2019年06月03日

ALK阻害剤「アレセンサ」 再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対する効能・効果追加の承認申請について

  • 小児および成人を対象に国内で実施した医師主導治験(ALC-ALCL試験)の成績を用い、再発又は難治性のALK陽性ALCLに対する承認取得を目指す
  • 厚生労働省はアレセンサを、ALK陽性ALCLを対象とした希少疾病用医薬品に指定

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、ALK阻害剤「アレセンサ®カプセル150 mg」(一般名:アレクチニブ)(以下、アレセンサ)の再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫(ALK陽性ALCL)に対する効能・効果追加の承認申請を本日、厚生労働省に行いましたのでお知らせいたします。なお、アレセンサは厚生労働省より5月30日に、希少疾病用医薬品の指定を受けました。

 上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「ALCLは化学療法が有効とされていますが、再発した場合は予後不良となるケースが多く、新たな治療選択肢の開発が強く望まれています」と述べるとともに、「ALK陽性ALCLに対して有望な分子標的薬となりうるアレセンサを通じて、患者さんの予後改善に貢献できることを期待しています」と語っています。

 今回の承認申請は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構の「革新的がん医療実用化研究事業」として2015年5月から実施された医師主導治験(ALC-ALCL試験)の成績に基づいています。ALC-ALCL試験は、再発または難治性のALK陽性ALCL患者さん10名を対象に、中央判定委員会での奏効率(主要評価項目)の評価、および安全性の検討を目的とした第II相多施設共同臨床試験です。ALC-ALCL試験は、国立病院機構名古屋医療センターが主導となり3施設で実施されました。

 オンコロジー領域の国内トップ企業である中外製薬は、アレセンサをALK陽性ALCLの患者さんへ一日も早くお届けするため、承認取得に向けて取り組んでまいります。

ALK陽性ALCLについて
 ALCLは悪性リンパ腫の中の末梢性T細胞リンパ腫の4つの亜型の1つで、リンパ球の中のT細胞から発生する非ホジキンリンパ腫で、月単位で病勢進行がみられる「中悪性度」に分類されます。ALCLの国内における発症頻度は悪性リンパ腫の1.5~2.0%1, 2)、その約半数がALK陽性と報告されています3, 4)。別に実施された国際共同研究でALK陽性ALCLの化学療法による5年治療成功生存割合は60%と報告されていることから、40%が再発・難治例であると推定されます3)

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典

  1. Lymphoma Study Group of Japanese Pathologists. The World Health Organization classification of malignant lymphomas in Japan: Incidence of recently recognized entities. Pathol Int. 2000 Sep; 50(9): 696-702
  2. Aoki R, Karube K, Sugita Y, Nomura Y, Shimizu K, Kimura Y, et al. Distribution of malignant lymphoma in Japan: Analysis of 2260 cases. 2001-2006. Pathol Int. 2008 Mar; 58(3): 174-82
  3. Savage KJ, Harris NL, Vose JM, Ullrich F, Jaffe ES, Connors JM, et al. ALK- anaplastic large-cell lymphoma is clinically and immunophenotypically different from both ALK+ ALCL and peripheral Tcell lymphoma, not otherwise specified: report from the International Peripheral T-Cell Lymphoma Project. Blood. 2008 Jun 5; 111(12): 5496-504
  4. Sibon D, Fournier M, Brière J, Lamant L, Haioun C, Coiffier B, et al. Long-Term Outcome of Adults With Systemic Anaplastic Large-Cell Lymphoma Treated Within the Groupe d'Étude des Lymphomes de l'Adulte Trials. J Clin Oncol. 2012 Nov 10; 30(32): 3939-46

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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