中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2021年01月18日

ロシュ社、テセントリクとアバスチンの併用療法について肝細胞がんにおける全生存期間の延長を示す最新データを発表

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が1月12日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2021-01-12.htmをご覧ください。

  • テセントリクとアバスチンの併用療法は、切除不能な肝細胞がん(HCC: hepatocellular carcinoma)の一次治療を検討した第III相臨床試験として、全生存期間(OS: overall survival)の改善を示す
  • 肝臓がんは世界で6番目に患者数の多いがんであり、2020年のがんによる死亡原因の第3位2)
  • 本試験成績は、2021年1月に開催される米国臨床腫瘍学会・消化器がんシンポジウム(ASCO-GI)2021にて発表

 ロシュ社は1月12日、全身薬物療法未治療の切除不能なHCCを対象に、テセントリク®(アテゾリズマブ)とアバスチン®(ベバシズマブ)の併用とソラフェニブ単剤を比較した第III相臨床試験であるIMbrave150試験の最新成績の発表予定を示しました。

 フォローアップ期間中央値15.6カ月時点の最新解析において、テセントリクとアバスチンの併用は、ソラフェニブ単剤と比較し死亡リスクを34%減少させました。テセントリクとアバスチン併用群とソラフェニブ群のOS中央値はそれぞれ19.2カ月、13.4カ月でした(ハザード比: 0.66、95%信頼区間: 0.52-0.85)。最新のOS成績は、無増悪生存期間(PFS: progression free survival)、奏効率(ORR: objective response rate)の成績とともに、主解析時の成績と整合性があり、HCC治療における本併用療法の使用を裏付けるものです。テセントリクとアバスチンの併用における安全性は、これまでにそれぞれの薬剤で認められている安全性プロファイルと同様であり、新たな安全性に関する懸念は認められませんでした。

 これらの試験成績は、米国臨床腫瘍学会・消化器がんシンポジウムにおいて1月17日15:30-16:15(現地時間)のRapid Abstract Sessionにて発表されました。

IMbrave150試験について
 IMbrave150試験は全身薬物療法を受けていない切除不能なHCC患者さん501名を対象とした多施設共同オープンラベルのランダム化第III相臨床試験で、患者さんがテセントリクおよびアバスチン併用群とソラフェニブ単剤群に2:1で割り付けられました。本試験で、テセントリク1200mgおよびアバスチン15mg/kgは21日サイクルの1日目に静脈投与されました。また、ソラフェニブは400mgを1日2回、1日目から21日目まで、21日サイクルの1日目から21日目まで経口投与されました。両群ともに、薬剤の投与は主治医判定により病勢進行または忍容できない毒性の出現のいずれかまで継続されました。主要評価項目はOSとRECIST v1.1に基づく中央判定によるPFSです。副次評価項目は、RECIST v1.1およびHCC mRECISTに基づく主治医判定によるORRが含まれています。
 8.6カ月のフォローアップ後の主解析において、テセントリクとアバスチンの併用は、死亡リスクを42%減少しました(ハザード比: 0.58、95%信頼区間: 0.42-0.79、p値=0.0006[層別log-rank検定])。

肝細胞がん(HCC)について
 HCCは予後不良かつ治療選択肢が限られているため、世界でのがんによる死亡の主な原因となります1)。毎年81万5千人以上がHCCと診断され1、2)、その大多数がアジア、うち約半数は中国で認められています2、3)。米国では、肝臓がん患者数が1980年から約3倍に増加しており、がん関連の死亡原因として急上昇しています。一方欧州でも、患者数は増加傾向にあり、2020年に8万7千人以上が肝臓がんと診断され、約7万8千人が死亡しました4-7)。HCCは主にB型またはC型肝炎による肝硬変もしくはアルコール性肝炎から進展し、がんにいたります1)。切除不能なHCCの予後は不良であり、全身薬物療法の選択肢は限られており、1年生存率は50%以下です8)

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

以上

[出典]

  1. Llovet JM et al. Hepatocellular carcinoma. Nat Rev Dis Primers. 2016;2:16018.
  2. World Health Organisation. Globocan 2020 – Liver cancer factsheet. [Internet; cited 2020 December] Available from: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/11-Liver-fact-sheet.pdf.
  3. World Health Organisation. Globocan 2020 – China factsheet. [Internet; cited 2020 December] Available from: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/160-china-fact-sheets.pdf.
  4. American Cancer Society. Key statistics about liver cancer. [Internet; cited 2020 October] Available from: https://www.cancer.org/cancer/liver-cancer/about/what-is-key-statistics.html.
  5. Rawla P et al. Update in global trends and aetiology of hepatocellular carcinoma. Contemp Oncol (Pozn). 2018;22(3):141-150.
  6. Pimpin L et al. Burden of liver disease in Europe: Epidemiology and analysis of risk factors to identify prevention policies. J Hepatol. 2018;69(3):718-735.
  7. World Health Organisation. Globocan 2020 – Europe factsheet. [Internet; cited 2020 December] Available from: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/908-europe-fact-sheets.pdf.
  8. Giannini EG et al. Prognosis of untreated hepatocellular carcinoma. Hepatology. 2015;61(1):184-190.

本件に関するお問い合わせ先:
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