中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2022年06月03日
- 研究開発
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、非小細胞肺がんおよび悪性黒色腫に対する4つの薬剤のコンパニオン診断として承認を取得
- 治療方針決定支援として、コンパニオン診断のポートフォリオ拡大により患者さんへの提供価値拡大と治療アクセスの改善に貢献
- 今後もコンパニオン診断機能の充実を図り、がん治療の進展への貢献を目指す
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」について、チロシンキナーゼ阻害剤「ビジンプロ®錠」(一般名:ダコミチニブ水和物)およびチロシンキナーゼ阻害剤「アルンブリグ®錠」(一般名:ブリグチニブ)の非小細胞肺がんならびにBRAF阻害剤「ビラフトビ®カプセル」(一般名:エンコラフェニブ)およびMEK阻害剤「メクトビ®錠」(一般名:ビニメチニブ)の悪性黒色腫の適応に対するコンパニオン診断として、6月2日に厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、それぞれの患者さんのがんで起きている遺伝子変異の全体像を一度の検査で調べることで、一人ひとりの患者さんに最適な治療を実現する『個別化医療』を推進するものです」と述べるとともに、「今回、新たに非小細胞肺がんおよび悪性黒色腫の治療薬として、国内で承認されている4つの分子標的治療薬に対するコンパニオン診断として承認を取得しました。コンパニオン診断のポートフォリオ拡大により、より一層治療方針決定を支援する検査としての価値が向上し、がん患者さんのアクセス改善に貢献できると信じています。今後もコンパニオン診断機能の充実を図り、がん治療の進展への貢献を目指してまいります」と語っています。
今回の承認により、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルにて活性型EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子を判定することで、ダコミチニブ水和物およびブリグチニブの非小細胞肺がんに対する各々の薬剤の適応判定補助として利用が可能です。また、BRAF遺伝子変異を判定することで、エンコラフェニブおよびビニメチニブ併用の悪性黒色腫に対する適応判定補助としての利用が可能となります。
オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、包括的ゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう取り組んでまいります。
製品情報 下線部分が追加されました。
使用目的又は効果
- 本品は、固形がん患者を対象とした腫瘍組織の包括的なゲノムプロファイルを取得する。
- 本品は、下表の医薬品の適応判定の補助を目的として、対応する遺伝子変異等を検出する。
遺伝子変異等 | がん種 | 関連する医薬品 |
---|---|---|
活性型EGFR遺伝子変異 | 非小細胞肺癌 | アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩、ダコミチニブ水和物 |
EGFRエクソン20 T790M変異 | オシメルチニブメシル酸塩 | |
ALK融合遺伝子 | アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ、ブリグチニブ | |
ROS1融合遺伝子 | エヌトレクチニブ | |
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異 | カプマチニブ塩酸塩水和物 | |
BRAF V600E及びV600K変異 | 悪性黒色腫 | ダブラフェニブメシル酸塩、トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ、ビニメチニブ |
ERBB2コピー数異常(HER2遺伝子増幅陽性) | 乳癌 | トラスツズマブ(遺伝子組換え) |
KRAS/NRAS野生型 | 結腸・直腸癌 | セツキシマブ(遺伝子組換え)、パニツムマブ(遺伝子組換え) |
高頻度マイクロサテライト不安定性 | ニボルマブ(遺伝子組換え) | |
高頻度マイクロサテライト不安定性 | 固形癌 | ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) |
腫瘍遺伝子変異量高スコア | ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) | |
NTRK1/2/3融合遺伝子 | エヌトレクチニブ、ラロトレクチニブ硫酸塩 | |
BRCA1/2遺伝子変異 | 卵巣癌 | オラパリブ |
BRCA1/2遺伝子変異 | 前立腺癌 | オラパリブ |
FGFR2融合遺伝子 | 胆道癌 | ペミガチニブ |
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルについて
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、米国のファウンデーション・メディシン社により開発された、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システムです。患者さんの固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability: MSI)の判定や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden: TMB)の算出を行います。また、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能です。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
- 報道関係者の皆様
- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
- 投資家の皆様
- インベスターリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0554
- mailto: ir@chugai-pharm.co.jp