度Core売上収益1兆1,114億円(△4.8%)、Core営業利益4,507億円(△0.2%)、Core当期利益3,336億円(+5.0%)
  • 研究開発活動は、早期・後期開発ともに順調に進展。自社創製品では、独自の革新的な抗体エンジニアリング技術を適用した複数の抗体プロジェクトが臨床試験を開始。中分子はLUNA18の経口投与による血中移行の確認に加え、後続プロジェクトが充実。クロバリマブやアレセンサの後期開発も進展
  • 2023年度期末配当予定額は1株当たり40円、年間配当予定額は1株当たり80円
  • 2024年度業績見通しはCore売上収益1兆700億円(△3.7%)、Core営業利益4,600億円(+2.1%)

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、2023年12月期連結決算および2024年12月期見通しを発表しました。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「成長戦略『TOP I 2030』の3年目を迎えた2023年は、COVID-19に対する抗体カクテル療法ロナプリーブ®の政府納入減少の影響等で減収となったものの、前年に続き2年連続で売上収益1兆円超えを達成することができ、Core当期利益は増益となりました。国内では、11月にHER2陽性乳がんの標準治療薬であるパージェタ®とハーセプチン®の配合皮下注製剤のフェスゴ®を発売し、投与時間の短縮による患者さんの日常生活の改善に貢献しています。研究開発では、独自の革新的な抗体エンジニアリング技術を適用した複数の自社開発品が臨床開発段階に入り、早期開発段階の自社プロジェクトは10以上と非常に充実してきました。第3の創薬モダリティの柱として期待する中分子も、重要なコンセプトである経口投与による血中移行をLUNA18の臨床試験で確認したほか、後続のプロジェクトが豊富に続いています。後期開発では、クロバリマブの発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を対象とした日米欧同時申請を果たすなど、順調に進展しています。2024年もこれまでにない挑戦を続け、世界最高水準の創薬力でアンメットメディカルニーズに応えるべく、イノベーションを追求し、邁進してまいります」と語っています。

<2023年12月期Core業績>

 2023年12月期の売上収益は1兆1,114億円(△564億円、△4.8%)となり、2年連続で1兆円超えを達成しました。

 国内製商品売上高は、5,580億円(△967億円、△14.8%)でした。オンコロジー領域は、アバスチン®、ハーセプチン等の成熟品が後発品や薬価改定の影響を受けた一方、新製品の悪性リンパ腫治療薬ポライビー®の順調な市場浸透や主力品の免疫チェックポイント阻害剤テセントリク®の伸長が寄与し、前年同期並みとなりました。スペシャリティ領域は、新製品では眼科領域のバビースモ®、主力品では血友病治療薬のヘムライブラ®、神経疾患領域のエンスプリング®の伸長が寄与した一方、COVID-19治療薬ロナプリーブの政府納入が大幅に減少し、前年同期比で約25%の減収となりました。海外製商品売上高は、ヘムライブラおよびアレセンサ®の輸出が大幅に増加し、4,165億円(+319億円、+8.3%)でした。その他の売上収益は、ヘムライブラに関する収入の増加、一時金収入の増加を主因として1割弱の増収でした。なお、Non-Core事項を含むIFRSベースの売上収益は、前年に計上したアレクシオン ファーマスーティカルズ インコーポレーテッドとの和解契約締結による一時金収入が本年はなかったことにより、減少しています。

 製商品原価率は、為替がネガティブに影響した一方、製品別売上構成比の変化等により前年同期比で3.4%ポイント改善し、42.3%でした。研究開発費は中外ライフサイエンスパーク横浜の全面稼働を含む創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展により1,628億円(+13.3%)と増加し、販売費及び一般管理費は諸経費等を主因として増加しました。その他の営業収益(費用)は、製品譲渡に係る収益や有形固定資産の売却益等により、161億円の収益となりました。これらの結果、Core営業利益は前年同期並みの4,507億円(△10億円、△0.2%)、Core当期利益は法人所得税の減少及び金融収支等の改善により増加し、3,336億円(+159億円、+5.0%)となりました。

 こうした業績を反映し、当社の配当方針を踏まえ、期末配当金は1株当たり40円を予定しています。この結果、年間配当金は1株あたり80円、Core配当性向は5年平均で40.9%(単年度では39.5%)です。

<研究開発の状況>

 研究開発活動では、TOP I 2030の実現に向け、開発早期・後期とも順調な進捗がみられました。中長期の成長牽引を担う自社創製品の早期開発では、いずれも中外独自の抗体エンジニアリング技術を適用したALPS12とROSE12が固形がんを対象に、SAIL66がCLDN6陽性固形がんを対象に、それぞれ臨床開発段階に入りました。中分子では、1つめのプロジェクトであるLUNA18の経口投与による吸収(血中移行)が確認されるなど開発が進捗したことに加えて、臨床開発入り前の後続プロジェクト約30個が進行しています。後期開発では、クロバリマブがPNHを対象に、日米欧で同時に承認申請を果たしました。アレセンサは、ALK陽性非小細胞肺がんのアジュバント療法を対象としたグローバル第III相ALINA試験で再発・死亡リスクを大幅に低減させることを示し、国内(or日米欧)での適応拡大申請に繋がりました。ロシュ以外の第三者に導出した自社プロジェクトも順調に進捗しており、イーライリリー社による開発が進むorforglipronは2型糖尿病、肥満症それぞれの第II相試験で良好な結果が得られ、第III相試験が開始されました。ガルデルマ社によって海外での開発が進むネモリズマブはアトピー性皮膚炎及び結節性痒疹に対する第III相試験で主要評価項目を達成し、複数疾患でグローバルでの上市に向けて進捗しています。ロシュから導入した製品では、眼科領域のバビースモにおいて3つ目の対象疾患となる網膜静脈閉塞症(RVO)に対する承認申請を行いました。また、HER2陽性乳がんの標準治療として使用されてきたハーセプチンとパージェタを固定用量で配合した皮下注製剤のフェスゴが、HER2陽性の乳がんと大腸がんに対して承認・発売されました。さらに2023年には、オープンイノベーションにより創薬エンジンを一層加速させる体制として米国ボストンエリアにコーポレートベンチャーキャピタルであるChugai Venture Fund, LLC(中外ベンチャーファンド、CVF)を設立し、本年より投資に向け、本格的な活動を開始しました。

<2024年12月期業績見通し>

 2024年12月期は、Core売上収益1兆700億円(△414億円、△3.7%)、Core営業利益4,600億円(+93億円、+2.1%)、Core当期利益3,355億円(+19億円、+0.6%)と減収増益の見通しです。製商品売上高は、国内は減収の一方、海外は増収を見込み、全体として9,220億円(△525億円、△5.4%)の予想です。国内製商品売上高は、新製品のフェスゴ、バビースモや主力品の数量伸長の一方、ロナプリーブの政府納入による売上減に加え、薬価改定および後発品浸透の影響による売上高の減少等により、4,549億円(△1,031億円、△18.5%)と減収の見通しです。海外製商品売上高は、アクテムラ®の減少の一方、円安による増収影響を含むヘムライブラの大幅な伸長等により、4,671億円(+506億円、+12.1%)と増収を見込みます。その他の売上収益は、1,480億円(+111億円、+8.1%)の見通しです。ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入が、アクテムラに関する収入の減少の一方でヘムライブラに関する収入の増加により、1,344億円(+5.4%)と増加することに加え、一時金収入の増加を見込んでいます。

 年間配当予想額は1株当たり82円、予想Core配当性向は5年平均で40.2%(単年度では40.2%)です。

2023年12月期実績

(億円)2023年2022年前年同期比
連結損益(Core実績)
 売上収益 11,114 11,678 △4.8%
  製商品売上高 9,745 10,392 △6.2%
  その他の売上収益 1,369 1,286 +6.5%
 営業利益 4,507 4,517 △0.2%
 当期利益 3,336 3,177 +5.0%
連結損益(IFRS実績*)
 売上収益  11,114 12,597 △11.8%
 営業利益  4,392 5,333 △17.6%
 当期利益 3,255 3,744 △13.1%

*2022年IFRS実績には、アレクシオン ファーマスーティカルズ インコーポレーテッドとの間において締結した和解契約に関わる収入等907億円など、当社が管理する経常的業績(Coreベース)から除外している項目が含まれています

<製商品売上高の内訳>

(億円)2023年2022年前年同期比
製商品売上高9,74510,392△6.2%
 国内 5,580 6,547 14.8%
  オンコロジー領域 2,602 2,560 +1.6%
  スペシャリティ領域 2,978 3,986 25.3%
 海外 4,165 3,846 +8.3%

オンコロジー領域(国内) 売上上位5品目

(億円)2023年2022年前年同期比
 テセントリク 655 609 +7.6%
 アバスチン 498 675 26.2%
 ポライビー 355 155 +129.0%
 パージェタ 336 323 +4.0%
 アレセンサ 303 289 +4.8%

スペシャリティ領域(国内) 売上上位5品目

(億円)2023年2022年前年同期比
 ロナプリーブ* 812 2,037 60.1%
 ヘムライブラ 548 493 +11.2%
 アクテムラ 443 428 +3.5%
 エンスプリング 239 167 +43.1%
 バビースモ 153 64 +139.1%

*ロナプリーブは薬価未収載です

【2024年12月期通期業績予想】

(億円)2024年見通し2023年実績前年同期比
連結損益(Core)
 売上収益 10,700 11,114 3.7%
 営業利益 4,600 4,507 +2.1%
 当期利益 3,355 3,336 +0.6%

【研究開発活動の進展】(2023年10月25日~2024年2月1日)

2024 Q4 R&D Progress

Core実績について

 当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

 

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
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