中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2023年03月02日
- 研究開発
中外製薬とBiofourmis、子宮内膜症における痛みのデータを活用した バーチャルケアに向けた新たなパートナーシップを締結
中外製薬株式会社
Biofourmis
- 2020年7月より共同開発を続けてきた、子宮内膜症に伴う痛みの客観的評価におけるデジタルソリューション開発の新たなパートナーシップ契約を締結
- デジタルソリューションの実用化に向け、中外製薬の子宮内膜症領域における研究開発のデータを活用し、米国におけるBiofourmisのVirtual specialty careを用いて、実臨床における展開を目指す。さらに、本ソリューションから得られるデータを中外製薬の子宮内膜症領域における研究開発および市販後において活用を目指す
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)と、ボストンに拠点を置くデジタルセラピューティクス企業の世界的リーダーであるBiofourmisは、子宮内膜症患者さんの痛みを客観的に評価するデジタルソリューションの継続的な開発および実臨床における実用化に向けた新たなパートナーシップ契約を締結したことをお知らせいたします。子宮内膜症は、生殖年齢にある女性の約10%1、慢性骨盤痛のある女性では70%が罹患するとされており、QOL(生活の質)の低下に繋がりうる疾患とされています2。
2020年7月より両社はBiofourmisのBiovitals®プラットフォームを活用し、バイオセンサーおよびAIベースのアルゴリズムを利用して、子宮内膜症患者さんの痛みを客観的に評価する新たな評価法の確立を目指し、共同開発を行ってまいりました。子宮内膜症による痛みは主観的な症状であるため、患者さんご自身が感じる痛みの程度をご家族や医療関係者に正確に伝えることは難しい面があります。加えて、子宮内膜症の早期診断と治療へのアクセスも十分ではありません。
子宮内膜症患者さんにおける痛みの定量化技術のさらなる発展は、病態の解明、適切な医療ケアおよび臨床試験の精緻化につながる可能性があります。新たなデジタルソリューションの提供により、子宮内膜症の患者さんに対するさらなる価値向上を目指してまいります。
<本パートナーシップ締結で目指す内容>
- 子宮内膜症に伴う痛みの客観的測定技術の継続的な開発
- 実臨床における痛み測定と患者ケアサポートの技術基盤の進展
- Biofourmisによる米国における子宮内膜症患者さんに向けたVirtual specialty careの提供
- 中外製薬の開発品AMY109の研究開発および市販後におけるデータの利活用
中外製薬 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「Biofourmis社はデジタルセラピューティクスを世界的にリードし、患者さんの個別化予防医療を推進しています。中外製薬とBiofourmis社とは2020年よりパートナーとして、子宮内膜症に伴う痛みを客観的に評価するため、共同開発により病態の理解に取り組んでまいりました」と述べるとともに、「この共同研究をさらに発展させ、患者さんに寄り添う医療を実現するために、新たなパートナーシップを締結します。そして、成長戦略TOP I 2030で掲げるインサイトビジネスの取り組みの一つとして、患者さんへの新たな価値創出を目指してまいります」と語っています。
Biofourmis創業者でありCEOのKuldeep Singh Rajputは、「中外製薬とBiofourmisは、子宮内膜症患者さんのデジタルバイオマーカーによる痛みの客観的評価の研究において、既に大きな成果を上げてまいりました」と述べるとともに、「このパートナーシップを研究開発から実臨床へ広げることは、Biofourmisのプラットフォームおよび医薬品開発と医療提供の両方におけるソリューションの拡張性と柔軟性を実証するものです。両社は医療提供および医薬品の研究開発における最大の課題を解決すべく注力しており、中外製薬との患者さんを中心とした提携は、その代表的な取り組みです」と語っています。
【参考情報】
中外製薬とBiofourmis、デジタル技術による子宮内膜症に伴う痛みの評価法の確立を目指す(2020年7月22日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200722113000_999.html
子宮内膜症について1,3
子宮内膜症は、20~40歳代の女性の10人に1人が罹患し、子宮内膜組織が子宮外で増殖、剥離を繰り返し、強い月経痛や慢性的な下腹部痛を伴い、不妊症の原因となります。症状が強いときは横になったまま動けず、仕事や学校を休むなど、生活に支障をきたすこともあります。標準治療はホルモン関連薬等で、薬剤で痛みがコントロールしきれない場合には外科手術で取り除く治療法しかなく、手術を受けても数年で再発する方も多いなど、アンメットメディカルニーズの高い疾患です。子宮内膜症の病態は炎症や線維化にあることがわかってきています。サイトカインの一つであるIL-8は子宮内膜症の進行に関連すると考えられています。
中外製薬について
中外製薬(本社:東京)は、抗体エンジニアリング技術をはじめとする独自の創薬技術基盤を強みとする、研究開発型の製薬企業です。ロシュ・グループの重要なメンバーであるとともに、東京証券取引所プライム市場の上場企業として、自主独立経営の下、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。中外製薬に関するさらに詳しい情報はhttps://www.chugai-pharm.co.jp/をご覧下さい。
Biofourmisについて
Biofourmisはボストンに本社、シンガポールおよびインドに主要な拠点を置き、テクノロジーによるケアの提供を実現するグローバル企業です。同社は、いかなる場所においてもすべての人に適切な治療の提供を届けることを目指しています。また、同社のAIドリブンのソリューションは、患者さんのデータをリアルタイムで収集・分析し、積極的な介入を必要とする状況を特定します。この重要なイノベーションにより、あらゆる場所の人々に病院と同等レベルのサービスへのアクセスと、遠隔医療に向けたバーチャル医療プロバイダーネットワーク、さらに自宅から離れることなく、人生に変革を起こしうる臨床試験の実現の提供を目指します。主要な医療システム、支払機関、バイオ医薬品会社、患者さんから信頼される同社のプラットフォームは、患者さんのアウトカムを改善して再入院を防ぎ、医薬品開発の加速や、治療のギャップを埋め、最終的に科学をよりスマートに、医療をよりシンプルにし、患者さんをより健康にすることを目指しています。Biofourmisに関する更に詳しい情報は、www.biofourmis.comおよびLinkedIn、 Twitter、YouTubeをご覧ください。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
【出典】
- ESHRE guideline: management of women with endometriosis. Dunselman GA, et al. Hum Reprod. 2014. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24435778/ (2023年2月確認)
- American College of Obstetricians and Gynecology. Management of endometriosis. ACOG Practice bulletin no. 114. Obstet Gynecol 2010;116:225–36. Available from: https://journals.lww.com/greenjournal/Citation/2010/07000/Practice_Bulletin_No__114__Management_of.41.aspx (2023年2月確認)
- A long-acting anti-IL-8 antibody improves inflammation and fibrosis in endometriosis. Nishimoto-Kakiuchi A et al. Science Translational Medicine. 2023. Available from: http://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abq5858 (2023年2月確認)
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
メディアリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0881
E-mail: pr@chugai-pharm.co.jp
インベスターリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0554
E-mail: ir@chugai-pharm.co.jp
Biofourmis
Tara Stultz
Amendola Communications for Biofourmis(U.S.)
Tel: +1-440-225-9595
E-mail: tstultz@acmarketingpr.com