中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2020年02月21日
ロズリートレク、ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する適応追加の承認を取得
- 昨年のNTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対する承認に続き、ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する承認を取得
- ROS1融合遺伝子は非小細胞肺がん患者さんの1~2%に発現が認められ、肺がん治療における重要なドライバー遺伝子の1つ
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「ロズリートレク®」(一般名: エヌトレクチニブ)に関し、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)の適応拡大の承認を本日、厚生労働省より取得しましたのでお知らせいたします。
上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の奥田 修は、「中外初の年齢・がん種を問わない適応で、個別化医療の高度化を実現する製品として、昨年NTRK融合遺伝子陽性の固形がんの治療薬として発売を開始したロズリートレクが、成人のROS1融合遺伝子陽性のNSCLCに対する治療薬として承認されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「ROS1融合遺伝子は、NSCLCの患者さんの1~2%に認められる重要なドライバー遺伝子です。ROS1融合遺伝子陽性NSCLC患者さんに対する新たな治療選択肢としてロズリートレクが加わるとともに、個別化医療の高度化の進展に更なる貢献ができるよう、引き続き取り組んでまいります」と語っています。
今回の承認は、主にオープンラベル多施設国際共同第II相臨床試験(STARTRK-2試験)の成績に基づいています。有効性評価はSTARTRK-2試験のROS1融合遺伝子陽性のNSCLCコホート、安全性評価はSTARTRK-2試験に加え、海外で実施した二つの第I相臨床試験(STARTRK-1試験、ALKA-372-001試験)の統合解析結果に基づいています。
なお、ロズリートレクの「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応判定は、FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルによって行います。FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルのコンパニオン診断機能の追加については、2019年12月25日に厚生労働省より承認を取得しています。
オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、がん領域における個別化医療の高度化を実現し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう引き続き取り組んでまいります。
【ご参考】
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、ロズリートレクのROS1肺がんのコンパニオン診断として承認を取得(2019年12月26日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20191226113000_924.html
ロシュ社が開発中のentrectinibはROS1陽性の肺がん患者さんに対し2年以上にわたる持続的な効果を示した(2018年9月24日 プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20180926150001_760.html
添付文書情報 ※下線部分が追加
販売名: | ロズリートレク®カプセル100 mg ロズリートレク®カプセル200 mg |
一般的名称: | エヌトレクチニブ |
効能又は効果: | NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌 ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 |
用法及び用量: | 〈NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌〉 通常、成人にはエヌトレクチニブとして1日1回600 mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 通常、小児にはエヌトレクチニブとして1日1回300 mg/m2(体表面積)を経口投与する。ただし、600 mgを超えないこと。なお、患者の状態により適宜減量する。 〈ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉 通常、成人にはエヌトレクチニブとして1日1回600mg を経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 |
承認条件: |
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ロズリートレクについて
ロズリートレクは、ROS1(c-rosがん遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤です。ロズリートレクは、ROS1およびTRKキナーゼ活性を阻害することにより、ROS1またはNTRK融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制します。ロズリートレクは、「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌」の効能又は効果にて2019年6月18日に承認を取得し、同年9月4日に発売しました。
ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんについて
ROS1融合遺伝子は、何らかの原因によりROS1遺伝子と他の遺伝子(CD74など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です。ROS1融合遺伝子から作られるROS1融合キナーゼにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。ROS1融合遺伝子は、NSCLC患者さんの約1~2%に認められ、その中でも腺がんでより多く発現しています。1)
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
出典
- Bergethon K, Shaw AT, Ou SH, et al. ROS1 rearrangements define a unique molecular class of lung cancers. J Clin Oncol 2012;30:863-70.
本件に関するお問い合わせ先:
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- Tel:03-3273-0881
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