中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2021年01月25日
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、ラロトレクチニブのNTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対するコンパニオン診断として承認を取得
- ラロトレクチニブのコンパニオン診断として承認を取得
- ラロトレクチニブは、バイエル薬品株式会社がNTRK融合遺伝子陽性の固形癌の治療薬として、厚生労働省に対し申請中
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂 達朗)は、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」について、トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬であるラロトレクチニブ硫酸塩(以下、ラロトレクチニブ)のTRK融合癌としても知られる神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の固形癌に対するコンパニオン診断として、1月22日に厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。
代表取締役社長 COOの奥田 修は「非常に稀な遺伝子変異であるNTRK融合遺伝子を有するがんの治療薬として開発されたラロトレクチニブのコンパニオン診断として、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルが承認されたことは、当社が目指す個別化医療の高度化への重要な進展と考えています」と述べるとともに、「ひとりでも多くの患者さんが適切な治療を選択できるよう、本プログラムの意義の理解、浸透を図って参ります」と語っています。
今回の承認は、本プログラムによりラロトレクチニブの有効性が期待されるTRK融合癌に対して、ラロトレクチニブの適応判定の補助を可能にすることを目的としています。ラロトレクチニブの有効性・安全性は、バイエル社が実施した成人患者を対象とした第I相試験、成人および青年期患者を対象とした第II相NAVIGATE試験、ならびに小児患者を対象とした第I/II相SCOUT試験において検討されました。ラロトレクチニブは、2020年5月22日にバイエル薬品株式会社が、NTRK融合遺伝子を有する固形癌の治療薬として、厚生労働省に対し製造販売承認申請を実施しています。
オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、包括的がんゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう取り組んでまいります。
製品情報 下線部分が追加されました。
使用目的又は効果
- 本品は、固形がん患者を対象とした腫瘍組織の包括的なゲノムプロファイルを取得する。
- 本品は、下表の医薬品の適応判定の補助を目的とし、対応する遺伝子変異等を検出する。
遺伝子変異等 | がん種 | 関連する医薬品 |
---|---|---|
活性型EGFR遺伝子変異 | 非小細胞肺癌 | アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩 |
EGFRエクソン20 T790M変異 | オシメルチニブメシル酸塩 | |
ALK融合遺伝子 | アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ | |
ROS1融合遺伝子 | エヌトレクチニブ | |
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異 | カプマチニブ塩酸塩水和物 | |
BRAF V600E及びV600K変異 | 悪性黒色腫 | ダブラフェニブメシル酸塩、トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物、ベムラフェニブ |
ERBB2コピー数異常(HER2遺伝子増幅陽性) | 乳癌 | トラスツズマブ(遺伝子組換え) |
KRAS/NRAS野生型 | 直腸・結腸癌 | セツキシマブ(遺伝子組換え)、パニツムマブ(遺伝子組換え) |
NTRK1/2/3融合遺伝子 | 固形癌 | エヌトレクチニブ、ラロトレクチニブ硫酸塩 |
BRCA1/2遺伝子変異 | 卵巣癌 | オラパリブ |
BRCA1/2遺伝子変異 | 前立腺癌 | オラパリブ |
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルについて
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、米国のファウンデーション・メディシン社により開発された、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システムです。患者さんの固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability: MSI)の判定や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden: TMB)の算出を行います。また、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能です。
ラロトレクチニブについて
ラロトレクチニブは、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)遺伝子融合を有する癌に特化した治療薬として開発された経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬です。「NTRK融合遺伝子陽性の局所進行又は遠隔転移を有する固形癌」を予定される効能又は効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
- 報道関係者の皆様
- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
- 投資家の皆様
- インベスターリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0554
- mailto: ir@chugai-pharm.co.jp