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2023年10月24日

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テセントリク、化学療法とアバスチン、進展型小細胞肺がんを対象とした第III相試験において病勢進行または死亡リスクの低下を示す

  • 進展型小細胞肺がんに対する一次治療として、統計学的に有意な無増悪生存期間の延長を示す
  • 第III相BEAT-SC試験は、進展型小細胞肺がんを対象として標準治療の一つであるテセントリク+化学療法にアバスチンの併用を検討

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、進展型小細胞肺がんに対する一次治療として、テセントリク®(一般名:アテゾリズマブ)とアバスチン®(一般名:ベバシズマブ)およびプラチナ製剤を含む化学療法の併用を評価した第III相BEAT-SC試験において、主要評価項目である無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)の延長を達成したことをお知らせいたします。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「治療困難な進展型小細胞肺がんにおいて、テセントリク、化学療法とアバスチンの併用療法が無増悪生存期間の改善を示したことを、大変嬉しく思います。患者さんへの新たな価値の提供を目指し、引き続き検討を進めてまいります」と語っています。

 テセントリクとアバスチンおよび化学療法の併用が、テセントリクおよび化学療法の併用と比較し、統計学的に有意な病勢進行または死亡リスクの低下(PFSの改善)を示しました。副次的評価項目の一つである全生存期間は今回の中間解析では統計学的に有意な延長を示しませんでした。予め規定された今後の解析まで試験を継続する予定です。またテセントリクとアバスチンおよび化学療法の併用は忍容であり、本併用の安全性プロファイルはこれまでに各薬剤で認められているものと同様でした。BEAT-SC試験の成績は、今後の医学系学会で発表される予定です。

小細胞肺がんについて
 小細胞肺がんは、腫瘍の増殖能が高く、早期に広範な転移が生じるなど進行が早いことを特徴としています。そのため、患者さんの3分の2では、がんがすでに体の他の部位に転移している進展型小細胞肺がんと診断されます1

 小細胞肺がんは全肺がんの約10~15%2を占め、国内の罹患数は、約20,000人3と推定されます。

 進展型小細胞肺がんにおいて、テセントリクは予後の改善を示した最初のがん免疫療法であり、国内では17年ぶりに承認された治療選択肢です。

BEAT-SC試験について
 BEAT-SC試験は、進展型小細胞肺がん患者さん330人を対象に、一次治療としてテセントリク(アテゾリズマブ)とアバスチン(ベバシズマブ)、および化学療法の併用と、テセントリクおよび化学療法の併用とを比較したランダム化プラセボ対照二重盲検国際多施設共同第III相臨床試験です。主要評価項目は、無増悪生存期間です。副次的評価項目には、全生存期間、全奏効率および安全性が含まれています。実施国は、日本及び中国です。

テセントリクとアバスチンの併用について
 テセントリクとアバスチンの併用により、様々なタイプのがんに対するがん免疫能を向上させる可能性があります。アバスチンの抗VEGF阻害作用は、既知の抗血管新生作用4に加え、免疫調節作用に関連しています5-7。またアバスチンにより、免疫抑制的な腫瘍微小環境が改善される可能性があります8。テセントリクによるT細胞を介したがん細胞への効果は、VEGFによる免疫抑制に対しアバスチンを併用することにより強化される可能性があります9-17

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典

  1. ASCO Cancer.net. Lung Cancer – Small Cell (View all). Available from: https://www.cancer.net/cancer-types/33776/view-all. Accessed September 2023.
  2. Govindan R, Page N, Morgensztern D, Read W, Tierney R, Vlahiotis A, et al. Changing epidemiology of small cell lung cancer in the United States over the last 30 years: analysis of the surveillance, epidemiologic, and end results database. J Clin Oncol 2006;24(28):4539-44.
  3. 日本臨床腫瘍学会/編 新臨床腫瘍学 改訂第5版:(南江堂)
  4. Ferrara N, et al. Nat Rev Drug Discov, 2004; 3(5): 391-400.
  5. Hegde PS. et al.: Semin Cancer Biol 2018; 52 (Pt 2): 117-124.
  6. Gabrilovich DI. et al.: Nat Med 1996; 2(10):1096-1103.
  7. Oyama T. et al.: J Immunol 1998; 160(3): 1224-1232.
  8. Huang Y, et al.: Cancer Res. 2013 May 15;73(10):2943-8.
  9. Goel S. et al.: Physiol Rev 2011; 91(3): 1071-1121.
  10. Motz GT. et al.: Nat Med 2014; 20(6): 607-615.
  11. Hodi FS. et al.: Cancer Immunol Res 2014; 2(7): 632-642.
  12. Wallin JJ. et al.: Nat Commun 2016; 7: 12624.
  13. Zitvogel L, et al. Immunity, 2013; 39(1): 74-88.
  14. Gabrilovich DI., Nagaraj S.: Nat Rev Immunol 2009; 9(3): 162-174.
  15. Roland CL. et al.: PLoS One 2009; 4(11): e7669.
  16. Facciabene A. et al.: Nature 2011; 475(7355): 226-230.
  17. Voron T. et al.: J Exp Med 2015; 212(2): 139-148.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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