中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2023年05月26日
- 研究開発
FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル、ノバルティス社のMET阻害剤カプマチニブのMET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するコンパニオン診断として承認を取得
- リキッドバイオプシー検査によるカプマチニブの切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんにおけるコンパニオン診断として承認を取得
- カプマチニブの適応判定に関し、組織検体を用いたFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルに加え、血液検体を用いたがんゲノムプロファイリング検査(CGP検査)の選択が可能に
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、FoundationOne® Liquid CDx がんゲノムプロファイルについて、ノバルティス ファーマ株式会社(ノバルティス社)の抗悪性腫瘍剤/MET阻害剤「タブレクタ®」(一般名:カプマチニブ塩酸塩水和物)のMET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するコンパニオン診断として、5月25日に厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。本承認により、FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルとともに、組織または血液検体を用いた2つの包括的ゲノムプロファイリング検査によりカプマチニブの適応判定が可能となります。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は「この度、既に承認されている組織検体によるFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルに加えて、血液検体によるFoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルが、カプマチニブの切除不能な進行・再発NSCLCに対するコンパニオン診断として承認されたことを嬉しく思います」と述べるとともに、「NSCLC患者さんでは組織検体の確保が課題となることがあります。採血で検体採取が可能な検査は、患者さんの治療を検討する上で非常に重要な選択肢となります。引き続き、多くのバイオファーマパートナーとともに、個別化医療の高度化の実現に向けて取り組んでまいります」と語っています。
今回の承認は、FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルによりMET遺伝子エクソン14スキッピング変異を検出することで、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発のNSCLCに対するカプマチニブの使用について、適応判定の補助を可能にすることを目的としています。カプマチニブのMET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性進行・再発NSCLCにおける有効性・安全性は、第II相国際共同治験であるGEOMETRY mono-1試験にて検討され、2020年6月にノバルティス社が厚生労働省より承認を取得し、販売を行っています。
オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、包括的ゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんに貢献できるよう取り組んでまいります。
製品情報 下線部分が追加されました。
使用目的又は効果
- 本品は、固形がん患者を対象とし、全血検体を用いて腫瘍の包括的なゲノムプロファイルを取得する。
- 本品は、下表の医薬品の適応判定の補助を目的として、対応する遺伝子変異等を検出する。
遺伝子変異等 | がん種 | 関連する医薬品 |
活性型EGFR遺伝子変異 | 非小細胞肺癌 | アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩 |
EGFRエクソン20 T790M変異 | オシメルチニブメシル酸塩 | |
ALK融合遺伝子 | アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ | |
ROS1融合遺伝子 | エヌトレクチニブ | |
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異 | カプマチニブ塩酸塩水和物 | |
NTRK1/2/3融合遺伝子 | 固形癌 | エヌトレクチニブ |
BRCA1/2遺伝子変異 | 前立腺癌 | オラパリブ |
FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルは米国・ケンブリッジに拠点を置くファウンデーションメディシン社(FMI)が開発した次世代シークエンサーを用いた血液検体による包括的ながん関連遺伝子解析システムです。進行固形がんの患者さんを対象とし、血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA: circulating tumor DNA)を用いることで、324のがん関連遺伝子を解析します。遺伝子のshort variantsにおける変異等(塩基置換、挿入/欠失、再編成)を検出可能で、がん関連遺伝子に対するゲノムプロファイリング機能、および複数の分子標的薬のコンパニオン診断機能を有する医療機器プログラムとして、厚生労働省より承認されています(コンパニオン診断機能を有する医薬品については、上記「使用目的又は効果」の項目内の表を参照)。FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルの最新の情報については、電子化された添付文書をご確認ください。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
本件に関するお問い合わせ先:
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- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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