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2023年10月02日
- 医薬品
- 研究開発
エンスプリング、台湾で最初に承認された視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬として発売
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、当社の100%子会社である台湾中外製薬股份有限公司(本社:台北市、董事長:岡本 崇)が、当社創製のエンスプリング®について台湾で最初に承認された「成人および12歳以上の青年期の抗アクアポリン4(AQP4)抗体陽性視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD:Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder)」を効能・効果として、10月1日に発売したことをお知らせいたします。なお、エンスプリングは2022年9月14日に衛生福利部(MoHW:Ministry of Health and Welfare)により希少疾病用医薬品に指定され、2023年7月28日に台湾衛生福利部食品薬物管理署(TFDA:Taiwan Food and Drug Administration)より希少疾病用医薬品の承認を受けています。
【参考情報】
エンスプリング、視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬として台湾で初めて承認を取得(2020年12月9日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20201209170000_1045.html
エンスプリングについて
エンスプリングは中外製薬が創製した、pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体で、当社独自のリサイクリング抗体技術を適用した初めての薬剤です。視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD:Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder)の主な原因であるサイトカインのIL-6のシグナルを阻害することで、NMOSDの再発の抑制が期待されます。エンスプリングは視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)に対し、日米欧を含む85カ国以上で承認されています。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)について
NMOSDは、視神経と脊髄の炎症性病変を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患であり、永続的な神経障害により、生涯にわたって著しい生活の質の低下が生じます。NMOSDの患者さんは、症状を繰り返す再発経過をたどることが多く、神経の損傷や障害が蓄積されます。症状として、視覚障害、運動機能障害や生活の質の低下を伴う疼痛などが現れます。症状の発生が致死的な結果となる場合もあります。NMOSDの70~80%の患者さんでは、病原性の抗体である抗アクアポリン4抗体が検出されており、抗アクアポリン4抗体はアストロサイトと呼ばれる中枢神経に存在する細胞を標的とし、視神経や脊髄、脳の炎症性脱髄病変に繋がることが知られています1-4。炎症性サイトカインであるIL-6は、NMOSDの発症に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつあります5-9。2006年に視神経炎および脊髄炎を伴う視神経脊髄炎の診断基準、2007年に視神経炎や脊髄炎のみの症例に対するNMOSDの基準が提唱されました。2015年に両疾患を整理・統合し、広義の疾患群として新たにNMOSDの概念が提唱され、現在ではNMOSDという疾患名が認められています10。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
出典:
- Jarius S, Ruprecht K, Wildemann B et al. Contrasting disease patterns in seropositive and seronegative neuromyelitis optica: A multicentre study of 175 patients. J Neuroinflammation 2012;9:14.
- Lennon VA, Wingerchuk DM, Kryzer TJ et al. A serum autoantibody marker of neuromyelitis optica: distinction from multiple sclerosis. Lancet 2004;364:2106-12.
- Marignier R, Bernard-Valnet R, Giraudon P et al. Aquaporin-4 antibody-negative neuromyelitis optica: Distinct assay sensitivity-dependent entity. Neurology 2013;80:2194-200.
- Takahashi T, Fujihara K, Nakashima I et al. Anti-aquaporin-4 antibody is involved in the pathogenesis of NMO: a study on antibody titre. Brain 2007;130:1235-43.
- Chihara N, Aranami T, Sato W et al. Interleukin 6 signaling promotes anti-aquaporin 4 autoantibody production from plasmablasts in neuromyelitis optica. Proc Natl Acad Sci USA 2011;108:3701-6.
- Kimura A, Kishimoto T. IL-6: regulator of Treg/Th17 balance. Eur J Immunol 2010;40:1830-5.
- Lin J, Li X, Xia J. Th17 cells in neuromyelitis optica spectrum disorder: a review. Int J Neurosci2016;126:1051-60.
- Takeshita Y, Obermeier B, Cotleur AC, et al. Effects of neuromyelitis optica-IgG at the blood-brain barrier in vitro. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2016;4(1):e311.
- Obermeier B, Daneman R, Ransohoff RM. Development, maintenance and disruption of the blood-brain barrier. Nat Med 2013;19:1584-96.
- Wingerchuk DM, Banwell B, Bennett JL et al. International consensus diagnostic criteria for neuromyelitis optica spectrum disorders. Neurology 2015;85:177-89.
以上
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