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2020年07月15日
中外製薬、血友病A治療薬ヘムライブラの創製に関し、第4回バイオインダストリー大賞を奈良県立医科大学と共同受賞
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂 達朗)は、国内で血友病の基礎・臨床研究の最先端を担う公立大学法人奈良県立医科大学 小児科学教室と共同で取り組んだ「血液凝固第VIII因子機能を代替するバイスペシフィック抗体医薬の創製による血友病Aの治療革命」に関し、一般財団法人バイオインダストリー協会より「第4回バイオインダストリー大賞」を奈良県立医科大学と共同受賞しました。同賞は、バイオインダストリーの発展に大きく貢献をなした、また今後の発展に大きく貢献すると期待される顕著な業績を表彰するものです。
ヘムライブラ®は、二つの異なる抗原に結合できるバイスペシフィック抗体を用いて生体内タンパク質の機能を代替し、血友病A治療薬とする中外製薬の着想を基にしています。また、中外製薬は、膨大な実験を経て、新薬候補となるバイスペシフィック抗体を創製しました。また、創製の過程で、バイスペシフィック抗体の製造上の課題解決のため、独自の抗体エンジニアリング技術(ART-Ig®)も開発しました。バイスペシフィック抗体の評価、臨床試験の設計・推進においては、奈良県立医科大学との協働により、同大学が血友病治療・基礎研究において長年積み上げた基盤と知見が生かされ、ヘムライブラが医薬品として上市されるに至っています。現在、ヘムライブラのグローバルでの累計投与者数は6,500人以上、承認国数は90カ国以上であり、世界の血友病A治療において広く浸透しています。患者さんやご家族のQoL向上を達成する社会的意義の大きさに加えて、他へも広がりうる抗体エンジニアリング技術開発の潜在的価値、アカデミアとの長年の協働により製品化を成し遂げた産学連携の大きな成功例であることなどが高く評価され、今回の大賞受賞に至りました。
代表取締役社長 COOの奥田 修は、「アカデミアをはじめとするパートナーとのオープンイノベーションの活用は、中外製薬が革新的な医薬品を連続的に創出する上で欠かせないものです。この度、奈良県立医科大学との長年の協働が高く評価されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「中外製薬の創薬研究は、患者さんのための価値創造の源泉です。イノベーションによる世界の患者さんへの貢献を目指し、引き続き邁進してまいります」と語っています。
公立大学法人奈良県立医科大学 副学長 医学部長の嶋 緑倫教授は、「第4回バイオインダストリー大賞を中外製薬の皆様と一緒に受賞することになり、喜びに堪えません。2003年に、初めて、服部氏からこのバイスペシフィック抗体の話を聞いたとき、現代の血友病A治療が抱える様々な問題を一挙に解決できるのではと大変興奮致しました。これまでの共同研究の道のりを考えると、世界中の患者さんに使用されている現状が夢のようです。ヘムライブラは遺伝子組換え第VIII因子製剤の開発と並ぶ歴史的快挙と国際的にも評価されています。Made in Japanの産学共同プロジェクトに参加できたことを幸せに思っています」と述べています。
賞名 | 第4回バイオインダストリー大賞 |
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受賞業績 | 「血液凝固第Ⅷ因子機能を代替するバイスペシフィック抗体医薬の創製による血友病Aの治療革命」 |
受賞者 | 中外製薬 研究本部 創薬薬理研究部長 北沢 剛久 中外製薬 研究本部 シニアフェロー 服部 有宏 Chugai Pharmabody Research Pte, Ltd. CEO 井川 智之 公立大学法人奈良県立医科大学 名誉教授 吉岡 章 公立大学法人奈良県立医科大学 副学長 医学部長 嶋 緑倫 公立大学法人奈良県立医科大学 小児科 准教授 野上 恵嗣 |
表彰式 | 日時:2020年10月14日(水)(予定) 会場:パシフィコ横浜(BioJapan2020会期中) 内容:表彰式、記念講演会 他 |
ヘムライブラについて
ヘムライブラは、当社独自の抗体エンジニアリング技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体です。本剤は活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替します1, 2)。本剤は、2017年11月に米国食品医薬品局(FDA)より血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)に対する週1回の皮下投与による予防投与療法に対し世界で初めて承認されて以来、現在では世界90カ国以上で承認されています。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
出典
- Kitazawa, et al. Nature Medicine 2012; 18(10): 1570
- Sampei, et al. PLoS ONE 2013; 8(2): e57479
本件に関するお問い合わせ先:
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