中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2021年12月13日

へムライブラ、第III相HAVEN 6試験の中間解析データにおいて中等症または軽症の血友病Aにおける安全性、有効性プロファイルを確認

  • 第VIII因子に対するインヒビター非保有の中等症または軽症の血友病Aにおけるヘムライブラの安全性プロファイルが確認され、新たな安全性シグナルは認められなかった
  • ヘムライブラにより臨床的に有効な出血コントロールが得られ、解析対象者の80.3%で治療を要した出血が認められず、90.1%で治療を要した関節出血が認められなかった

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、当社創製の抗血液凝固第IXa/X因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体 血液凝固第VIII因子機能代替製剤へムライブラ®[一般名:エミシズマブ(遺伝子組換え)]について、第III相臨床試験 HAVEN 6試験の中間解析データを発表したことお知らせします。血液凝固第VIII因子に対するインヒビター非保有の中等症または軽症の血友病Aにおけるヘムライブラの安全性プロファイルと有効な出血抑制が確認された本データ1は、2021年12月12日に第63回米国血液学会総会(ASH)で口頭発表されました。

 重症の血友病Aに対する治療法や管理法が確立されつつあるなか、中等症または軽症の血友病Aに対しては情報や治療ガイダンスがいまだ少なく、出血時の診断の遅れや見逃しに繋がる場合があります。予防的治療を受けない場合、臨床的負担はより高いものとなりえ、出血のない生活を送れる方々は中等症または軽症の30%未満にとどまります2,3

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「世界ではいまだアンメットメディカルニーズの高い中等症または軽症の血友病Aに対し、ヘムライブラの有用性を示すさらなるデータが得られたことを嬉しく思います」と述べるとともに、「血友病Aの重症度にかかわらず、世界中でより多くの方々に新たな治療の選択肢を提供できるよう、引き続き幅広いデータの構築と適正使用の推進のため、情報提供に努めてまいります」と語っています。

 HAVEN 6試験は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有しない中等症または軽症の血友病Aにおける、へムライブラの安全性、有効性、薬物動態、薬力学を評価する第III相臨床試験です。今回の中間解析データは、71人(うち男性69人、女性2人)のデータに基づいており、そのうち20人は血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを有しない軽症の血友病A、51人は血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを有しない中等症の血友病Aでした。また、37人はベースラインで血液凝固第VIII因子の予防的投与を受けていました1

 今回の中間解析は、中等症の血友病A50人が24週以上治療を完了、または治療を中止した時点で行われ、データカットオフは2021年4月16日でした。へムライブラの投与を受けた参加者の80.3%では治療を要した出血がなく、90.1%では治療を要した関節内出血がありませんでした1。これらのデータによりへムライブラの安全性プロファイルと有効な出血コントロールが確認されました。

 HAVEN 6試験において、10%以上に発現した主な有害事象は、頭痛(14.1%)及び局所注射部位反応(12.7%)でした。11名(15.5%)でヘムライブラに関連する有害事象が報告され、最も多いものは局所注射部位反応(12.7%)でした。

 ヘムライブラは、第VIII因子に対するインヒビターを保有する血友病Aの治療薬として、世界100カ国以上で承認されており、インヒビターを保有しない血友病Aに対する治療薬としては、米国、欧州および日本を含む世界90カ国以上で承認されています。ヘムライブラは、血友病A(インヒビター保有・非保有)を対象とした8つの第III相試験を含む臨床試験プログラムで評価されています。

ヘムライブラについて
 ヘムライブラは、当社独自の抗体エンジニアリング技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体です。本剤は活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替します4,5。本剤は、2017年11月に米国食品医薬品局(FDA)より血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)における予防投与療法として世界で初めて承認されました。本邦では、2018年3月に承認され、その後、インヒビター非保有の先天性血友病Aに対しても適応が拡大されています。現在ではインヒビター保有・非保有の先天性血友病Aに対して、あわせて世界100カ国以上で承認されています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

 

出典

  1. Negrier C, et al. Emicizumab Prophylaxis in Persons with Mild or Moderate Hemophilia A: Results from the Interim Analysis of the HAVEN 6 Study. Presented at: American Society of Hematology (ASH) Annual Meeting and Exposition; 2021 December 11-14; Atlanta, GA, USA. Abstract #343 oral presentation.
  2. Walsh C, et al. Identified unmet needs and proposed solutions in mild-to-moderate haemophilia: A summary of opinions from a roundtable of haemophilia experts. Haemophilia. 2021;27(S1):25-32.
  3. Nissen F, et al. An Insight into clinical outcomes in mild, moderate, and severe hemophilia A (HA): A preliminary analysis of the CHESS II study. Presented at: International Society on Thrombosis and Haemostasis (ISTH) Virtual Congress; 2020 July 12-14. Abstract OC 09.3.
  4. Kitazawa, et al. Nature Medicine 2012; 18(10): 1570
  5. Sampei, et al. PLoS ONE 2013; 8(2): e57479

 

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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