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2019年07月09日
ヘムライブラ、国際血栓止血学会(ISTH)において長期フォローアップデータを含むさらなる臨床成績を発表
- 4つの第III相国際共同治験(HAVEN試験)の長期フォローアップデータを発表。血友病Aにおけるヘムライブラの有効性、安全性等が、インヒビター保有/非保有のいずれにおいても継続して認められた
- 第IIIb相試験STASEY試験の初の中間解析結果を発表。HAVEN 1試験で示されたインヒビター保有血友病Aにおけるヘムライブラの安全性プロファイルがさらに確認された
- HAVEN試験における手術経験例のデータを発表。血友病Aに対するヘムライブラの定期投与により、インヒビター保有/非保有のいずれにおいても、特定の軽微な手術における血液凝固因子製剤の追加投与が必要ない症例も認められた
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、血友病A治療薬ヘムライブラ®(一般名:エミシズマブ)について、オーストラリア・メルボルンで開催中の国際血栓止血学会2019(ISTH:International Society on Thrombosis and Haemostasis, 7月6日-10日)において、第III相国際共同治験であるHAVEN 1試験、HAVEN 2試験、HAVEN 3試験、HAVEN 4試験(これら4つの試験を総称し以下、HAVEN試験)の長期フォローアップデータおよび第IIIb相試験STASEY試験における初の中間解析結果を発表したことをお知らせいたします。
上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「現在、血友病Aは生涯にわたる治療を必要とする疾患です。ヘムライブラの有効性と安全性が、インヒビターの有無に関わらず長期間継続して示されたことは、大変有意義だと考えます」と述べるとともに、「世界の血友病Aの方々やそのご家族、主治医の方々に、ヘムライブラが効果と安全性の両面で、長く安心して投与できる薬剤として認識していただけるものと確信しています」と語っています。
【HAVEN試験の長期フォローアップデータにおける有効性、安全性ついて】
HAVEN試験の統合解析による長期フォローアップデータ(n=400)は、すべての年齢層を含むインヒビター保有/非保有の血友病Aを対象としたものです。HAVEN試験の大部分の参加者において、治療を要した出血ゼロを達成し、83週(中央値)で維持されました。25週以降の各期間において、解析対象者の87%超が治療を要した関節出血(特発性出血あるいは外傷性出血)ゼロを、92%超が特発性出血ゼロを達成しました。本結果により、これまで得られているヘムライブラの安全性および忍容性がより長期の観察でも裏付けられる結果となりました。
【STASEY試験の中間解析結果における安全性、忍容性について】
第IIIb相試験STASEY試験は、インヒビター保有の血友病Aにおけるヘムライブラの安全性と忍容性を評価することを目的として行われました。今回発表した初めての中間解析は、88例のデータが含まれ、薬事承認の基礎となったHAVEN 1試験で得られている安全性プロファイルを裏付ける結果が得られました。本試験において、血栓性微小血管症(TMA)および血栓事象はいずれも認められず、新たな安全性シグナルの報告もありませんでした。ヘムライブラに関連する有害事象は20.5%(18件)に認められ、そのうち重篤な有害事象は1件(カテーテル留置部膿瘍)でした。10%以上の患者で最も多く確認された有害事象は、注射部位反応(14.8%)、関節痛(13.6%)、頭痛(11.4%)、感冒様症状(鼻咽頭炎)(11.4%)でした。なお、STASEY試験で得られた出血率のデータは、これまでHAVEN 1試験で得られているものと同様でした。
【特定の軽微な手術における血液凝固因子製剤の追加投与の必要性について】
HAVEN試験に対するレトロスペクティブな統合解析では、ヘムライブラの定期投与により、インヒビター保有/非保有のいずれの血友病においても、特定の軽微な手術における血液凝固因子製剤(第VIII因子補充療法あるいはバイパス製剤)の追加投与が必要ない症例も認められました。軽微な手術(n=215)のうち、65.6%(n=141)では定期的な血液凝固因子製剤の投与が不要となり、そのうち90.8%は術後に治療を要した出血がみられませんでした。18件の大規模手術のうち、3件は定期的な血液凝固因子製剤の投与が不要で、術後の出血はありませんでした。残りの15件については、定期的な血液凝固因子製剤の投与が行われ、1件に術後に治療を要した出血がみられました。
HAVEN試験について
HAVEN試験は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビター保有/非保有の血友病Aにおけるヘムライブラの有効性および安全性を評価するもので、血友病Aに対して実施された最大規模の臨床試験の一つです。
- HAVEN 1試験:インヒビターを保有する成人/青年期(12歳以上)のバイパス止血製剤による予防療法もしくは出血時止血療法を受けていた血友病Aを対象に、ヘムライブラを週1回皮下投与した際の有効性、安全性および薬物動態を評価するランダム化オープンラベル多施設第III相国際共同治験です。
- HAVEN 2試験:インヒビターを保有する小児(12歳未満)の血友病Aを対象に、ヘムライブラを週1回、2週に1回または4週に1回定期的に皮下投与した際の有効性、安全性および薬物動態を評価するオープンラベル多施設第III相国際共同治験です。
- HAVEN 3試験:ヘムライブラを週1回または2週に1回定期的に皮下投与した際の有効性、安全性および薬物動態を評価するランダム化オープンラベル多施設第III相国際共同治験です。本試験は、試験開始前に第VIII因子製剤による定期補充療法もしくは出血時止血療法を受けていた、インヒビター非保有の12歳以上の血友病Aを対象に行われました。
- HAVEN 4試験:ヘムライブラを4週に1回の頻度で定期的に皮下投与した際の有効性、安全性および薬物動態を評価する単群オープンラベル多施設第III相国際共同治験です。本試験は、試験開始前に第VIII因子製剤もしくはバイパス止血製剤による出血時止血療法または定期投与を受けていた、インヒビター保有/非保有の12歳以上の血友病Aを対象に行われました。
STASEY試験について
血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する血友病Aを対象に、ヘムライブラを皮下投与した際の安全性および忍容性を評価する単群オープンラベル多施設第IIIb相試験です。本試験は、12歳以上の88名(24週の投与期間完遂あるいは中止)を対象とし、ヘムライブラを週1回3mg/kgで4週間定期投与し、その後1.5mg/kgへ用量を変更し、週1回の頻度で定期投与するものです。なお、STASEY試験への日本からの参加はありません。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
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