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2023年12月11日

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ヘムライブラ、新たなデータにより重症血友病Aの乳児に対する早期予防投与のベネフィットを確認

  • ASH 2023で発表された第III相HAVEN 7試験の主要解析データより、出生直後からのヘムライブラ皮下投与による良好な有効性および安全性プロファイルを補完1
  • 記述的な単群試験である本試験における約2年間(中央値)の追跡調査で、治療を要する自然出血が認められた乳児はゼロ、治療を要した出血はすべて外傷性1
  • 得られた安全性データはこれまでのヘムライブラの試験と同様であり、新たな安全性シグナルを認めず1
  • HAVEN 7試験は、血友病Aの乳児における予防投与に対するさらなるエビデンス創出のために、血友病Aコミュニティと協働して実施

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、未治療又は治療歴の短い血液凝固第VIII因子に対するインヒビター非保有の重症血友病Aの乳児を対象とした第III相HAVEN 7試験の主要解析において、へムライブラ®(一般名:エミシズマブ)の有効性および安全性が裏付けられたことを発表いたしました。生後12カ月までの乳児において、ヘムライブラは臨床的意義のある出血コントロールを達成し、忍容性は良好でした1。この新しいデータは、2023年12月9~12日にカリフォルニア州サンディエゴで開催中の第65回米国血液学会(ASH:American Society of Hematology)年次総会で発表され、プレスプログラムにも採択されました。

 中外製薬 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「重症血友病Aに対する出血抑制を目的とした治療において、静脈内投与が困難な乳児に対し、皮下投与可能なヘムライブラは治療負担を軽減する選択肢となります。今回の試験では、乳児に対して初めて、ヘムライブラが有効な出血コントロールを示しました。これは、これまでに実施された臨床試験において示された幅広い年齢層におけるデータを補完し、ヘムライブラによる乳児における出血抑制を目的とした治療をより早期に開始することを支持するものです。本剤を必要とする方々により安心してお使いいただけるよう、長期データの収集をはじめ、引き続きエビデンスの構築に努めてまいります」と語っています。

 重症血友病Aによる乳児とその保護者や介護者への負担は大きなものです。複数の臨床試験により、早期からの出血抑制を目的とする治療が、長期にわたり転帰を改善し、かつ頭蓋内出血のリスクを低下させることが示されていることから、世界血友病連盟(WFH:World Federation of Hemophilia)の治療ガイドラインでは、定期的な出血抑制を目的とする治療を低年齢で開始することが血友病の標準治療とされています2-4が、多くの血友病Aの乳児では、生後1年までは出血抑制を目的とする治療が開始されていません5-8。既に乳児に対しても承認、使用されているヘムライブラは、出生時から皮下投与が可能であり、維持投与においては複数の様々な投与間隔レジメンにより柔軟な治療選択が可能です9

 HAVEN 7試験は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有しない重症血友病Aの乳児を対象に、へムライブラの有効性、安全性、薬物動態および薬力学を評価する記述的な第III相単群試験であり、血友病Aコミュニティと協働して実施されました。55名のデータを含む本解析結果において、追跡調査101.9週間(中央値)の時点で、治療を要する出血が認められなかった被験者の割合は54.5%(30名)、治療の要否にかかわらずすべての出血が認められなかった被験者の割合は16.4%(9名)でした。いずれの被験者でも治療を要する自然出血は認められず、治療を要した出血はすべて外傷性でした。46名(83.6%)で合計207件の出血が認められ、そのうち87.9%が外傷性でした。治療を要する出血のモデルに基づく年間出血率(ABR:annualized bleeding rate)は0.4(95%信頼区間:0.30~0.63)でした。新たな安全性シグナルは認められず、本剤と関連のある重篤な有害事象、頭蓋内出血または死亡は報告されませんでした。血液凝固第VIII因子インヒビター陽性となった被験者は3.6%(2名)であり、これはヘムライブラの投与により第VIII因子製剤の使用が少なかったことが理由と推察されました。また、抗薬物抗体陽性となった被験者はいませんでした1。本結果は、中間解析およびこれまでに実施された第III相HAVEN試験群の肯定的な結果と一致していました10-14

 ASHでは、HAVEN 7試験におけるバイオマーカーの追加研究の結果も発表され、本試験の有効性に関する主要解析を支持するものでした。この追加研究により、乳児におけるヘムライブラの薬力学プロファイルは、これまでに、より年長の小児および成人の血友病Aで観察されたものと同様であることが示されました。この年齢層においてはヘムライブラが結合する凝固因子の存在量が少ないものの、ヘムライブラが想定される薬力学的反応を示すことが明らかになりました15

 HAVEN 7試験の結果は、より広範に実施されたピボタルなHAVEN試験群から得られたデータを補完し、乳児における血友病A治療の進展、および出生時から予防投与を開始することの影響に関する洞察を提供するものです。主要解析後には7年間の追跡調査期間が設けられています1

ヘムライブラについて
 ヘムライブラは、当社独自の抗体エンジニアリング技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体です。本剤は活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替します16,17。本剤は、2017年11月に米国食品医薬品局(FDA)より血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)における予防投与療法に対し世界で初めて承認されました。現在、インヒビター保有・非保有の先天性血友病Aに対して、あわせて世界115カ国以上で承認されています。本邦では、インヒビター保有の先天性血友病Aに対して2018年3月に承認され、その後、インヒビター非保有の先天性血友病A、後天性血友病Aに対しても適応が拡大されています。

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Pipe S, et al. Emicizumab Prophylaxis for the Treatment of Infants with Severe Hemophilia A without Factor VIII Inhibitors: Results from the Primary Analysis of the HAVEN 7 Study. Presented at American Society of Hematology (ASH) congress; 2023 December 10. Abstract 505.
  2. Srivastava A, et al. WFH guidelines for the management of hemophilia, 3rd edition. Haemophilia. 2020;26 (Suppl 6): 1-158.
  3. Manco-Johnson MJ, et al. Prophylaxis versus episodic treatment to prevent joint disease in boys with severe hemophilia. New England Journal of Medicine. 2007;357(6):535–544.
  4. Andersson NG, et al. Intracranial haemorrhage in children and adolescents with severe haemophilia A or B – the impact of prophylactic treatment. British Journal of Haematology. 2017;179(2):298–307; 4.
  5. Spagrud LJ, et al. Pain, distress, and adult-child interaction during venipuncture in pediatric oncology: an examination of three types of venous access. Journal of Pain and Symptom Management. 2008;36:173–84.
  6. Van den Berg HM, et al. Timing of inhibitor development in more than 1000 previously untreated patients with severe hemophilia A. Blood 2019;134:317–320.
  7. Valentino LA & Kapoor M. Central venous access devices in patients with hemophilia. Expert Rev Med Devices 2005;2:699–711.
  8. Mancuso M, et al. Prophylaxis in children with haemophilia in an evolving treatment landscape. Haemophilia. 2021;27:889–896.
  9. Hemlibra SmPC [Internet; cited 2023 December] Available from: https://www.medicines.org.uk/emc/product/9043/smpc
  10. Pipe S, et al. Emicizumab Prophylaxis for the Treatment of Infants with Severe Hemophilia A without Factor VIII Inhibitors: Results from the Interim Analysis of the HAVEN 7 Study. Presented at American Society of Hematology (ASH) virtual congress; 2022 December 10. Abstract 187.
  11. Mancuso ME, et al. Emicizumab Prophylaxis in Adolescent/Adult Patients with Hemophilia A Previously Receiving Episodic or Prophylactic Bypassing Agent Treatment: Updated Analyses from the HAVEN 1 Study. Blood. 2017;130 (Supplement 1):1071.
  12. Young G, et al. Emicizumab prophylaxis provides flexible and effective bleed control in children with hemophilia A with inhibitors: results from the HAVEN 2 study. Blood. 2018;132 (Supplement 1):632.
  13. Mahlangu J, et al. Emicizumab Prophylaxis in Patients Who Have Hemophilia A without Inhibitors. N Engl J Med. 2018;379:811-822.
  14. Pipe S, et al. Efficacy, safety, and pharmacokinetics of emicizumab prophylaxis given every 4 weeks in people with haemophilia A (HAVEN 4): a multicentre, open-label, non-randomised phase 3 study. The Lancet Haematology.2019 Jun;6(6):e295-e305. doi: 10.1016/S2352-3026(19)30054-7.
  15. Pipe S, et al. Pharmacodynamic Biomarkers in Infants with Hemophilia A Receiving Emicizumab in HAVEN 7. Presented at American Society of Hematology (ASH) congress; 2023 December 09. Abstract P1238.
  16. Kitazawa, et al. Nature Medicine 2012; 18(10): 1570
  17. Sampei, et al. PLoS ONE 2013; 8(2): e57479

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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