2017年08月25日
アクテムラ®、指定難病の高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に対する
効能・効果追加の承認を取得
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:永山 治)は、本日、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体アクテムラ®皮下注162mgシリンジ、同オートインジェクター(以下「アクテムラ」)に関して、既存治療で効果不十分な高安動脈炎と巨細胞性動脈炎に対する効能・効果追加の承認を厚生労働省から取得しましたのでお知らせいたします。
今回の承認は、高安動脈炎の患者さんを対象とした国内第III相臨床試験(MRA632JP試験)および巨細胞性動脈炎の患者さんを対象とし、ロシュ社主導のもと実施された海外第III相臨床試験(WA28119:GiACTA試験)の成績に基づいています。
高安動脈炎と巨細胞性動脈炎からなる大型血管炎は、血管の炎症により動脈狭窄、動脈瘤などが発現し、病変部位によっては脳梗塞、弁閉鎖不全症、腎機能低下などの重篤な臓器障害をきたすことが知られています。高安動脈炎と巨細胞性動脈炎は、ともに国の難病に指定されています。国内の患者数は7千人ほどと推定されており、アクテムラは大型血管炎に対する治療薬として2014年6月に厚生労働省より「希少疾病用医薬品」の指定を受けています。
上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメントユニット長の伊東 康は、「医療上の必要性が高いにも関わらず、本邦では希少疾病に対する医薬品の研究開発が十分に進んでいない状況の中、アクテムラの新たな適応症として、既存治療で効果不十分な高安動脈炎と巨細胞性動脈炎への効能・効果追加が認められたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「2005年に希少疾病であるキャッスルマン病への治療薬として誕生した当社創製のアクテムラが、高安動脈炎と巨細胞性動脈炎の患者さんの治療にも貢献していくことを期待しています」と語っています。
なお、GiACTA試験の成績は、2017年7月27日付でThe New England Journal of Medicine電子版に掲載されています。http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1613849
【効能・効果】*下線部が今回の承認に伴う変更点
◯既存治療で効果不十分な下記疾患
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
高安動脈炎、巨細胞性動脈炎
【用法・用量】
◯関節リウマチ
通常、成人には、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回162mgを2週間隔で皮下注射する。なお、効果不十分な場合には、1 週間まで投与間隔を短縮できる。
◯高安動脈炎、巨細胞性動脈炎
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回162mgを1週間隔で皮下注射する。
以上
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