中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2019年08月22日
抗PD-L1抗体「テセントリク」進展型小細胞肺癌に対する適応拡大のお知らせ
- テセントリクは進展型小細胞肺癌に対し国内で初めて承認されたがん免疫療法
- 進展型小細胞肺癌患者さんに対する17年ぶりの新たな薬物治療選択肢
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、改変型抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク®点滴静注1200mg」[一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)](以下、テセントリク)に関し、本日、「進展型小細胞肺癌」に対する適応拡大について厚生労働省より承認を取得したことをお知らせいたします。
上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「テセントリクは、進行が早く治療困難な進展型小細胞肺がんに対する初めてのがん免疫治療薬です」と述べるとともに、「長らく治療選択肢が限られていた進展型小細胞肺がんに対して、テセントリクを新たな標準治療薬の候補として患者さんにお届けできることを嬉しく思います」と語っています。
今回の承認は、国際共同第I/III相臨床試験(IMpower133試験)の成績に基づいています。IMpower133試験では、テセントリクと化学療法(カルボプラチン及びエトポシド)の併用は、ITT(Intent to treat)解析集団において、化学療法単独に比べ主要評価項目である全生存期間の延長を示すとともに(OS中央値:12.3カ月 vs 10.3カ月、ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.54-0.91、p=0.0069)、同じく主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました(PFS中央値:5.2カ月 vs 4.3カ月、ハザード比:0.77、95%信頼区間:0.62-0.96、p=0.017)。テセントリクと化学療法の併用療法による安全性プロファイルは、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、本併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されませんでした。
【参考情報】
テセントリク®と化学療法の併用による一次治療は化学療法単独に比べ、進展型小細胞肺がん患者さんの生存期間の延長を示す(2018年10月25日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20181025150000_778.html
オンコロジー領域の国内トップ製薬企業である中外製薬は、テセントリクが新たな治療選択肢の一つとなり、患者さんと医療従事者の皆さまに貢献できるよう取り組んでまいります。
添付文書情報 ※下線部分が追加
【効能・効果】
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 進展型小細胞肺癌
【用法・用量】
- 化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
カルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。 - 化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。 - 進展型小細胞肺癌患者の場合
カルボプラチン及びエトポシドとの併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
小細胞肺がんについて
日本人における肺がんの年間罹患者数は125,100人(男性84,500人、女性40,600人、2018年予測値)と推計されています。また国内の死亡者数は77,500人(男性55,100人、女性22,400人、2018年予測値)であり、がんにともなう死亡原因の第1位となっています。肺がんは組織型により小細胞肺がんと非小細胞肺がんに大別され、小細胞肺がんは全肺がんの約10~15%を占めます。小細胞肺がんは腫瘍の増殖能が高く、早期に広範な転移が生じることを特徴としています。
テセントリクの国内承認申請状況について
2018年4月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として販売を開始し、同年12月に「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加について承認を取得しています。現在、乳がんに対する適応拡大を申請しています。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
出典
- 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」
from: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html. Accessed July 2019. - Govindan R, Page N, Morgensztern D, Read W, Tierney R, Vlahiotis A, et al. Changing epidemiology of small cell lung cancer in the United States over the last 30 years: analysis of the surveillance, epidemiologic, and end results database. J Clin Oncol. 2006 Oct 1;24:4539-44.
- 日本臨床腫瘍学会/編 新臨床腫瘍学 改訂第5版:(南江堂)
- Eilas DA. Small cell lung cancer: state-of-the-art therapy in 1996. Chest. 1997 Oct; 112: 251S-258S
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
- 報道関係者の皆様
- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
- 投資家の皆様
- インベスターリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0554
- mailto: ir@chugai-pharm.co.jp