活動レポート
砂の中の有孔虫を見つけよう

2023年11月18日、一般社団法人サイエンスナビゲートの相川弘二先生が講師を務める実験教室を開催しました。対象は小学校5年生~中学生で、さまざまな海岸から採取した砂の中から有孔虫という生物の殻を見つけて、観察を通して種類や生態、また、それらから分かる地球の環境変化のことを学びました。
有孔虫を理解する
「有孔虫」を初めて聞く参加者も多いことから、まずはどんな生き物なのか、画像も交えて説明を受けました。有孔虫は海に住む0.1~1mm位の小さな生き物で、硬い殻に覆われているのが特徴です。「星の砂」や「太陽の砂」もこれら有孔虫の殻の一つで、お土産として売られているものもあります。有孔虫は水温や環境の変化により生息する種類が変わります。そのため、いろいろな地層からどの種類の有孔虫が生息していたのかを観察するとその当時の環境をうかがい知ることができるため「指標生物」としても利用されています。講師はモニターにさまざまな有孔虫を映しながら解説し、子供たちは熱心に話に耳を傾けました。
有孔虫の観察
今回は、神奈川県内の海岸や西表島、更に南極海底や水深3,000mから採取された9種類の砂が用意され、そこから有孔虫を探して砂粒と分ける作業を行いました。双眼実体顕微鏡(そうがんじったいけんびきょう)でみると、砂粒に交じって特徴的な形をした有孔虫の殻を見つけることができ、それを穂先に水を含ませた筆で拾いとる作業を行いました。「星の砂」、「太陽の砂」のほか、渦巻き状、ひょうたん型などさまざまな形の有孔虫の殻を探し出し、形や模様などに注目してスケッチしました。講師に有孔虫の名前をたずねたり、モニターに映し出された種類と同じものを見つけて歓声を上げる参加者もいました。
講座を終えて
今回、はじめて有孔虫という生き物を知った参加者も多くいらっしゃいましたが、この実験教室を通して、海の砂も注意深く観察することで、新しい「発見」があることを実体験できたようです。有孔虫への興味も広がり、星の砂の学名などにも興味を示した参加者もいました。
