• FDAはガルデルマ社が開発中のネモリズマブの結節性痒疹に伴うそう痒に対し、画期的治療薬に指定
• 結節性痒疹は、強い痒みをともなう丘疹が皮膚にできる稀な疾患
• 中外製薬が創製した医薬品として、5品目・8回目の指定

　中外製薬株式会社（本社：東京、代表取締役社長 CEO：小坂 達朗）は、中外製薬が創製した抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体ネモリズマブについて、米国食品医薬品局（Food and Drug Administration：FDA）が結節性痒疹に伴うそう痒に対する画期的治療薬（Breakthrough Therapy）に指定したことをお知らせいたします。ネモリズマブの日本、台湾を除く全世界における開発・販売については、皮膚科領域の世界的リーダーであるガルデルマ社（本社：スイス ローザンヌ市 CEO：フレミング・オルンスコフ）とライセンス契約を締結しており、今回の指定はガルデルマ社が取得しました。

　結節性痒疹は、硬いドーム状又は疣状の結節を有し、強い痒みをともなう慢性的な皮膚疾患です。発生頻度は稀であるものの、患者さんの日常生活に支障をきたすおそれがあります。^{1, 2, 3)}ガルデルマ社は、結節性痒疹に対するネモリズマブの安全性および有効性を検討する第II相臨床試験を実施し、結果は第28回欧州皮膚科性病科学会総会（EADV 2019）で発表されています。

　上席執行役員 研究、トランスレーショナルリサーチ統括の岡部 尚文は、「ネモリズマブは中外製薬独自の抗体技術であるACT-Igを用いて創製された、IL-31レセプターAを標的とするファーストインクラスの新薬候補品です。このたび、ガルデルマ社が実施した海外第II相臨床試験に基づき、中外製薬の創製品として、5品目・8回目となる画期的治療薬指定がなされたことを嬉しく思います」と述べるとともに、「結節性痒疹は患者さんの生活の質に大きく影響する症状を伴う一方、治療選択肢は限られています。ネモリズマブを新しい治療選択肢として患者さんにお届けできるよう、ガルデルマ社の皮膚科領域における深い専門性に期待しています」と語っています。

　ガルデルマ社は、2020年に成人の結節性痒疹を対象とするネモリズマブの第III相臨床試験を開始する予定です。今回の画期的治療薬指定に関するガルデルマ社のプレスリリースは、以下のURLよりご覧ください。

• Galderma Investigational Therapy, Nemolizumab, Granted FDA Breakthrough Therapy Designation for the Treatment of Patients Suffering from Prurigo Nodularis（2019年12月9日発表。英文のみ）
  https://www.galderma.com/news/galderma-investigational-therapy-nemolizumab-granted-fda-breakthrough-therapy-designation

【参考情報】
中外製薬、ガルデルマ社皮膚疾患領域の新規生物学的製剤nemolizumab（CIM331）のライセンス契約締結に関するお知らせ（2016年7月21日プレスリリース）
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20160721083000_170.html

以上

出典
1: Prurigo Nodularis. American Osteopathic College of Dermatology. http://www.aocd.org/page/PrurigoNodularis（アクセス日：2019年12月）
2: Prak AH and De la Rosa KM. Prurigo Nodularis. Medscape Reference. https://emedicine.medscape.com/article/1088032-overview （アクセス日：2019年12月）
3: Watsky K. Prurigo nodularis. UpToDate. https://www.uptodate.com/contents/prurigo-nodularis（アクセス日：2019年12月）